2026-09-26

AORを聴く日々

 

この2ヶ月くらいAORを聴く日々でした。クリエイターの高城剛氏によるディスクガイド「AOR 77Albums Selected 1970s-1980s」からピックアップして聴いていました。昔はディスクガイドを買って読んでは、買い物リストをメモしてCDショップに行ったものですが、今はサブスクのおかげでほとんどの音源を聴くことができて有難いかぎりです。(サブスクに無いものもあります)

「AOR 77Albums 」高城剛著 NEXTRAVELER BOOKS


著者の高城氏もひとつ年上の同年代。90年代の“デジタル&インターネット”時代もシンクロしています。そしてこの本の70年代後半から80年代前半といえば、僕は中高大学生。最も音楽を吸収していた時期でもあります。

エアープレイ「Airplay」にはじまり、マイケル・ジャクソン「Thriller」におわるディスクガイド。イーグルス、シカゴ、TOTO、アース,ウインド&ファイアー、スティーリー・ダン、スティーヴィー・ワンダー、ホール&オーツ、ドゥービー・ブラザース、マーヴィン・ゲイ...。

インターネットのない時代。ロサンゼルスのある地域に住む若者たちによって醸成された“高度な演奏技術、複雑なコード進行、最先端の高音質機材を用いたプロダクション、そして幅広い音楽的要素の融合”を特徴とする音楽が、FMラジオ(当時高音質)に乗って多くの人を魅了した。やがてサウンドの頂点を極めた「Thriller」によって、MTVへと転生しAORの時代を終えます。まさに“ラジオスターの悲劇”です。


登場するバンドやミュージシャンにも歴史があって、この時期のアルバムの好き嫌いは人によって違います。僕はこの時期FMラジオでエアチェックまたはレンタルレコード(御茶ノ水ジャニス)、カセットテープに録音する生活だったので、必然的にこの時期の音がからだに浸透しています。70年代前半以前の音源は“後追い”で聴いたものになります。

自宅のオーディオで鳴らしたい音もこの時期の作品が筆頭です。たとえばスティーリー・ダン。(先日Y氏邸でのレコードvsSACD対決の模様はこちら。さすがY氏の面白い記事です。ちなみに僕は千疋屋の常連ではありません。)たとえばジェフ・ポーカロのドラムスにジェイ・グレイドンのギター。好物なんです。自分史上最高の自宅システムで鳴らすAORは自己満足そのものです。今回発見のあった格別の良音質盤を3枚挙げておきます。

①デニース・ウイリアムスのこのアルバムは贅肉のないディスコサウンドが鮮烈。
②ジョージ・デュークのこのアルバムはブラジルファンクがグイグイきます。
③スティーヴ・キップナーのこのアルバムはグレイドンとポーカロが大活躍の傑作。


2026-09-12

Mabui / 石若駿

 

石若駿(いしわか しゅん)は日本のジャズドラマー。ジャズに限らず多方面で活躍する日本を代表するミュージシャンです。僕のブログでもアニメ「BLUE GIANT」(2023年)や「Trio II: 2」(2024年)で紹介しました。2026年本作ではマーティ・ホロベックBと高橋佑成P&Synのトリオに馬場智章Saxを加えての作品となっています。

僕自身、10年前から5年間くらい原宿と六本木でミュージック(ライヴ)レストランを経営してきて、ベテランから若手まで多くのプロミュージシャンの音を聴く機会に恵まれました。言うまでもないことですが、想像を絶する練習量と才能をもって「これぞ」という音を奏でるわけで、毎度尊敬の眼差しで拝見させていただきました。現在34歳という石若さんの音を聴いているとその頃のことを思い出して、新鮮な気持ちが蘇ってきます。

1.Ballade“集” の一音目からそれを感じます。目の前で演奏を始めたかのようです。淡々とコード進行していくなかでジャズのフリーな演奏が繰り広げられます。馬場さんの印象的なサックスで始まる2.Sepiageshiki の寄せては返す波のようなドラムスが好きなんです。途中からグイグイグルーヴするのもカッコいい。6.Tamatebako なんて複雑なリズムの曲をわずかな時間でレコーディングに仕上げる才能たるや。どーなっているのと思います。けしてわかりやすい音楽ではないと思いますが、まるでライヴで演奏しているようなただならぬエネルギーを感じるアルバムだと思います。

2026-09-05

BJ ELECTRICの音とは

 

先日、BJ ELECTRIC SM-P1 MK2(パワーアンプ)を購入いただいた友人宅に、設置・接続に行ってきました。そこであらためて感じたこと、「BJ ELECTRICの音だなぁ」でした。

スピーカーは我が家も同じJBLなのですが、ウーファー(低音部)のサイズも友人宅30cm、我が家16.5cmと違いますし、友人宅は3ウェイ、我が家は2ウェイと数が違います。なのに同じBJ ELECTRICの音を感じます。スピーカー全体のサイズと音量からすれば迫力は違いましたが。


私がBJ ELECTRICの音に出会う前までは、オーディオ製品のスペック(数値性能)や機能の多さ、他人の評判をネットや雑誌で比較して選択肢を考えていました。オーディオショップで総額数百万円のシステムを聴いては、高音質とはなんたるかも思い知りました。

そのショップで聴いた、買えそうな価格のBJ ELECTRICのパワーアンプを自宅に入れてみて驚きました。いままでのアンプとは違う音。静かな中から立ち上がる音の実在感、拡がる空間、よく聴いた音楽が生き生きして目の前に迫ってくるようでした。そうか、これが音楽を聴くための“道具”かと。音楽に没頭するために音楽を聴いている。オーディオに惚れ込むために聴いているのではないなと。


BJ ELECTRICの石河社長は、業界で名の知れたアンプ製作職人と聞きます。音楽の現場のプロが使用するアンプやケーブルを作るなかで得た多くの知見をもとに、家庭で聴くのに最も大事かつ最低限のシステムを考えられて、できたのがあのサイズのアンプだったというわけです。いまのところパワーアンプ(SM-P1 MK2)の上位機種はありません。音質をアップグレードするのであればそれは、プリアンプSM-PRE MK2を足すということがBJ ELECTRICの回答なのです。

左がSM-P1 MK2、右がSM-PRE MK2。iPhoneと並べて。

オーディオ製品らしいゴツい見た目も大切でしょう。操作ツマミがいっぱいついていたりメーターがついているのも魅力的です。でも、その見た目や機能のための材料費や工数をなるべく“よい音”のための部品や線材にまわすことができたら。配線を短くしてノイズの影響を少なくできたら、その結果がこのサイズなんだと知ることになりました。

そんな考え方はアンプだけでなく、ケーブルにも表れています。あれこれ足すのではなく材料のもつ良さを活かす。そのかわり材料や部品にはこだわっています。そうやって、プレーヤーが送り出す音楽情報をストレートにスピーカーに伝えることになります。

“BJ ELECTRICの音”と感じていたのは、ある音色や音の特徴ではなく、音源そしてプレーヤーやスピーカーの音を“ストレート”に伝えているその“さま”なのかもしれません。

2026-08-29

マイルス生誕100周年SACD

 

マイルス・デイヴィス生誕100周年記念企画盤「Kind of Blue」のSACD(CDとハイブリッド)を買いました。STEREOとMONOの2枚組で、MONOが聴きたかったのです。これで我が家のKind of Blueは4種類になりました。

(左から)SRCS-9701 初の紙ジャケ 1999年DSDリマスター
SRGS-4501 SACDシングルレイヤー 1999年DSDリマスター
88697 47627 2 Legacy Edition海外版2CD+DVD 2009年Mark Wilderリマスター
今回購入したSICJ-10023-4 2009年Mark Wilderリマスター(ジャケ大きい)


