2023-07-31

【実例】B社会見〜人の振り見て

 

ビッグモーター社の不正問題に関する創業社長の記者会見がありました。当事者ではない私が部分的な事象を知って不正を批判することはできません。不正は不正としてすべてを明らかにし、創業社長および経営陣はその責任を全うすべきと考えます。辞任だけでは済まされないでしょう。

こうしたブログを書いているので「社長」の事例として会見の印象を書きます。問題が明るみに出てから記者会見まで時間があったので、不正を起こした経緯を詳細に説明するのかと思っていましたが、内容はあまりに粗末に感じました。知らなかった、勝手にやっていた、ゴルフへの冒涜、新社長にまかせる、など本当に経営してきた人の言葉なのかと耳を疑う内容でした。会見質疑応答の最後にやっと自らの責任であると気づいたと発言。

中古車販売という既存の競合ひしめく業界を代表する業績をとるまでになり、オーナー社長は金持ちになり、それを社員は必死で守り、社長は不正を身から出た錆と思えず、あの会見に至る。この社長は一体何をしたくて会社経営らしきものをしてきたのでしょう。もしかして、わからないのかもしれません。欲しかったのは、ただ売上と利益という結果、なんてことかもしれません。その結果をもたらす内部ビジネスプロセス(バランス・スコアカード参照)での不正は聞こえないふりして。

人の振り見てと言いますが、社長というものは上意下達を免れぬ存在です。そして法人という社会的人格を存続するには「原則」があります。社長自らどこかでこの原則を外れてしまった場合に今回のようなことは起きます。これまでのブログでは私自身を律する意味でも原則の大切さを語ってきたつもりですし、娘にもそれを伝えておきたいと思います。

2023-07-28

Mezzanine / Massive Attack

 

Massive Attack(マッシヴ・アタック)といえば1998年の3作目本作という人は多いです。あまりに重厚でメタリックなサウンドで覆われていて、意識の奥底まで潜伏していくような、恐ろしささえ感じてしまうアルバムでした。だからこそ最もよく聴いた作品だったと思います。そしてマッシヴらしい1枚をどれかと尋ねられたらこのアルバムを推薦します。

今回の個性的女性ヴォーカルは3.Teardrop でのコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーで天使のような歌声を聴かせてくれています。サウンドを特徴づけているのはハードエッヂなギターです。サウンドメイキングや演奏が曲にマッチしていてすごく上手い。暴力的ともいえるベースサウンドと相まってとてつもない音世界を作り上げていました。ライヴを観に行くとそれが顕著で、会場全体が異様な高揚感に包まれていました。

不穏なベース音で始まる1.Angel からいきなり暗闇に引き込まれ、スネア1発で轟音ギターでおおおーっとなります。3.Teardrop では心臓を打つ低いベース音に天使の歌声が響きます。4.Inertia Creeps は夢の中からどこかアラブのような遠い世界に連れて行かれ、5.Exchange でやっと心地よい安堵感に包まれます。このアルバム集大成的な10.Group Four はそれこそライヴの演奏が圧巻でどこかに行ってしまいそうになります。ジャンルを超えた大傑作をぜひ通して聴いていただきたいと思います。※2018年リマスターではマッド・プロフェッサーのダブミックスが追加されていてそれも最高!


2023-07-27

5.1サラウンドもあります

 

音楽ライヴのDVDやBlu-rayも観ます。薄型テレビの音はHDMI端子のARC(Audio Return Channel)接続で5.1chサラウンドシステムにつなげています。20年前に買ったソニーのシステムですがAVアンプが壊れてしまったので、スピーカーとサブウーファーを流用しています。フロントLRとセンター、サラウンドLRの5本は同じもの。サブウーファーも小型スリムです。

