2023-06-30

Protection / Massive Attack

 

Massive Attack(マッシヴ・アタック)の1995年2ndアルバム。本作も一音一音へのこだわりが感じられる作品であり、彼らのアルバムの中ではどこか暖かみのある曲調でやはりよく聴きました。アナログシンセな音とぶっといベースがマッチしているのも好みの理由。

これらの曲をマッド・プロフェッサーというエンジニアが徹底的に破壊し、全く違う質感で再構築した「No Protection」(アルバムアート最高!)という作品がまた大好きで、もともとダブな作品をダブ漬けにする過激な作品に仕上げています。マッシヴの曲はこうしたリミックスが多数出ているのも楽しみのひとつでした。

いつも魅力的なヴォーカルを参加させる彼らですが、1.Protection のトレイシー・ソーン(エヴリシング・バット・ザ・ガールのVo.)も曲に合った雰囲気のある彼女の歌で、ダブなイントロから世界に引き込まれます。インストの4.Weather Storm の叙情的なピアノとメロディが彼ららしい。5.Spying Glass のダブ曲ではレゲエ・シンガーのホレス・アンディの癖のある歌が病みつきになります。10.Light My Fire (Live) はドアーズの名曲をどっぷりレゲエ・ライヴにして聴かせてくれます。


2023-06-29

人はそれをイヤースピーカーと呼ぶ

 

スピーカーで音楽を聴くのは楽しいし気持ちいい。でも家族がいるリビングでかつ集合住宅の我が家ではヘッドフォンが必要です。夜でも大きめの音量で聴きたい。設置場所も部屋の影響も関係ないヘッドフォンですから、ここはひとつ良いものをと思い、STAX SR-L700 MK2を愛用しています。

STAX SR-L700 MK2と専用アンプSRM-353X

四角いヘッドフォン。実は中学生の頃からの憧れだったのです。秋葉原でSTAXを聴いたとき、まるで装着していないかのような自然な音が耳や頭の周囲で鳴っていました。あれから40年。その道のプロが試聴機を用意してくれていました。ここで会ったのは運命とばかり数機種をじっくり聴いてこのL700 MK2を選びました。40年前の感動はいまや自宅で続いています。

ほかのヘッドフォンと鳴らす方法が違います。接続する端子もケーブルの形状も違いますし何より専用のアンプ(ドライバー)が必要です。音質は音楽の細部に至るまでしっかりと無理なく表現しきります。低域もしっかり出ています。生楽器を多用するクラシックやジャズを聴くときの生々しさ、オーケストラやビッグバンドの空間の拡がりは得意分野。あの空間オーディオよりもずっと自然な拡がりです。

で、これヘッドフォンではないです。STAX社は胸を張って「イヤースピーカー」と呼んでいます。けっこう音漏れするので家族にも聞こえています。一見大きくて重そうですが、そんなことはなく3時間も4時間も装着し続けられる。ああもうこれで高級オーディオは要らないなと思ってしまったくらいです。ちなみに僕のシステムでは、音源を集めたアンプ(UD-505)からXLRケーブル(BJエレクトリック製)でSTAXアンプSRM-353Xとバランス接続しています。音量は0dB位置で出してSRM-353Xでボリューム調整しています。
※STAX製品もBEAT&VOICEさんにて購入できます。SRM-353Xは後継SRM-400Sになっています。

おまけYouTube動画
STAXを徹底試聴 SR-X9000、SR-007A、SR-L300とSRM-D10



2023-06-28

Dream Box / Pat Metheny

 

出ましたPat Metheny(パット・メセニー)の2023年新作。今回はギターのみのソロ作品。パットの作品のなかでも最も好きな曲のひとつである「Solo from "More Travels"」(The Road to Youに収録)を思わせるようなギターバラードをずっと聴いていられる、幸せ。

今までにも2003年「One Quiet Night」や2011年「What's It All About」といった沁み入るソロ作品がありまして、それこそ夜に灯りを落として静か〜に楽しんでおりました。パットの昔の動画を観たりすると、メロディーラインとベースラインを同時に弾いていて、ちょっと思いつかないような弦の押さえ方だったりするので、ジャズギタリストってスゴイなと思います。