どういうわけか、ジャケットが7インチ(シングル盤)相当で大きい。CD棚に入らないんですよね。ソニーあるあるで、ジェフ・ベック「ワイアード」やTOTO「Ⅳ」も“本棚”に入っています。

しかも7インチシングル大の台紙にCD収納。
なぜにそこまで...。アナログへの憧憬か。

我が家で聴ける音源としては、これらに加えて音楽配信Qobuzにハイレゾ24bit192kHzのSTEREOとMONOがそれぞれ存在します。


さて今回のMONO(SICJ-10024)。いいです、これ。ずっとリピートしてかけています。音圧高めですが、モノラルだけにうるさく感じない。ジャズの濃さと楽曲の涼しさが同居して、マイルスやビル・エヴァンスの狙いどおりではないでしょうか。

1999年リマスターはピッチ問題とか修正して、アナログマスターテープからDSD化しているせいか音もアナログ的なのに対し、2009年リマスターは3chのオリジナルテープを最新機材でデジタル化しただけあって、特に高域がパキッと空間表現豊か。コロンビア30丁目スタジオ(愛称チャーチ:教会)がより感じられる録音です。音圧高めなのはデジタル化の過程でそうなったのかもしれません。

音楽配信との比較は、正直わかりません。ヘッドフォンで聴いて音量差に気をつけて、最新SACDのほうがわずかに細かなニュアンスが伝わるような。こうなると機器やケーブルの組み合わせによる違いになってくると思われます。


全体を支配するマイルスのトランペット、コルトレーンとキャノンボール・アダレイのキャラ違い、ポール・チェンバースのベースラインが強い印象のSo What、ピアノがウイントン・ケリーに戻ってちょっと明るいFreddie Freeloader、ビルの世界Blue in Green、3拍子のブルースセッションAll Blues、次アルバム「Sketches of Spain」への布石Flamenco Sketches、ジャズの変革期の奇跡。僕にとって聴き飽きることはないアルバムです。


2026-08-22

音楽配信はノイズ対策が大事 - BJ ELECTRIC EPISODE 5 -

 

音楽配信(Qobuz、Apple Music、Spotifyなど)をもっといい音で聴こうとなったら、DAC(ダック、ディーエーシー)が必要です。デジタル信号をアナログ信号に変換して、→アンプ→スピーカーに送ってくれる機器です。

音楽を再生するパソコンとDAC間を有線接続する「USBケーブル」をオーディオグレードにすることで音質改善します。

BJ ELECTRIC EPISODE 5(1m 36,850円税込)
※BJ ELECTRIC製品は今年2026年10月1日出荷分より値上げになります。詳しくはShopまで。


USBはもともとパソコン、スマホ、プリンタ等多目的な規格。ケーブル内には電源供給のための線も入っています。USBケーブルで充電しますものね。ところがこれ、オーディオには良ろしくないノイズの原因なんです。「BJ ELECTRIC EPISODE 5」は、デジタル信号の線と電源の線それぞれにアルミ箔を巻いて分離させ、さらに外部からのノイズにも対策を施しました。

機器の付属品ケーブルをEPISODE 5に変えますと、背景がより静かになり、音場が拡がって、音の見通しがよくなります。音源そのものが持つ情報をロスなく伝えていることが感じられます。


私は最近パソコンではなく専用機(ストリーマー)「iFi audio ZEN Stream 3」からDACに接続するようにしました。ここ数年この手のネットワーク(ミュージック)プレーヤー機器は多く発売されていて、オーディオグレードのUSBケーブルに変更するユーザーも多いようです。

もうひとつ、これらの機器にはデジタル同軸出力(S/PDIF、形状はRCA端子)もついていることが多く(デジタル同軸のみの場合も)、DAC側にデジタル同軸入力がついていれば、「BJ ELECTRIC EPISODE 1」もオススメです。これまたBJらしいストレートな表現でありながら、USB接続とはまた違った音質が楽しめます。


「音楽配信は音質はたいしたことないんじゃないの?ハイレゾとか言うけど...」と思っている方もおられるかと。ノイズ対策、ネットワーク、電源あたりを強化することで、音源のもつポテンシャルを驚くほど引き出してくれます。その最初の一歩をデジタルケーブルからぜひ。


2026-08-15

A Supreme Blue / Nicholas Payton & Butcher Brown

 

Nicholas Payton(ニコラス・ペイトン)はアメリカのトランペッター兼マルチ楽器奏者。Butcher Brown(ブッチャー・ブラウン)とはアメリカのジャズ・クインテットの名称。マーカス・テニーSax、モーガン・バーズG、コーリー・フォンヴィルPerc、アンドリュー・ランダッツォB、DJハリソンKeyからなるグループです。2026年本作はマイルスの「Kind of Blue」(1959年)とコルトレーンの「A Love Supreme」(1965年)の収録曲からインスパイアされた作品です。


Nicholas Payton + Butcher Brown - “All Blues” (Official Live Performance)


マイルスもコルトレーンも同い年で生誕100周年の今年は、ちなんだ作品やイベントをあちこちでやっています。この2作もド定番のアルバムですが、ある意味“応用しがい”がある作品なのかもしれません。頭の中で歴史的名盤を鳴らしながら、今現在の音を味わうことができて面白いです。


1.So What からレゲエ〜ダブな仕上がりで気分が上がります。昔からダブが好きでして、独特の冷んやりした感触も夏にはもってこいです。3.Blue In Green もボサノヴァーなリズムで気だるい雰囲気が、原曲を見事に現在に引き継いでいます。このアルバムの面白さはコルトレーンサイドにあるかもしれません。8.Pursuance では、コルトレーンがアフリカ音楽に傾倒していった感性を受けつつ、ドラムンベースなテイストにゆったりしたサックスを乗せてみせます。いまのミュージシャンによる名盤再構築を聴きながら、残りの夏をクールに過ごしてはいかが。



2026-08-08

ケーブルに悩まない - BJ ELECTRIC ML-RH -

 

今回はケーブルの話です。

我が家のオーディオは、必要に応じてひとつずつ買い揃えてきました。最も古いのはCDプレーヤー。集合住宅で家族も一緒の部屋なのでヘッドフォンを使うことが多いと思い、ヘッドフォンアンプ(TEAC UD-505)を購入しました。インターネット音楽配信のためにDAC内蔵のものにしました。

このヘッドフォンアンプには、CDからのRCAケーブル、PC(いまは専用機)からのUSBケーブルの入力があります。入力はすべてここに集まっていて、聴きたい音源に切り替えることができます。

そして出力は、スピーカーを鳴らすためのパワーアンプにRCAケーブルで接続しています。つまりこのヘッドフォンアンプはプリアンプの役割も担っています。(スピーカーケーブルについてはまた今度)


私のように買い足してきた人は、各機器を接続するケーブルが必要になります。とりあえず家にあるもので音は出ますし、音も悪くない。

どの家にもある?赤と白のRCAケーブル(ピンケーブル)


音を良くしたいなと思ったら、まずは機器間のケーブルをBJ ELECTRIC ML-RHに交換してみてください。派手に音が変わるわけではないのですが、いままでよく聴いたあの曲が、よりはっきり聴こえるように感じるはずです。強調するところなく極めてフツーに鳴ります。機器のもつ性能が引き出されたとも言います。

BJ ELECTRIC ML-RH(LRペア1mで税込25,300円)