流用しているスピーカー

買い替えたAVアンプもテレビの下に収まる薄型なもの。Blu-rayレコーダーと重ねて使っています。廉価なシステムですが、テレビ内蔵のスピーカーよりもやっぱり迫力があって、音楽も映画も没入感あります。リビングオーディオとしてHDMI&ARC接続は必要不可欠であると。

AVアンプとBlu-rayレコーダー

さらに我が家SACDプレイヤーにはHDMI出力端子がついていて、SACDサラウンド(マルチch)をDSDデジタル信号のままAVアンプで受け取って鳴らしてくれるのがポイントでして。サラウンド音源のあるSACD自体が少ないのですが、聴いたことのないジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアのギター音が聴けたりして楽しんでいます。おそらく昔の4チャンネルステレオ時代に録音してあった音源なのだと思います。だから何?ですが、ファンとしてはせっかく残されている音源だもの聴いてみたいわけです。

SACDプレイヤー ソニーSCD-XA5400ES

というわけで音楽ソフトを楽しむ環境はひととおり揃っています。ん?レコードプレーヤーがない?そうなんですよ〜〜。

2023-07-26

Mischief / Mark Guiliana

 

Mark Guiliana(マーク・ジュリアナ)はアメリカのドラマー。ブラッド・メルドーとの2014年のアルバム「Mehliana: Taming the Dragon」はメルドーの新境地を感じてよく聴いたのでそのドラムの印象が強く残っています。パートナーであるシンガー、グレッチェン・パーラトNYライヴにも参加していてこれもよく聴きました。

前作「the sound of listening」と同時期に録音されたもので、彼の得意とするエレクトリック(ダニー・マッキャスリンのアルバムでも発揮)を収録した前作に対し、今作は全編アコースティックです。ジャズが持っている「実験的」な面を体現していて、枠に収まらない彼の音楽性が感じられる作品になっています。

全体的にエコーの少ないデッドな音色でそこに生々しさを感じます。たとえば1.Mischief のベース音は目の前で弾いているかのよう。ドラムスのシンバルも近い近い。リハでのリラックスしたセッションを思わせる2.Confession #1 もジャズなんだけれど不思議なコード進行でカッコいい。6.Radio Carbon Dating App や7.Audience Américain はまさにマーク・ジュリアナ節ともいえる曲調でニンマリしてしまいます。


2023-07-25

Baduizm / Erykah Badu

 

エリカ・バドゥ(Erykah Badu)はアメリカのシンガー。ネオ・ソウルと呼ばれるヒップホップ、R&Bとジャズを組み合わせたミュージシャンの筆頭です。1997年の本作はデビュー・アルバムですがすでに貫禄があります。本作と同年に発表になった「ライヴ」も最高にクールで彼女の世界観を圧倒的な臨場感で表現しています。

サウンドは見事に僕のツボで、まず太いベース音、ジャズそのものの佇まい、ビリー・ホリデイ・リスペクトなヴォーカルなど今でもたまにかけては「やっぱりいい」と浸っています。このあとの4枚のスタジオアルバムももちろんよく聴きましたが、ブレない音楽性とチャレンジングな音作りに毎度感動させられています。

1.Rim Shot (Intro) からこのクールさ!冒頭のベース音をしっかり表現できる再生装置で聴きたいです。受け継ぐ2.On & On は彼女のテーマ曲と思えるヒット曲。7.Afro (Freestyle Skit) が彼女のシンガーとしての凄さを際立たせてくれます。そして8.Certainly のジャズのカッコよさったらこの上ない。ん〜でも全曲「やっぱりいい!」。


2023-07-24

新規事業をはじめるには

 

新規事業はちょっと思いつきで出来るものではありません。構想◯◯年とか言いますが、発起人がずっと長い間あたためてきたアイデアをやっと具現化するときが来たと始めることが多いと思います。その言い出しっぺたった一人の行動力にかかっています。実現するために人に会って話を聞いたり、その場所を何回も訪れてみたりしてずっとシミュレーションしてきているのです。