プライヴェートな時間を1.The Waves Are Not The Ocean から満たしていただきたい。名曲6.I Fall In Love Too Easily でチェット・ベイカーのVo.を思い出したり、スタンダードナンバー8.Morning Of The Carnival ではおなじみのメロディーを口ずさんだりしながら。ちょっとウトウトするのも、まぁしかたありません、気持ちよい音ですから。


2023-06-27

Bass Is Maternal / Smith & Mighty

 

Smith & Mighty(スミス&マイティ)はイギリス・ブリストルのグループ。1995年の本作はファーストアルバム。レゲエから派生した“ダブ(Dub)”という演奏スタイルで、あのマッシブ・アタックとも同郷。CDショップで買ったCarltonの「The Call Is Strong」という作品が好きで辿ったら音を作っているのはスミス&マイティだったのがきっかけでした。

ダブは、リズムにディレイやエコーをかけたり、突然低域や高域をカットしたり強調したりすることで、元々あった曲の破壊と構築を楽しむ音楽スタイル。音を響かせる現代アートのようにも感じていました。スミス&マイティのダブは“ひんやり”とした触感に特徴があって、彼らのオリジナリティになっていたと思います。

いきなりテープ逆回転と歪んだギターが繰り返す1.Hold On にその破壊ぶりが出ています。3.Closer はそのひんやり感がよく出た典型的な曲。これぞダブです。7.Accept All Contrasts はU2のドラムサウンドをそのまま持ってきて質感そのままに、全く違う曲に仕上げています。8.Bass Is Maternal は彼ららしいベースの強調とジャングルというリズムスタイルを取り入れたカッコいい曲。どっぷりとダブの世界に浸っていただきたい。


2023-06-26

目標設定で気をつけること

 

組織や個人の目標設定には、バランス・スコアカード(BSC、Balanced Scorecard)を参考に組み立てていました。「財務の視点」「顧客の視点」「社内ビジネスプロセスの視点」「学習と成長の視点」の4つの視点で、数値や期限を具体的に設定して、全社的に見える化し行動アクションに落とし込んでいくというものです。

「売上○億円」とか「利益率○%」とか“結果”だけを宣言して目標設定したつもりになっている社長がいましたが、まあ達成できたことはないですね。結果にはかならずそれをもたらす“原因”があるわけで、学習する組織があってこそ、プロセスが改善改革されて、そこに顧客の人気が集まって、やっと利益という結果が出るということです。

目標は因果関係つまり“原因”と“結果”が結びついている必要がある。その先に戦略の実現があって、ビジョンにつながっているというわけです。スタッフが個人目標を提示してきたらマネジャーはどこにつながっているかを確認共有して、つながっていなければ修正するようサポートします。1on1ミーティングでの大切なポイントです。

手間暇かけてきちんとやれば、組織はかなり筋肉質になります。少しずつ結果が出始めるだけでなく、その結果を継続できてさらに成長させることができるようになるでしょう。気をつけたいのはこうした管理を徹底しすぎて“会社ごっこ”になってしまわないことです。経営者としては考え方を知っておいて、随所でチームにフィードバックしていくことでもいいかもしれません。


2023-06-23

Future Listening! / Towa Tei

 

TOWA TEI(テイ・トウワ)はディー・ライトのデビュー作からずっと聴いていてEPやリミックス、別名義のアルバムも集めるほどお気に入りのミュージシャンです。彼の軽井沢スタジオの写真が雑誌に載っていたりすると羨望の眼差しで見入ってしまいます。かつては自分の部屋にも機材をいくつか置いていましたが、忙しくていじることもなく友人にほとんど譲ってしまいました。

故坂本龍一氏も図抜けた才能を認めていたように、天才が時間をかけて作った音が踊っているさまは圧巻です。ディー・ライトでも活躍していたので、この1994年ソロデビュー作にしてすでに完成度が高い。1音1音こだわって選んでクリエイティブしている姿が目に浮かびます。

ATCQのQティップとも仲がいいことで知られていますが、名曲2.Technova のヒップホップ感はさすがです。歪んだ音で始まる3.Batucada でブラジルから持ってくるセンス、テーマ曲のような4.Luv Connection のポップなダンスミュージック感など、彼の才能を感じる作品ばかりです。ラスト10.Dubnova, Pt. 1 & 2 を部屋で流せばクラブに早変わり。