オーディオ好きの間で揶揄する言葉に“電線病(でんせんびょう)”という病がありまして、ケーブルをとっかえひっかえしては、変わっただの好みと違うだの言って、使わないケーブルを増やしていく症状があるのですが、楽しそうなだけに、コレには気をつけねばならないと思っていました。

BJ ELECTRICらしい色付けのないストレートな音を聴いたとき、飽きのこない長く使えるケーブルだと感じました。もうケーブルで悩むことはないと思わせてくれます。あとは機器をどうするかを考えればいいんだと。

オーディオ製品としては、価格も含めてベーシックなアイテムだと思います。たとえばプレーヤーとアンプ間のRCAケーブルをML-RHに交換してみることを提案します。接続にXLR端子を使われている方にはBJ ELECTRIC ML-XH(LRペア1mで税込27,060円)もあります。


2026-08-01

レコード鑑賞会たのし〜

 

先日、note仲間であり音楽好き仲間が集まり、Y氏邸にてレコード鑑賞会が行われました。13時くらいから18時くらいまであっという間の楽しい時間でした。

Y氏邸のシステム。JBL4312の音が部屋を満たす羨ましい空間。

Y氏による日本ライヴ盤におけるディープ・パープル盤とシカゴ盤の音質の違い(アーティストサイドの意向)とか、T氏持ち込みのLPでジャズ喫茶さながらとか、僕が持ち込んだイエスやピンク・フロイドのSACDとY氏所有アナログLPの聴き比べなどなど。

Y氏の膨大かつディープなコレクションを中心に話題はあっちに行ったりこっちに行ったり。恒例?の「太陽にほえろ」話から映像でのジーパン最期シーンにみんなで浸ったり笑。毎回(2回目ですが)、時間がいくらあっても足りないと思う次第です。


オーディオショップとしての販促の時間もいただきました。いきなりラスボス的なケーブルを接続して聴いていただきました。

BJ ELECTRIC KAM-R(RCAケーブル、ペア1mで198,000円税込)

常識からすればかなり高価なケーブルですが、我が家のオーディオを一段上げてしまったモノでして、これはぜひとも音楽好き仲間にも味わっていただきたいとわがままを聴いてもらいました。

ピンク・フロイド「狂気」冒頭の心臓音から「おぉ、これは!」と、細部まで表現してみせる音に皆様納得いただいたようです。そのあともとっかえひっかえ。


BJ ELECTRIC KAM-Rは、素材選びとノイズ対策を採算度外視で徹底し、ケーブルで伝わる途中の弊害を取り除いた製品です。ということはY氏邸システムがそれだけのポテンシャルを持っているということになります。(今回はCDプレーヤーとアンプ間に接続しました。アナログプレーヤーにはRCA端子はなく試せなかった。)


聴き惚れていただいたところで、S氏いわく「いい音でも、ずっと聴いていると慣れちゃうんですよ」とは、まさにそのとおり。オーディオとは“決め”の問題で、好みに合うモノを決めたら、あとは音楽を楽しむことに没頭するのがいいんだと思います。



2026-07-25

プリアンプのすすめ - BJ ELECTRIC SM-PRE MK2 -

 

前回の「自宅のスピーカーを活かす」のグレードアップを提案します。

アンプには主に3つの機能があります。ひとつはスピーカーを駆動するためのパワーアンプ(メインアンプ)。空気を震わせて音にするわけですから大きい電力(パワー)が必要となります。2つ目は入力された信号(iPhoneやCDプレーヤー、レコードプレーヤーなど)は小さく繊細な電力なので、それをパワーアンプが扱いやすいレベルまで引き上げてあげる機能(プリアンプ)。3つ目は複数の入力信号を切り替えるスイッチの役目。

BJ ELECTRIC SM-P1 MK2(パワーアンプ)だけでもスピーカーは鳴ります。アッテネーターという音量を調節する機能もついているので、まずはこれだけあれば、スピーカーが喜ぶように鳴ってくれます。



BJ ELECTRIC SM-PRE MK2(プリアンプ、写真中央)

パワーアンプの前にプリアンプ「BJ ELECTRIC SM-PRE MK2」(税込77,000円)を加えました。サイズもほぼ同じ。小さい。RCAを2系統入力して切り替えられます。たとえばiPhoneとCDプレーヤー、CDの代わりにレコードプレーヤー(フォノイコライザーから出力したもの)を挿してもいいです。


アンプの前にアンプ?意味あるの?切り替えだけでいいのでは?と思っちゃいますが、これが音質的には多いに意味あります。いままで朗々と鳴るだけの音だったのが、ずっと「音楽的」に鳴るのです。静かな音はより静かに、迫力ある音はより迫力をもって。聴き入ってしまうとはこのことです。

役割分担は大切です。パワーアンプはスピーカーを鳴らすためのもの。プリアンプで微弱な入力信号を少し増幅して調整するだけでこんなにも音が良くなります。プリメインアンプとはまさにこの2つがひとつの筐体に入っているものです。


どちらにもボリュームが付いているのでお好みで調整してみてください。まずパワーアンプを上げて、プリアンプをいじってみるといいでしょう。

もちろんお持ちのパワーアンプまたはプリメインアンプの前にSM-PRE MK2を組み合わせることもできます。聴き慣れた音がより「音楽的」になってグレードアップが期待できます。


Macbookとの組み合わせもこんな感じ。コンパクトデスクトップ!


Shopはこちら↓



2026-07-18

Protocol 6 / Simon Phillips

 

Simon Phillips(サイモン・フィリップス)は英国ロンドン出身のドラマー。ジェフ・ベックのアルバムから知った人は多いはず。マイケル・シェンカーのソロ1stの印象も強いですね。TOTOや上原ひろみでの活躍は後追いで聴きました。ジューダス・プリースト、ミック・ジャガー、ザ・フー、エイジア、ゲイリー・ムーアとの共演もあってロック界で人気者です。2026年本作は彼のリーダー作でプロトコル名義では6作目となります。

学生時代ハードロックバンドを演っていた影響から脱却できない僕としては、こうしたテック系ハードインストにはつい食指が動いてしまいます。で、サイモンのドラムスはどうか。器用という言葉では収まらない超絶なプレイが満載です。変拍子もリズムチェンジもなんのその、えぇそう来るんだと意表をつくフレーズ。他の追従を許さぬ余裕さえ感じます。プレイヤーとしては一度は共演したくなるドラマー。でもロックドラマーかといえば、違うかなと個人的に思います。

1.Andromeda からツーバス連打&変拍子。インスト好きのファンをわかっていらっしゃる。2.Unstable Grounds ではヘヴィファンクが心地よいです。5.Code 4 Kryptos もタム回しフレーズがサイモンらしい。ギター弾きとしてはアレックス・シルの音色やフレーズにも耳を持っていかれます。

テクニック的にはいまどきの若者であれば可能だし、サイモンも若手をちゃんとチェックしているように思うのですが、バンド全体に百戦錬磨の風格というか重さを感じます。もうすぐ70歳だけど、まだ負けねーぜと。



2026-07-11

自宅のスピーカーを活かす - BJ ELECTRIC SM-P1 MK2 -

 

Shopの連投で失礼します。

ご自宅にスピーカーはありますか?「むかし買ったものだけど最近聴いていないなぁ」「親が持っているものを譲ってくれそう」「コンポひと揃えまだ持っています」など、ちょっとホコリをかぶりつつ置いてありませんか。

仕事に子育てに忙しい時代はそれどころではないので、つい“オーディオな”ことから離れていますが、休日の昼間に少し時間ができたら、好きなあの曲を鳴らしてみようかなと思ったりします。