既存事業がうまくいかなくなったので新規事業の検討を始めるでは遅いということです。やるとすれば、新規事業をやってくれるパートナーを探すしかありません。そのパートナーはずっとアイデアをあたため行動してきた人なので実現可能性が高いでしょう。スタッフ、場所、資金はあとづけで考えます。

既存事業が盛り上がり収益に貢献しはじめたときこそが、新規事業の検討開始時期となります。スタッフや労働時間といった人的リソースの割合を、既存事業8割、新規事業2割だったものを新規事業8割〜7割に急転回します。既存事業は自動化と省力化、アウトソース化を徹底して推し進める必要があります。

現場からはきっとブーイングでしょう。いままでのやり方を変えたくない慣性の法則がはたらいていますから。既存事業が稼いでいるのだからと頭ごなしに否定してくるはずです。でも既存事業はやがて寿命を迎えます。競合は参入してくるし、ユーザーも飽きてくるし。ここは社長が宣言して方向を示すべきところなのです。

2023-07-21

Supa Dupa Fly / Missy Elliott

 

Missy Elliott(ミッシー・エリオット)はアメリカのラッパーでありミュージシャン。それまでのどのヒップホップやR&Bとも質感の違う新しい音楽を、盟友ティンバランドとともに発表し後続に大きな影響を与えたその最初のアルバムが1997年の本作です。CDショップのレコメンドで買ってきて「なんだこれ?変わってる」というのが第一印象でした。

この作品をきっかけにミッシーのアルバムはもちろん、ティンバランドの名前があったらそのCDを買っていました。シンコペーション多様のブツ切れリズムに、細かくハイハット的な高音がチキチキ入るのが特徴。様々な音楽の特徴を取り入れながらも独自のビートを生み出しました。そしてミッシーは女性のR&Bにあった歌姫的なイメージを覆し、さまざまなスタイルを生み出す先導者として多大なるリスペクトを受けています。

典型的なリズムは4.The Rain (Supa Dupa Fly) で、ミッシーのラップが他にはないもの。続く5.Beep Me 911 もティンバランド節全開です。バラードの10.Best Friends だって一筋縄ではいきません。ちょっと引っかかるリズムが印象的。戻って2.Hit Em Wit Da Hee や3.Sock It 2 Me を聴くと今現在の曲なんじゃないかと思ってしまうほどです。


2023-07-20

森の散歩道

 

家族で那須のホテルに滞在。
鳥の鳴き声で目が覚めて、朝から森の中の温泉でゆっくりしました。
朝食後、近くの「森の散歩道」に出かけました。

録音機材レコーダーはKORG MR-2 内蔵マイクにて収録
セッティングはMic Sens HIGH それ以外は全部Off
ファイル形式はWAV 24bit 192kHz ※SoundCloudにてダウンロード可


2023-07-19

Be Still / Jalen Baker

 

Jalen Baker(ジェイレン・ベイカー)はアメリカのヴィブラフォン奏者。コロンビア大学でジャズを学び、数々のジャズフェスティバルで受賞するなどの実力で、リーダー作2作目の本作でも作曲家としても才能を発揮しています。

ヴィブラフォンは共鳴管についているハネがくるくる回転するようになっていて独特のヴィブラート効果をもつ鉄琴の一種です。実際に小さなハコで聴いたことがありますが、音が店内を充満してなんともいえない異空間を作り上げます。ジャズには欠かせない楽器で、ミルト・ジャクソン、ボビー・ハッチャーソン、ゲイリー・バートンといった名手たちの名演は数多いです。

ジェイレンの演奏はそうした名演とはまたひと味違った「いま」の音がします。1.Twas から新鮮でノリの良いサウンドが聴けます。5.There's Beauty In Fear での流れるようなリズムと途中に入るフレーズがこのカルテットの実力を示しています。ジョー・ヘンダーソンの6.Jinrikisha はこのカルテットにぴったりの選曲。7.The Light の5分くらいからはじまる短いドラムソロ(Gavin Moolchan)は凄まじいです。このドラマーの音、僕の好みです。