2023-06-22

アンプの音を決める

 

スピーカーを鳴らすためのアンプも「その道のプロ」に紹介いただいたBJエレクトリック製の小型アンプを使っています。入力は1系統で無駄な機能は一切なし。JBLスピーカーとの相性もよく、小音量から中音量まで気持ちよく鳴らしてくれます。

キレイな音とか繊細な音というよりも、音楽そのものの芯を伝えてくれるような音。僕はギターアンプの出音とか生楽器の音を数多く聴いてきたこともあり、まずは個別の音がちゃんと鳴ってくれることを求めています。リビングに置いたスピーカーでの再生ですから生音そのものではないのですが、感じることができる音です。

そしてスピーカーから出る音を体で聴くことで、音楽全体を感じ没頭できるかどうか。このアンプはシンプルにそれを実現してくれています。ちなみにスピーカーケーブルもBJ社のもので揃えました。ツイーター(高域)ウーファー(低域)それぞれにケーブルを接続してバイワイヤリングしています。
※ BJエレクトリック社のアンプやケーブルはBEAT&VOICEさんから購入できます。

CDプレーヤーとPCの音源を切り替えるために、TEAC UD-505ヘッドフォンアンプ兼DACをプリアンプとして使用(ボリュームコントロール)し、上記小型アンプをパワーアンプとしてスピーカー駆動しています。CDプレーヤーからの同軸デジタルケーブル&RCAケーブルとPCからのUSBケーブルもBJエレクトリック製にしています。こうしてスピーカーから出る音はなるべく統一感を持たせています。これも音楽そのものに没頭するためです。

TEAC UD-505

2023-06-21

The Trio, Vol. 3 / Dave Bass

 

Dave Bass(デイヴ・ベース)はアメリカのジャズピアニスト。サブスクのニューリリースで知ったミュージシャンです。検索して経歴を読むと、手首を骨折してピアノを断念し、カリフォルニア州の副司法長官になったという弁護士時代があるとのことで、カムバックして70歳を超えた今はジャズピアニストに専念しているそうです。人生いろいろです。

この作品はいわゆる「ピアノトリオ」というスタイルで、あのビル・エヴァンスやキース・ジャレットをはじめ数多のジャズピアニストが名作を生み出しています。イメージとしては透き通るようなピアノサウンドにちょっと饒舌なベース、それらを静かに支えるドラムスでしょうか。最近はこうしたアルバムを聴いていなかったので久しぶりに良い音のピアノトリオを耳にして繰り返しています。

これぞセロニアス・モンクな2.Criss Cross のウォーキングベースと不協和音が楽しいです。スタンダード7.Israel ではビル・エヴァンスを思い出しつつ、これが2023年のピアノトリオの空気であると感じます。デイヴ・ベースはラテンが得意とのことで大御所アストル・ピアソラの11.Libertango をギターの入った彼のアレンジで。


2023-06-20

For Pleasure / OMAR

 

OMAR(オマー)の1994年作。1stの“There's Nothing Like This”や2nd“Music”も好きでよく聴いていました。歌い方、そしてピアノやパーカッションをこなすマルチ奏者であるところ、ソングライターであるところがスティーヴィー・ワンダーを思わせます。

なによりオリジナリティ溢れる楽曲が天才的で、スティーヴィーやプリンスに匹敵するアーティストが出てきたなと思いました。アナログシンセの音、ちょっとマシナリーなリズム感、独特のハーモニー、一筋縄ではいかない曲展開。このあとも作品を出すごとに洗練されていってOMARワールドは深まっていきます。

2.I'm Still Standing のリズム感を聴くと彼が英国出身なのも頷ける気がします。3.Saturday や7.Little Boy のウッドベース音は彼の得意とするところで、テクノ的なのにアコースティックな雰囲気を出す曲になっています。テクノ的といえば12.Making Sense of It は銘機ローランドTB-303(僕も所有)のベースラインそのものの曲で彼のサウンドの特徴でもあります。


2023-06-19

人様を評価なんてそんな

 