自宅にあったスピーカーとiPhone、そしてBJ ELECTRIC SM-P1 MK2

もうこれ(↑写真)だけで、立派にオーディオします。アンプ、小さいでしょ。でも鳴らすとびっくりするくらい鮮度の高い音が出てきます。ボリュームも少し上げるだけでパワー充分です。


iPhoneとアンプをつなぐには、まずiPhoneの下部にあるUSB-C端子からヘッドフォン端子(3.5mm)に変換するプラグが必要です。Apple純正の「USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」1,380円(税込)。

Apple USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
持っておくといろいろ便利

そして、上記アダプタとアンプをつなぐ「3.5mmRCA変換ケーブル」。片方が3.5mmのヘッドフォンジャック(オス)で、もう片方がピンジャック(オス、RCA)で赤と白に二股分岐しているケーブル。アマゾンや楽天で「3.5mmRCA変換ケーブル」と検索するとたくさん出てきます。1,000円未満のものもあります。iPhoneを置く場所とアンプを置く場所の距離(長さ)に気をつけて。

ご自宅にアンプもあれば、わずか2,000円ちょっとで、いつものサブスクやYouTubeの音をスピーカーで鳴らせるというわけです。


ちょっといい音で聴くには、左右のスピーカーを少し離して置くこと。できればスピーカー近接は物がないほうがいい。直置きでなく、台とかについてはまた今度。


むかし買ったアンプは、もしかしたら音がうまく出ないかも。「左右どちらかの音がちゃんと出ていない」とか「ボリュームをまわすとジリジリって音がする」とか。買い替えを検討してみてはと思います。

場所とらず、本格的な音質で、今後もメインとなり続ける=長く使える、それが「BJ ELECTRIC SM-P1 MK2」(税込77,000円)です。


ちなみにノートパソコンにはもともと3.5mmヘッドフォンジャックがあるので、
RCA変換ケーブルがあれば、アンプとつなげるだけで
パーソナルなデスクトップオーディオ環境が完成。

Shopはこちら↓


2026-07-07

オーディオ・オンラインショップ始めました

 

本日(2026年7月7日)、オーディオのオンラインショップ「Shop.feed-back.jp」をオープンいたしました。

https://shop.feed-back.jp/

鎌倉のオーディオメーカーBJ ELECTRIC社の製品をインターネットで販売いたします。ケーブルやアンプを各種揃えております。

ご自宅にあるスピーカーやアンプをより活き活きと鳴らしたい、買い替えを検討しているのでケーブルもより品質の良いものを選びたい、デスクトップに収まる小型のアンプを探しているといったご要望にお応えできる製品です。

今までブログにも書いてきましたが、私自身若い頃から音楽を聴くことが好きで、その道具としてのオーディオにもずっと興味があって日々楽しんでいます。その過程で出会ったBJ ELECTRICの音と姿勢に感銘を受け、自宅システムのケーブル、アンプをすべて同社製品に取り替えてしまいました。

オーディオは人それぞれ好みが様々な趣味ですから正解はありません。その分、自分なりのこだわりを探していく楽しみもあります。何度も聴いたあの曲が新鮮に響いた、こんな音で録音されていたのか、ほかの曲もいろいろ聴いてみたくなった、そんな感想を聞くことができればとショップを始めた次第です。

ショップオープンにあたりまして、BJ ELECTRIC製品総販売元であるBEAT&VOICE堀部代表には大変お世話になりました。またBJ ELECTRIC石河社長にもご快諾いただき感謝いたしております。サイト構築は妻のおかげです。この場をかりて関係の皆さまに御礼申し上げます。

Shop.feed-back.jp 清川達也

2026-07-04

ZEN Stream 3でQobuz専業化

 

またちょいマニアックネタとなります。長らくパソコン(Mac)を使ったネットワークオーディオ(オーディオMac高音質化計画を参照)を続けてきましたが、ついにオーディオ専用機「iFi audio ZEN Stream 3」を導入しました。目的は音楽配信サービス「Qobuz」の音源をなるべく高音質で聴くためです。

ZEN Stream 3 今年6月発売、市場価格71,500円前後

インターネットから音源を取得してオーディオに送り出す機能(トランスポートとかストリーマーとかいいます)を今まではMacでアプリを使っていました。そのMacも2013年製となんと13年前のマシン。故障していないとはいえCPUがあまりに古い。なのにMacは音源送り出し以外にもいろいろと忙しく仕事しています。これがノイズとかちょっとしたズレの原因になってしまう。

ZEN Stream 3は“オーディオ専用機”です。しかも背面のスイッチでQobuz専用モードに設定できるので、こうなったらハイレゾはもうQobuzだけに絞ります。家族でサブスクしているApple MusicはDACに直接Bluetoothで飛ばすか、AirPods Max 2で空間オーディオすることにします。あー、すっきり役割分担。

改めて接続順。インターネット→Wi-Fiルータ→(有線LAN)DATA ISO BOX→(有線LAN)OPT ISO BOX→(有線LAN)ZEN Stream 3→(USB)TEAC UD-505:DAC→(RCAケーブル)BJ ELECTRICアンプ→(スピーカーケーブル)JBL4309スピーカー。つまり全部有線。電源強化も抜かりありません。

スマホのQobuzアプリで曲を探して再生。Qobuz Connectを使うのでハイレゾもパーフェクトに伝送。※スマホとZENは同じネットワークにある必要があるのでOPT APの出番でした。

さて音質です。さすがは古いMacではなく最新のオーディオ専用機、そうかこんなに違うのかと。Macでは音が少し荒いかも。音の拡がり方(音場)が広くなり、奥行きもより感じて見渡しよくなりました。余裕をもって鳴らしているので、ボリュームを上げてもうるさくない印象。背景が静かになって細かな音のニュアンスもより聴き取れるようになってクッキリです。

インターネットルータをオーディオ用のものにするとか、システム全体を光伝送化するとか、まぁキリがないのですが、それはまた将来的にということにしておきます。

2026-06-27

Eternal Child / Avishai Cohen

 

Avishai Cohen(アヴィシャイ・コーエン)はイスラエル出身の現代ジャズ界を牽引するジャズベーシスト。2024年のアルバム「Brightlight」も紹介しました。今作は新進気鋭のイタイ・シムホヴィッチPとエヴィアタール・スリヴニクDsを迎えたトリオによる2026年新作です。

ジャズでピアノトリオといえば、ビル・エヴァンスに代表されるように叙情的なものが多いです。シンプルな編成ゆえにミュージシャンによってそのカラーが微妙に違って表現されるので聴く者を魅了して止まないのでしょう。そして録音も高音質のものが多い。アヴィシャイの作品群も例に漏れず、オーディオ師匠のHoribeさんも紹介(「From Darkness」)されています。

一定間隔のベース音から始まる1.Simchover での哀愁を帯びたメロディ、印象的なベースラインがまさにアヴィシャイならでは。7.Lookie のちょっとハネるビートに乾いたスネアの音がなんともヒップホップでいい感じです。この若手ドラマーもタダモノではないなと。チック・コリア・エレクトリックバンドの表題曲8.Eternal Child はかつて活動を共にしたリスペクトを感じる作品。ソロでもメロディアスなアヴィシャイのベースプレイが光ります。

2026-06-13

池袋のオーディオスクエアに行ってきた

 

池袋の東武百貨店4F、ノジマ(家電量販店)にある「オーディオスクエア池袋東武店」に行ってきました。ノジマは家電のみならず企業として勢いのある会社という印象です(ニフティもVAIOも、僕が昔いた衛星放送の分野も)。そしてオーディオの分野でも専門店を神奈川や幕張に現時点5店舗を展開されています。