2023-07-18

Levert.Sweat.Gill / LSG

 

LSGとはGerald Levert(ジェラルド・レヴァート)、Keith Sweat(キース・スウェット)、Johnny Gill(ジョニー・ギル)のR&Bソウル界のスーパースター・シンガー3人のユニット。80年代後半からそれぞれのアルバムを聴いていたので、1997年の本作はまさにドリームチームとしてさすがの曲とヴォーカルを堪能させてくれました。

ジェラルドは父親がオージェイズのメンバー。レヴァートというグループでヒットしていました。キースはニュージャックスウィング時代にプロデューサーとしても活躍。ジョニーはニュー・エディションのメンバーでもあり彼のバラードは格別。それぞれ濃いめのヴォーカルながらもコーラスはシルキーで気持ち良いハーモニー。よくぞ組んでくれましたというアルバムでした。

もっとも好きな曲は3.You Got Me 。重くてクールなリズムから始まりピアノが入ってくるのはさすがショーン・コムズ(パフ・ダディ)のプロデュース曲。R&Bでなにか曲をと聞かれたらこれをかけます。5.My Body はこの3人にバラードを歌わせたら無敵という曲。6.All the Times (feat. Faith Evans, Coko & Missy Elliott) は太く絡むベースに乗せたこれもバラード。フィーチャリングも豪華。


2023-07-14

Share My World / Mary J. Blige

 

Mary J. Blige(メアリー・J. ブライジ)はアメリカのソウル&ヒップホップシンガー。デビューからのパフ・ダディのプロデュースを離れ、自身と錚々たるプロデューサー陣ですこぶるカッコいいサウンドで大ヒットした1997年の3作目です。翌年のライヴアルバム「The Tour」の音も凄くてR&Bソウルの大型ライヴの熱狂ぶりをダイレクトに伝えてくれます。

90年代のR&Bに欠かせないプロデューサー、ジャム&ルイスの3.Love Is All We Need はイントロから彼ららしいキラキラで始まってスネア1発のカッコよさ。その後のベース音が生エレキベースっぽくて痺れます。同じくジャム&ルイスの11.Everything はスタイリスティックスの名曲で、歌い出しはなんと坂本九の「上を向いて歩こう」です。さすがだなーと。

よく聴いたのは当時19歳!のロドニー・ジャーキンスのプロデュース曲である2.I Can Love You や6.Share My World 。耳に残るメロディーとリズムは堂々たるもの。そしてベイビーフェイスによるプロデュースの10.Missing You を聴くとなぜか安心する。アレサ・フランクリンから受け継いだ良きR&Bソウルを感じます。


2023-07-13

AirPodsも使っています

 

妻も娘も音楽を聴くときはもっぱらAirPods Proです。iPhone使いですから接続性の良いものとなるとやっぱりAirPodsになります。品質や音質も信頼されていて迷いはない。購入のきっかけはノイズキャンセリング機能です。これを試すと「驚き」があって、次に騒音(特に電車)対策に効果大だねとなります。けして安くないのですが、まあコスパです。僕自身もそう思って使っています。

アップルというマーケティングに長けた企業の言うがまま。僕のようにオーディオがどうの音質がどうのなんていう、人それぞれで曖昧なパフォーマンスよりも、万人にわかりやすいパフォーマンスです。空間オーディオも僕が聴くと「自然でない」となりますが、聴きようによっては「おーっ、いい音」って感じるようにできています。音があちこちで鳴っていたり、移動したり、ヴォーカルが前面ではっきり聞こえたり、リズムがノリノリだったり。むしろ最近の曲は空間オーディオを意識して制作しているのでそれが「自然」なのかもしれません。