オーディオスクエア池袋東武店の入り口

さまざまな価格帯の人気商品が揃っていて、多くの来客を感じさせます。さすが池袋駅直結立地だなと。奥に本格的な試聴室がありまして、そこで店主さんとあれこれ話をさせていただきました。もちろん試聴も。さりげなく、とても親切で、居心地がよいお店でした。

話は外れて、実はわたくしメーカーの新卒社員時代に、平塚のノジマ(野島電気)に研修で2週間ほど店頭に立った経験があります。しかも希望してオーディオ売り場。いい気になってアキュフェーズのプリとパワーが売れた(買っていただいた)のは懐かしい思い出です。

気軽に入れるオーディオ店って意外とないんだよな、と思っていました。懇意にしていた近所のオーディオ店は引越ししてしまい、電車ですぐに行けそうなところを探していたんです。できれば気兼ねなく試聴ができる場所があってほしい。昨年末くらいにオープンしたという同店を知り、週末に行こうとなったのです。

馴染みの秋葉原〜お茶の水に老舗のオーディオ専門店はあります。でもちょっと敷居が高いイメージ。オーディオに詳しくない友人を連れていくにはちょっと気後れしそうな予感なのです。その点、家電フロアの一角にあるこちらは、ふらっと入っちゃいましたって感じで立ち寄れそうです。

音楽を聴くのが好きな人は多く、聴き方は人それぞれ様々です。いろいろ聴けば聴くほど、ちょっといい音で聴きたいという人も多いでしょう。“オーディオ難しそう”の先入観で二の足を踏んでいる人に「一緒にどうですか」と声をかけたいと僕はつねづね思っています。これからもそんな場所や機会を探していきたいと思います。


2026-05-30

Diavola / Gabrielle Cavassa

 

Gabrielle Cavassa(ガブリエル・カヴァッサ)はアメリカのジャズ・ヴォーカリスト。ジョシュア・レッドマンSaxの2023年のアルバムでヴォーカル参加していた人です。2026年今作はブルーノートからのメジャーデビュー作。メンバーはジョシュアの他、ジェフ・パーカーG、ラリー・グレナディアB、ブライアン・ブレイドDs、ポール・コーニッシュPという豪華布陣です。

“2021年のサラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティションの優勝者”としての実力をもつ彼女。世代的にもいろいろなジャンルの音楽を聴いたはずで、その中でジャズシンガーの不完全で即興なところが人間的で惹かれたとのこと。でも今回はジャズの枠も外して“自然”であることを大切にして取り組んだアルバムと言います。

2.Raindrops Keep Falling On My Head を聴けば彼女の意図がわかります。力がすぅーっと抜けて音に身を委ねる気分になります。スタンダード曲の3.Prisoner of Love もいい感じ。うしろで静かに鳴るジェフのギターも素敵です。タイトル曲8.Diavola を聴く頃にはすっかり彼女の深みに溶け込んでいるはず。バックの演奏もさすがの雰囲気です。リラックスしているうちに彼女の歌声に浸り、最後まで聴いてしまうアルバムです。

2026-05-16

AirPods Max 2とリビングオーディオ

 

それにしても高額なヘッドフォン、AirPods Max 2を購入しました。新モデル発売の勢いでつい...。いや、前から欲しかったんです。

AirPods Max 2(89,800円税込)

僕の音楽リスニング環境は、リビング。以前にも書きましたが、家族が話をしたり食事したりする場所です。愛用のSTAXは開放型で聴いている音楽が周囲にマル聞こえ。個性派のULTRASONEは長時間聴いているとオジ耳にはちょっと疲れる。密閉型で、聴き疲れのしない、しかも空間オーディオをちゃんと聴けるヘッドフォンが欲しかった。

AirPods Proも持っているんだからそれ使えばいいじゃんと自分を納得させていたのですが、イヤフォンはやはりイヤフォンの音なんです。そんでもって妻がMaxを長い間使っていて「いいよ〜これ」とずっとお薦めされてきました。いつか新モデルが出たら考えるかと...、出ちゃった、ので。

新モデルったって、内蔵しているチップはやっとProに追いついた従来型。カラバリも変わりなし、形状も重さも変化なし。音質も妻のを聴いていたので、よーく聴けばあぁ確かに、くらいの進化レベル。もうちょっとなんとかならなかったのか。せめてハイレゾ24bit/96kHzに対応とかして欲しかった。

使ってみて、あーやっぱりよく出来てるなと。iPhoneでApple Music内を曲探し。Max自慢のノイキャンが効いて没頭できます。思いついてMacでYouTubeを観ると、音はMacのほうに自動で切り替わる。お届け物がピンポ〜ンと来ても外部音取り込み(適応型)で対応。リングを押して音楽を止めればそのまま家族とちょっとした会話。再びiPhoneリスニングに戻る。なんてことが、すべて自然にシームレス。つけっぱなしヘッドフォンと言われるくらい、ずっとつけている人も多いらしい。

音質は、可もなく不可もなく良いです。そりゃSTAXの解像度やULTRASONEの迫力にはかないっこないです。もちろんスピーカーとは別物です。いわゆる“オーディオ”とは違う、“コンピュータ内蔵リスニングデバイス”ってことなのでしょう。ちなみにUSB-C有線でも聴けて、音質も少し良くなります。でも接続機器の組み合わせやケーブルの工夫で、自分好みの音に試行錯誤したいという欲求は満たされません。

リビングで、高音質で、没頭できる音量で周囲に気兼ねなく、音楽と戯れていられる快適さは手に入りました。で、ここぞという時間に、これぞという音源を、QobuzやCDで、スピーカーを鳴らしてやるのです。

2026-05-02

Around The World With U / Ulysses Owens Jr.

 

Ulysses Owens Jr.(ユリシーズ・オーエンス・ジュニア)はアメリカのドラマー。若手精鋭たち“ジェネレーションY”との共演シリーズ、2026年新作となります。今回は日本から寺久保エレナAs、治田七海Tb、中村恭士Bと3人が参加しています。ほかにアンソニー・ハーヴェイTp、タイラー・ブロックPというセクステット構成。

これぞジャズという音源をガッツリ聴くのはやっぱり気持ちよいもんです。ロックコンサートでスタンディングで楽しむのも良いのですが、ジャズクラブでゆったり座って、美味しい食事とお酒でお腹を満たしながら、スリリングな展開に食事の手が止まったままになったり、心温まるバラードにうっとりしたりする時間は、なんとも大人な愉しみで好きでした。

スリリングといえば、2.Bebop & Confirmation をお聴きあれ。ソニー・クラーク・トリオでお馴染み、これぞビバップ。次から次へと波のようにフレーズを高速でユニゾンで。ソロもノリノリです。うっとりといえば、7.The Light that Grew Amongst Us 。寺久保さんのアルトに浸ります。ラストの11.I'm Not So Sure ではジャズファンでなくとも体が揺れてしまうはず。ライヴ感覚溢れるこのアルバム、全般でユリシーズの巧みなドラムスに耳が奪われる1時間弱です。


2026-04-18

ラテン音楽、ふたたび

 

バッド・バニーは今年2月初旬、アメリカの国民的イベントであるNFL(アメフト)スーパーボウル(頂上決戦)のハーフタイムショーで、“憎しみより愛”をメッセージにパフォーマンス。我が家も家族3人でその録画を楽しみました。

今年のグラミー賞で年間最優秀アルバム賞を、史上初全編スペイン語作品で受賞したバッド・バニー。地元プエルト・リコの地銀がクリスマスシーズンに旬のスターや注目の若手を起用してCDやDVDを制作することを30年以上続けるという素敵な地銀なのですが、バッド・バニーは2018年に早くも起用されていたと。(「ゼロから分かる!ラテン音楽入門」世界文化社より)

昨年発表のアルバム「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」の1曲目「NUEVAYoL」
エル・グラン・コンボ・デ・プエルト・リコの「Un Verano en Nueva York」で始まる

中南米から拡がったラテン音楽。僕は1988年あたりから90年代をとおしてレゲエ(ジャマイカ)、ボサノヴァやMPB(ブラジル)を中心にCDを集めていました。特にリズムの多彩さと進化はあまりに楽しくて、英語圏のロックを中心に聴いてきた耳にはとても新鮮に響きました。

ときは“ワールドミュージック”。六本木WAVEにて店内POPを読みながらスペイン語圏のCDも買ってヘヴィロテしていました。特に好きだったのはニューヨークのサルサ。奇しくも今年2月に亡くなってしまったウィリー・コロン、ルベーン・ブラデス、そしてファニア・オール・スターズ。プエルト・リコのコルティーホ(ボンバ)やキューバのアダルベルト・アルヴァレス(ソン)もよく聴きました。

ラテン音楽って日本でも馴染みがあるように思います。昭和歌謡にも多い印象。踊りたくなるようなリズムとちょっと哀愁を帯びたメロディ。僕個人の原体験は中学のときに聴いた高中正義の「SUPER TAKANAKA LIVE!」(1980年)。彼は今年73歳にしてワールドツアー即完売とは恐れ入りました。みなさんのラテン音楽原体験は何ですか?

30年以上経ってふたたびラテン音楽マイブーム。CD棚から引っぱり出すのはもちろん、サブスクで限りなく音源を漁れます。暑くなってきた春から初夏にぴったり。ここで熱く紹介したいのはファニア・オール・スターズのニューヨークはチーターで行われた伝説的なライヴ。会場の熱気がスゴイ!。Vol.2もありますよ。

2026-04-04

Honora / Flea

 

Flea(フリー)はアメリカのロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)のベーシスト。彼がロックに行く前の少年時代、ジャズが好きでトランペットを演奏していたことに起因してアルバムを作ろうと思ったと。(レッチリの初代ギタリスト=ヒレルに会ってロックに傾倒していく姿はNetflixの“The Rise of the Red Hot Chili Peppers”に)アルバムアートワークは、彼の義理の母をイランで撮影したものとのこと。

僕自身、レッチリは当時からCDを聴いていて、フジロックでもライヴを観たりして、そのファンクネスと狂気なロックに触れてきました。フリーが熱き男であることは周知で、Netflixのドキュメンタリーでも明らかです。聴衆の心に響くものを追求してきた彼のこと、ジャズに挑んだ今作2026年初ソロフルアルバムでもその才能は発揮され、ほかには無い作品を生み出しています。

今回はジャズを聴く人にもオススメな曲を紹介。2.A Plea のかっこいいファンクジャズベース。こうなるんだなフリーが演ると。5.Morning Cry もとてもジャズしているんですが、リズムがやっぱりオリジナリティ。9.Willow Weep for Me 名曲“柳よ泣いておくれ”ではしんみりしたフリーを思い浮かべたりして。ロック好きにはトム・ヨークやニック・ケイヴ参加曲もあり、ファンカデリックの6.Maggot Brain では後ろでエディ・ヘイゼルのギターが聴こえてきそうです。ぜひ大きめの音量で部屋(脳内)をベース音で満たしてください。

2026-03-20

DATA ISO BOX導入

 

やっとDATA ISO BOX(トップウイング社製)を導入しました。音楽ストリーミングやリッピング音源再生の“ネットワーク改善”ツールとして、界隈では盛り上がりを超えて、もはや定番化している感があります。

(左から)OPT APとDATA ISO BOX(セットで77,000円税込)、すでに導入していたOPT ISO BOX(39,600円税込)

接続順は、インターネット→Wi-Fiルーター→DATA ISO BOX→OPT ISO BOX→Macbook(Qobuz)→DAC(UD-505)→アンプ→スピーカー

昨年導入したOPT ISO BOXはLANケーブル上に乗ってくるノイズたちを駆除してくれる、いわばハードウェア的対策。今回のDATA ISO BOXはLAN上にオーディオ専用の部屋を作ってくれるような、いわばソフトウェア的対策。

DATA ISO BOXの上流にあるWi-Fiルーターは、家族のスマホやパソコン、テレビのネット接続でしょっちゅうアクセスしています。使っていないときもアクセスしているんです。それら常時アクセスの影響から切り離してオーディオ専用のネットワークを作ってくれるというわけです。

さて音質はというと、声や楽器がよりくっきり明瞭に、どころではなく「こんな音で録音されていたのか」と驚かされます。ネットワーク改善前のストリーミングはCDに比べてどこかシラケた感があって“一応聴いている”ようなイメージだったのが、OPT ISO BOXでCDと同等になったと思ったら、DATA ISO BOX導入によってストリーミングがCDを超えてきたなと。

音の粒立ちが明確になって、上下左右前後のどこで鳴っているかがわかります。中高域が改善されたのではと思いますが、つられて低域もさらにはっきりして迫力が感じられます。

OPT ISO BOXの効果を30とすると、DATA ISO BOXの効果は70くらいあります。でもこれで100。ネットワーク改善は基本的にこれで完成でいいかなと。

ちなみにOPT APは、そのオーディオ専用ネットワークを無線LAN対応にするもので、今まで同様にスマホやタブレットで曲をコントロールできるようにするものです。
※同じアカウントでログインしているMacbookのQobuzアプリのQobuz Connectを使う僕はいまのところ使用頻度が少ないです。

大事な点は、OPT ISO BOX同様、DATA ISO BOXにも電源ユニットDC POWER BOXから電源供給していること、そしてDCケーブルもDC Au Cable 2.1に変更していること。これらの音質への貢献は大きいです。

最初からすべてを揃えるのではなく、もしストリーミングの音をよくしたいと思ったらまず、DATA ISO BOXの導入から始めるのがオススメとなります。

2026-03-06

Side-Eye III+ / Pat Metheny

 

Pat Metheny(パット・メセニー)の6年ぶりのスタジオ録音による2026年新作。若手と共演するプロジェクトSide-Eyeの第2弾ということで、前作「Side-Eye NYC (V1.IV)」での構成であるドラムスとキーボード(ベース兼)を引き継いで、今回はクリス・フィッシュマンP&Key、ジョー・ダイソンDsとの共演となります。(ベースにDaryl Johnsなる名前があるのですが、たぶんスティング〜ローリング・ストーンズの彼とは別人物だと思う)

先月27日にストリーミング全曲発表以来、アルバム通して毎日聴いています。近年アコギな落ち着いた作品が続いただけに、うぉーっ!これはメセニー・グループ(PMG)節が帰ってきたぞと盛り上がっております。今回はゴスペルなヴォイスが大幅にフューチャーされていてこれがすごく効果的。71歳にしてこの新境地。やっぱりスゴいなメセニー。

まずは1.In On It ですよ。来たきたー。譜面渡された若手も大変だなぁ。聴きまくったPMG作品の数々が蘇ってまいります。2曲目3曲目も長尺でどっぷり。得意のギターシンセも響かせてくれます。メセニーを聴かない人にもオススメなのは4.Urban and Western 。ソウルフルなギターとオルガンでゆったりときて、徐々にゴスペルで盛り上がる新機軸。なんかアレサ・フランクリンのナチュラル・ウーマンを思い出しました。若手ふたりの凄腕プレイが光る5.SE-O もぜひ聴いてほしい。過去作品とはひと味違うアメリカの風景を織り交ぜた、メセニーの新しい音世界をご堪能あれ。