そもそもいつの間にか空間オーディオになっているので、この曲はそういう音なんだと思ってしまう。むしろわざわざ空間オーディオをオフにすると「迫力がない」と言われるはずです。つまりオフにする必要がない。彼女たちにとって普段聴いている音楽は「ステレオを空間化」や「空間オーディオDolby Atmos」が当たり前なのです。

でもしかし、娘にSTAXを聴かせてみたら「最強!」って言うんです。すごくいい音だと。父への忖度かもしれませんが、本人は「わかる」というのです。スピーカーだって「おー、いい感じ」ってわかるのです。ということはつまりAirPods最強と思っているわけではなく、自分専用で便利でいい音だから不満はない、という意味なんだと思います。

2023-07-12

The Red Door / Orrin Evans

 

高音質で今のジャズが聴けるSMOKE Sessions Recordsから今回もまた。Orrin Evans(オリン・エヴァンス)はアメリカのジャズピアニスト。大学ではあのケニー・バロンに師事し、セロニアス・モンク・コンペティションで2位入賞の経歴。今回もたまにモンクらしさが顔を見せます。2023年スタジオ録音の新作です。

アルバム全体では曲がバラエティ豊かで飽きさせることなく聴けます。ゲスト陣も豪華でトランペットにニコラス・ペイトン、ベースにロバート・ハーストバスター・ウイリアムス、ヴォーカルにジャズメイア・ホーンといった布陣。確かなテクニックどころか、ジャズミュージシャンにしかできない驚きの演奏と落ち着いた余裕のプレイのどちらも楽しめます。

たとえば4.The Good Life のバスターのベースの気持ち良さは高音質ならでは。5.Big Small ではハーストのバチバチいうベースで始まるジャズにしかできないブルース。フリーのようでバンド全体がうねるようなこういう演奏ってどうやってできるのでしょう。11.They Won't Go When I Go はスティーヴィー・ワンダーのしみじみと浸る曲をヴォーカルとピアノだけで。


2023-07-11

No Way Out / Puff Daddy & The Family

 

Puff Daddy(パフ・ダディ、ショーン・コムズ)はアメリカ、ニューヨークのヒップホップミュージシャン&プロデューサー。本作が発表された1997年あたりはヒットチャートの多くの曲が彼関連の曲で占められていました。盟友ノトーリアス・B.I.G.の暗殺死を悼んで製作された本作はヒット曲と話題に事欠かないアルバムですが、曲調はシリアスなものが多い印象です。

ヒットしたのは、ミーハーとも言われるサンプリングの大ネタ使いです。3.Been Around the World はデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」。12.I'll Be Missing You はポリスの「見つめていたい」です。ラジオでかかれば耳が持っていかれるわけで、ヒットして然るべきなのかもしれません。今ではさすがに難しいと思いますが。そういえば他作でレッド・ツェッペリンの「カシミール」をサンプリングして映画「ゴジラ」のサントラに入れたりしています。

よく聴いたのはヒット曲ではなく、ドラマチックで映画のような展開の2.Victory や、生ピアノとリズムのコンビネーションがかっこいい6.Do You Know? 、得意の「アハ、イェ」とクールなリズムが繰り返す8.It's All About the Benjamins 、9.Pain もピアノのサンプリングとのかっこいいパターンです。サウンドメイキングはさすがと言えるものでした。


2023-07-10

苦しいときは原則に立ち返る

 

人の悩みの多くが生老病死と対人関係だそうです。ビジネスは対人関係そのものですし収入に直結しますから日々悩まされます。私も奥歯を噛みしめるシーンが多かったので左右ともかなり傷んでしまいました。心配や心労が重なって睡眠不足になったり消化が悪かったりで健康にも影響大です。

悩んだとき、苦しいときは基本つまり原則に立ち返ることにしています。さまざまな事象に直面して混乱しているので、モグラ叩きに疲れてしまうからです。「7つの習慣」はそうしたときのツールです。第一の主体性がなければ第二の目的意識を持てないし、第三の優先事項も決められない。第一から第三ができていなければ、対人関係の第四から第六も成り立たない。多くの場合、原因は自分にあることに気づかされます。

7つの習慣を知っている人と話すとその専門用語だけで知識を共有できます。「信頼残高」「影響の輪」「刺激(スペース)反応」「第二領域」「農場の法則」「相互依存」「理解してから理解される」「No Deal」「三人による学習」「第三案」などなど。大きな石と小さな石の動画や子供の庭そうじ(デレゲーション)のエピソードも印象的です。ひとことで伝わるので、1on1ミーティングでも時短になります。

7つの習慣でなくても何でもいいんです。その人やそのチームなりの立ち返りツールがあれば。起きた事象ひとつひとつを批判したり落ち込んだりしていては疲弊するばかりです。原則に立ち返る方法を知っていれば「No Deal」という選択もすぐに決断できます。ちなみにビジネスだけでなく家庭でも使えるツールだと私は思っています。

2023-07-07

Travelling Without Moving / Jamiroquai

 

Jamiroquai(ジャミロクワイ)の1996年本作(3作目)は「世界一売れたファンクアルバムとしてギネス登録」だそうです。同じイギリス・ロンドン発のブラン・ニュー・ヘヴィーズインコグニートと並びよく聴きました。CDショップでもかなり推していた記憶です。MTV世代としても1.Virtual Insanity のビデオは何回観たことか。

1作目の「Emergency On Planet Earth」を輸入盤で購入したときは変わった風貌のミュージシャンが出てきたなと思っていたのですが、とにかくサウンドがカッコいい。特にベースライン強調のリズムは昨今のヒット曲に影響を与えているのではと思います。元はジェイムス・ブラウンなんですけど。

あまりに有名なアルバムなので勢いで全曲聴いてしまうと思いますが、彼らしいのはやはり1.Virtual Insanity でしょう。2.Cosmic Girl も大ヒット曲で最近の曲だと言ってもわからないくらい。スローナンバーの4.Everyday やディスコナンバーの5.Alright もベース曲の真骨頂。7.Drifting Along ではレゲエだってできちゃうんだぞとばかり。フェラーリで始まる10.Travelling Without Moving の高速ファンクもオススメ。


2023-07-06

唯一無二の密閉型ヘッドフォン

 

家の事情を考えるとヘッドフォンやイヤフォンにならざるを得ないわけですが、メリットもあります。それは複数機種で聴けること。設置場所の影響を受けず音楽に没頭できて、気分や好みに応じて聴く環境を変えられるのはうれしい。

僕はSTAXイヤースピーカーを空間表現の優れたまるで高級オーディオのような音として愛用していますが、たまには大音量でもっとガツンとくる音を聴きたいときがあります。元々メタラーですし、ダンスミュージックだって好きですから。そういうときはULTRASONE edition9 というドイツの密閉型ヘッドフォンを使用します。

ULTRASONE edition9

たとえばメタルのツーバス連打。普通のヘッドフォンなら低域が膨らんでちょっとボワボワっしてしまうところをedition9は膨らむことなくグリップの効いた低音でドカドカ迫ってきます。高域はクッキリと伝えてきて細かな音もしっかり聴き取れるのでスタジオ仕様のモニター的無味な音かというとそんなことはなく、音作りは積極的なノリを強調してくるのでリスニング的。長時間聴きには不向きですけど。

ほかにもいろいろなヘッドフォンを試しましたが、メタル最適&エレクトリックもグイグイの音は唯一無二。15年以上前に購入した限定生産モデルで、残念ながら新品はもう売っていません。大切に使っていきます。こうしてまったくキャラの違うオープン型のSTAXと密閉型のULTRASONE edition9を使い分けして楽しんでいます。

2023-07-05

I Want More / Donny McCaslin

 