2026-02-13

おうちでジャズ喫茶

 

寒いですね。冬ですからしかたない。こんな日は“おうちでジャズ喫茶”ごっこすることにします。ジャズクラブの仕事をしていたときは暇を見つけてジャズ喫茶に行ったりして楽しんでいました。いまは外国人の方にも日本特有文化の珍しさで知る人ぞ知る存在だそうです。

うちのスピーカーJBLを朗々と鳴らしたい。というわけでCD棚の前に立ってどれにしようかなというのは幸せな時間。マイルス、コルトレーン、ビル・エヴァンスといったド定番は案外ジャズ喫茶でもかからないんですよね。というわけで選んだのはこの3枚。温かいコーヒーでも用意してからどうぞ。


左から1枚目、ハンク・モブレーの「ソウル・ステーション」から1曲目の「リメンバー」。モブレーのテナーサックスがエコーも気持ちよく、優しく軽快に響きます。口笛で吹きたくなるほどのキャッチーなメロディ。難しいフレーズ無し。ジャズファンでなくたって安心して聴けますよ。ウイントン・ケリーのピアノソロもポール・チェンバースのベースソロも、誰かさんと一緒のときの緊張感はなくリラックスリラックス〜。


お次はジョー・ヘンダーソンの「ページ・ワン」から1曲目「ブルー・ボッサ」。一転してエコーの少ない録音。眼の前で演奏しているかのように各楽器がハッキリ鳴ります。ケニー・ドーハムのトランペットの細かい震え奏法?もそこで鳴ってる。ちょっと昭和歌謡なメロディが素敵でこれまたキャッチー。ジョーヘンのソロはモダンな感じ。マッコイ・タイナーのピアノが華をそえて、ブッチ・ウォーレンのベースもリズミカル。


3枚目はホレス・パーランの「アス・スリー」から1曲目「アス・スリー」。まぁこれはオーディオ好き定番かな。初っ端ジョージ・タッカーのベース音からもうかっこいい。んでアル・ヘアウッドのブラシですよ。スピーカーでこの疾走感が出ないと。パーランのピアノが入ってきたら3者一体のこのグルーヴ。これぞジャズ!コーヒー飲んでる場合じゃないです。


実は3枚ともブルーノートで4000番台、録音はルディー・ヴァン・ゲルダーで選んでみました。どれも1曲目をかけましたが、気に入ったらアルバムごと聴いてみてください。それぞれアルバム全体のキャラクターがありながら、別の表情も見せてくれます。そうそう、アルバムジャケットもそれぞれイケてます。

2026-02-06

Scenes From Above / Julian Lage

 

Julian Lage(ジュリアン・ラージ)はアメリカのジャズギタリスト、作曲家。1987年生まれの37歳ですが、“現代ジャズギターの最高峰”と呼ばれるほどの実力者です。リーダー作として17作品目にあたる2026年ブルーノートからの本作は、ベーシストありのオルガン・カルテット作品です。

オルガン奏者はジョン・メデスキ。ジャズ・ファンクなジャムバンド、メデスキ・マーティン&ウッドとして、ジョン・スコフィールドGとよく共演していたことを思い起こします。オルガンとギターの組み合わせは好きですね。今回ジュリアンは、エレクトリックだけでなく、アコギも合わせてきています。ジャズギターはフルアコのモコっとした音色が代表的ですが、ジュリアンはさにあらず、実に様々なギタートーンを聴かせてくれてそれが彼の個性になっていると思います。

1.Opal から、これファンクじゃないなと。メランコリックで拡がりのあるサウンド。懐かしいような風景が浮かびます。個人的には3.Talking Drum がノリノリで好き。オルガンもホットでバンドサウンドを味わえます。続く4.Havens がアコギの曲。これは新しい食感だなぁ。でもオルガンとすごくマッチしていると思います。ギターの音色も音選びもいままでのジャズギターにはない、曲調もジャズらしくはない、でも噛めば噛むほど味わい深いアルバムです。

2026-01-30

スピーカーセッティングをGeminiに聞いた

 

スピーカーのセッティングについて、ためしにGeminiに聞いてみました。ウソかホントか詳しく回答してきてちょっと驚きました。

スピーカーの機種名(我が家はJBL4309)と「セッティングのコツを教えてください」と言うだけで、左右のスピーカー間の距離、リスニングポイント、スピーカースタンドやインシュレーター、スピーカーケーブルの接続などなど、質問ごとにいくつかの選択肢を挙げて教えてくれます。「はいはい、ちゃんとやっていますよ」なんてつぶやきながら。

我が家のJBL4309。本格的に聴くときはグリルを外す。

我が家のオーディオセットは家族も一緒のリビングにあるので、スピーカーもテレビをはさんで左右に設置しています。つまり左右のスピーカーの間に薄型の大板がある状態で、これが反射板となって音響的にはイマイチ。でもここに置くしかないのでしかたがない。

おまけにテレビ用の細長いスピーカーがとなりに立っていて、テレビの出音がオーディオ用スピーカーに跳ね返ってしまう配置。でもテレビ内蔵のスピーカーは聴くに耐えないし、はやりのサウンドバーの音もあまり期待していない。5.1chサラウンドするにはこの細長スピーカーのほうがまだいい音しているので、ここも譲れず。

ということでオーディオ用のスピーカーは、テレビ板よりも前に出して、周囲の壁から40〜50cmは離して設置しています。リスニングポイントは低めのソファで、座ったときの耳の位置とツイーターの高さをあわせて、床から50cmのスピーカースタンドの上に乗せています。

床はフローリング。スタンドのスパイク(スパイク受けは付属のもの)で床と離しています。スピーカーとスタンド天板の間にはインシュレーターを前2個、後ろ1個の3点支持。オーディオテクニカのハネナイトという特殊ゴムを使ったもの(AT6099)を挟んでいます。

今回Geminiが教えてくれたのは、このインシュレーターの位置。テキトーにスピーカーの端っこに挟んでいたのですが、もうちょっと中央に寄せてと。特に後ろ1個のインシュレーターを背面から5cmくらい前に出せと言うのです。

モダ〜ンなスピーカーさんたちはみな奥行きが長いデザインが多い。つまり幅<奥行き。でも我が家のは幅>奥行き。それで後ろインシュレーターを前に出したら、もうほぼ中央に近い。安定性を気にしながら少しずつ前に出しました。(地震対策はいつか考える)

で、しばらく聴いていたら、なんと音がもっと前にパーンと出てくるようになりました。音もハッキリしたような。へぇ、インシュレーターの位置って影響あるんだと教わった次第です。

これでもスピーカーの設置対策にはできる範囲かつミリ単位でやってきたつもりです。内向き角度とか何度変更したことか。高域はクリア、低域はこのスピーカーなりの鳴りっぷりを発揮していました。ホーン型とか前面バスレフとかの特徴を活かした“自分好みの”セッティングにまた一歩近づいた気分です。

2026-01-23

For Dinah / Ledisi

 

Ledisi(レディシ・アニバーデ・ヤング)はアメリカのシンガーソングライター、音楽プロデューサーです。音楽一家に育ち、2000年にはファーストアルバムを発表、数々のグラミー賞ノミネートを経て、2011年6枚目のアルバム「Pieces of Me」はビルボードのR&Bアルバムチャートで最高2位を記録。2021年のグラミー賞で最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞も受賞するなど、出版、女優としても活躍するベテランです。今作は2025年に発表した13作目のアルバム。