Donny McCaslin(ダニー・マッキャスリン)はアメリカのジャズサックス奏者。マイケル・ブレッカーの後任としてステップス・アヘッドに加入したり、デヴィッド・ボウイの最後のアルバムでリーダーを努めたりしました。2023年本作の音からもわかるように実力派なだけでなくジャズ以外のファンの支持も得ているようです。

メンバーにマーク・ジュリアナ(ドラムス)がいるあたりがこのワンホーン・カルテットの傾向に影響を与えていると思われます。僕好みのエレクトロニカやロックっぽさを全面的に展開して、Apple MusicのDolby Atmos(空間オーディオ)で聴くと音が八方から降り注いだり移動したり。おっさんだから落ち着いたジャズがいいなんて決めつけずに、体を揺らすのもいいかと思います。そして普段ジャズを聴かない音楽ファンにも聴いてほしい。

1.Stria を聴けば「おっこれは今までにない感じだな」とすぐ気づくはずです。シンセ音だけでなくリズムも曲展開も新しさを感じます。今回は刺激の強いところを紹介しますと、4.Body Blow もバスバスきます。ドラムンベース的な。6.Turbo はダブステップ的な。サックスのインプロがとてもマッチしていて盛り上がります。マイルス先生、エレクトリックジャズはここまで来ましたよ。


2023-07-04

WATASHI / Sandii

 

Sandii(サンディー)は日本の女性シンガーで、80年代に久保田麻琴とのサンディー&ザ・サンセッツとしてYMOと同時に知りました。ソロになった1990年の「マーシー」からリズムもメロディーも新鮮でこれぞアジア音楽だと思って発表される作品をずっと追いかけていました。

1996年の本作ではソロの集大成としてよりパーソナルでアコースティックな曲になり、あたたかい気持ちでよく聴きました。古き良き日本のメロディやアジアンテイスト、ボサノヴァ&サンバが優しい音でほどよくブレンドされていて、ほかにはないサンディーさんのサウンドが繰り広げられています。

1.雪 / わたし は彼女の作品の中でも大好きな1曲で、かかっていなくてもたまに口ずさんでいます。9.サンビイニャ はサンバらしい曲かと思いきや途中にサンディーらしい哀愁のメロディを挟むあたりがニヤリと。作曲とベースに細野晴臣参加の11.ライフ ~THERE IS NOTHING HIGHER THAN YOUR LIFE~ はポジティブなメロディーのバックで鳴っている個性的な楽器たちに耳を傾けると面白い曲です。


2023-07-03

ビジネスするなら基礎から

 

新卒で電機メーカーに就職したメリットのひとつが新入社員研修です。にもかかわらず私は学生気分が抜けず、特に座学は真面目に受けていなかったことを今は反省しています。きっと大事なことを教えてくれていたと思います。給料をもらってかつノウハウも教えてもらうなんてテイク&テイクです。

挨拶や相手を尊重する行動、ルールや不正を防ぐことなどビジネスマナーはどの会社でも必須で、中途採用でも念を押しておく必要があります。言われなくても知っているでしょという過信はできない世の中です。教えてくれなくても自分で学習しておく態度も大事です。

さらに必須としたいのはビジネススキルです。ロジカルシンキング、マーケティング、アカウンティング(会計)の3つは基礎です。これに「7つの習慣」を加えておきたい。お客様と商談するにしても社内でミーティングするにしてもこれらの基礎を知らなければビジネスはできません。これらの基礎をやらずに精神論でミーティングしている会社のなんと多いことか。

前回のBSCで述べたように、社長が欲しがっている“利益”の源泉に「学習と成長の視点」があり、上記ビジネス基礎はそのひとつです。本来は社会人1年目で修得すべき知識です。基礎力は個人で1回本を読んだだけでは身につきません。ビジネスの現場で繰り返し実践することで腑に落ちていきます。ミーティングの会話が1年前と比べてずいぶん変わったなとなりたいものです。