ジャズシンガーのレジェンド、ダイナ・ワシントンに捧ぐとあるとおり、「自由に動き、自由に創造し、女性としてリーダーシップを発揮することを許してくれた」とレディシはその影響を語っています。彼女の歌声から、けしてスムーズには終始せず、表現も堂々としていて包容力もあり、ダイナを歌い上げる力強い自信を感じることができます。

ジャズの面白さは“スタンダード”曲を様々なミュージシャンが演奏、歌唱すること。僕もよく聴いたダイナの1.What A Difference A Day Made や3.Caravan が聴きどころです。ダイナのほうが迫力はあると思いますが、レディシのほうが親近感を感じます。かといって媚びていなくてストレートに歌が伝わってきます。推しはこれまた好きなグレゴリー・ポーターとデュエットの6.You've Got What It Takes で、スウィンギンでゴキゲンなナンバーです。アルバムのプロデュースはクリスチャン・マクブライドときてます、さすがです。


2026-01-16

英国など「MTV」終了

 

「MTV、約40年続いた音楽専門チャンネル終了 英国など」の記事にもあるとおり、約40年続いた音楽専門チャンネルが英国などで閉鎖されたとのこと。親会社パラマウント(旧バイアコム)のコスト削減の一環。ちなみに日本ではアムドックス社に運営を委託して今も継続しています。

個人的にMTVには思い入れがあります。80年代の地上波での番組枠時代から、ビデオデッキ(ソニーのベータマックス)の前に座って夜な夜な録画していた頃がなつかしい思い出。

就職した翌年の1989年、スカイポート通信サービス(通信衛星を使った番組供給)という会社にNECとしてコンピュータシステムを納入し、この頃から日本での音楽専門チャンネルの立ち上げにも関わり始めました。

1992年そのスカイポートTV(ゴタゴタののち放送事業)としてMTV、CNN、スターチャンネルなど6chでCS(Communication Satellite)放送開始する頃には同社に転職して、システムを中心に立ち上げから運用、加入促進と必死に働きました。今で言うサブスク、つまり月額課金のハシリでした。

日本でのMTVはライセンス料などの問題で1999年チャンネル名をVIBEとしてリスタート。日本独自のテイストで魅力ある音楽チャンネルでした。僕はこのVIBEのインターネット事業を承継して2001年に社長になりました。

実はもうこの頃から音楽専門チャンネルとしての役割は変化して、よりパーソナルなメディアに移行していると実感していました。iモードをはじめとするモバイル(ガラケーですね)で、テレビから携帯電話、茶の間からポケットになったのでした。

言うまでもなく、今はスマホでSNSの時代。昔のように「動くミュージシャン」を見たければほとんどYouTubeです。というか、きちんと編集された長尺の動画(それが1曲であっても)よりも次から次へと超短尺の映像を見せることで、なんとか視聴者(視聴時間)を獲得する(つなぎとめる)時代になっています。

僕にとってのMTVはもう25年前には終わっていたのかもしれません。

2026-01-09

Live at Smoke / Al Foster

 

2025年5月に82歳でこの世を去ったアメリカのジャズドラマーにしてレジェンド、Al Foster(アル・フォスター)の最後のアルバムです。同年1月の誕生日に行われたNYはSmokeでのライヴ録音。メンバーはクリス・ポッターTs&Ss、ブラッド・メルドーP、ジョー・マーティンBという豪華布陣となります。

70年代以降はマイルスのグループに参加。激動の時期を支えていました。お気に入りのアルバム「デコイ」でのエネルギッシュなプレイが印象に残っています。ほかにもブルー・ミッチェル、ソニー・ロリンズ、ホレス・シルヴァー、マッコイ・タイナーといった巨人たちとの共演も多々。名盤のドラムスにアル・フォスターありです。

マイルス〜ウェイン・ショーターによる3.E.S.P. のお馴染みフレーズから4.Old Folks のバラード、軽快なスイングの5.Pent-Up House への流れを聴いてみてください。控えめながらも余裕を感じさせるツボを押さえたドラミング。美しいシンバルワークも印象的です。ほかの名うてのメンバーも華を添えます。アルと同じく1月生まれの父も昨年1月に旅立ってしまいました。その昔、父にジャズCDを誕生日プレゼントしたら「ありゃ、むずかしいよ」って言われたのを思い出しました。

2026-01-02

その音源、「海苔波形」につき?

 

新年早々ニッチな話で恐縮ですが、一部のオーディオファンの間で「海苔波形」が話題になっています。話題の原因はTOP WING社が「Sonic Corrector(信号補正フィルター)」というまだ発売にもなっていない製品をYouTubeなどで発表&動画配信したことにあります。

「海苔波形(のりはけい)」とは、音楽制作(DTM)などの分野において、音圧を極限まで上げた結果、波形の上下が真っ平らに潰れて長方形に見える状態を指す俗称(Geminiより)

ということで、90年代の昔から「音圧戦争」とか言われて音質に関心のある人にはあぁハイハイな話題です。

人は少し音量が大きいだけで「音がいいかも...」と思ってしまうところがあって、昔のラジカセ時代に端を発し、イヤフォンでも迫力のある音を聴かせるためにそういう音作りをします。もちろん程度は明らかなものからなんとなくなものまで、いろいろあります。

個人的な体験としても、90年代以降のよく聴いてきたハードロックやダンスミュージックのほとんどがコレでして、特にリマスターと称して再発されたものは“盛ってる”印象です。今でもポップスのほとんどはそうですし、ジャズの楽曲の中にもあります。

聴き手にとっては、ライヴに行っても大きな会場は低音モリモリですし、クラブは体全体で浴びるような音が魅力なわけで、音楽を聴くことはそれらの追体験であったりします。

なにより作り手にとって音楽がビジネス重視、マーケティング重視になった80年代以降、ミュージシャンの意向は別にして、一聴していいかもと思わせることで、CDがどれだけ売れるかを競うようになったことが影響しているというわけです。

「海苔波形」の音源が問題なのは、すべての音が大きくて、微細な音との差がなくなり、極端な場合は全体がのっぺりとした印象になってしまうこと。結果的にどの曲も似たような印象になり、時にはうるさいと感じてしまうというデメリットです。

「最近の曲はどうも聴く気になれない」とか「なんか聴き疲れする」といった印象を与える一因にもなっていて、特にオーディオファンにとっては顕著なようで「ミュージシャンも曲も好きなのに、聴く気になれない」という弊害?も生まれているようです。

このデメリットを独自の技術(製品のリンク先で説明)で補正しようというのが上記の信号補正フィルターだそうで、「海苔波形」の音源がメリハリのある、もともとの音がはっきりとわかるようになるとのこと。実際に聴いてみないとわからないですが。

で、僕自身は「海苔波形」の音源を聴かないわけではなく、「そういうもんだ」と思って聴いています。左右のスピーカーの前に座ってじっくり聴くのではなく、体を揺らして、場合によっては立ち上がって、ギターなんか持っちゃったらもうおかまいなしです。きっと娘にこの手の話をしたら「それが何か?」と一蹴されてしまいそうです。

ところで2025年にはTOP WING社の製品をいくつか導入しました。サブスク配信の音を良くしようとネットワーク関連に絞って買っています。2026年も基本的なものはいくつか導入するかな。おかげでYouTubeを見たら同社の菅沼社長が出てくる動画ばかりになりました。30代前半なんて年齢は関係なく、ITもビジネスも経験値多く、すべてを音楽とオーディオに注ぎ込んでいる彼の姿勢は頼もしくさえあります。買う買わないはともかく新製品は毎回楽しみにしています。