人事評価てったって、そもそも人様のことを評価なんかできるわきゃない。それでも人の成長が会社の成長につながるわけで、事業継続していくための経営には必要なのかもしれない。成長に応じて報酬もアップしたいですし、活躍できるポジションも用意したいと思うわけです。

評価には、結果を評価する目標管理と、行動プロセスを評価するコンピテンシー評価があります。会社のビジョンに向けて戦略を実行するにはどんな「目標」を立てるべきか、まずは自分なりに検討して上長に提示します。上長は方向がずれていないかチェックします。「コンピテンシー」は予め望まれる行動パターンと5段階評価を明文化してひとつひとつ丁寧に説明しておきます。

この「事前に」評価ポイントを共有しておくことが肝心です。評価する頃になって「実はここを見ていた」なんて後出しジャンケンはフェアではない。日頃の1on1ミーティングで社員が目標を達成できるように適切なフィードバックと具体的な支援アクションが上長であるマネジャーに求められます。

こうして自己評価を中心に組み立てていきます。マネジャーなど周りの人はいかに本人をサポートできているか、そして評価そのものが偏見になっていないかをほかのマネジャーと共有することが大切です。この評価決定ミーティングというのが体力と根気のいる仕事で社員が増えるほど大変になっていきます。少なくとも半期に一度(年2回)は覚悟して缶詰めになるしかないですね。

2023-06-16

Brother Sister / The Brand New Heavies

 

ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(The Brand New Heavies)の1994年リリース作。好物のファンクビートとジャジーな感じはジャミロクワイやインコグニートと一緒によく聴きました。特に好きなのはドラムの音とベースライン。元を辿ればやっぱりジェイムス・ブラウンです。当時はロンドンあたりからアシッドジャズとかレアグルーヴといった言葉でCDショップのPOPによく書いてあったものです。

実質1stアルバムの“The Brand New Heavies”は何も知らずにCDショップで買って「こりゃいい」となったのですが、2ndの“Heavy Rhyme Experience: Vol. 1”はいきなりヒップホップであまり聴かなかったな。今聴くとこれでカッコいいし彼らのビートへのこだわり志向がわかります。

3.Dream On Dreamer で「これだ!」とヤラれてしまう人が多いはず。続けざまに4.Midnight At the Oasis とくるわけですからノリノリです。ミドルテンポの7.Mind Trips のリズムやタワー・オブ・パワーな10.Snake Hips もメチャカッコいいです。最近聴いているラリー・ゴールディングスコリー・ウォンがやっていることを90年代からやっていたわけです。


2023-06-15

スピーカーを選ぶときは

 

昔からマイ・オーディオルームを持つのが夢でしたし今も諦めてはいないのですが、家族と過ごす時間も貴重と思うところがあって、オーディオはリビングに置いています。家族と一緒に食事したりテレビを観たりテレワークしたりする場所です。キッチンもあります。

テレビの下の台(ラック)にアンプやCDプレーヤーを置き、テレビを挟むようにして左右にスピーカーを置いています。リスニングポジションはそれらの前のソファです。家族と映画を観るために5.1chサラウンドシステム(スリムで廉価)も同居していて、オーディオ用のスピーカーのまわりにもなにかと立っています。

そんなわけで、普段スピーカーで鳴らすときは音量控えめです。小音量でも気持ちよく鳴ってくれて、まわりにちょっとくらいモノがあっても設置しやすい、そしてロックやジャズを楽しく鳴らしてくれるスピーカーということでJBL4309を1年ちょい前に導入しました。

JBL4309

導入にあたっては、近所のオーディオショップで知り合うことができたその道のプロに相談しました。僕の好きな音楽を把握されたうえで、上記のような生活にフィットするモノを提案していただきました。家族にも好評でいまやすっかり「このスピーカーにしてよかった」と思う日々です。ネットでなんでも買える時代ですが、数多ある機種の中から長年愛用する相棒を選ぶときは、その道のプロにちゃんと相談するのが良いと思っています。

おまけYouTube動画
「新旧JBLの聞き比べJBL 4301B VS 4309~と、いう建前でウチの事務所でダラダラ音楽を聴く回」


2023-06-14

Things Eternal / Dan Wilson

 

Dan Wilson(ダン・ウィルソン)はアメリカのジャズギタリスト。4枚目のアルバムとのことですがApple Musicのリコメンドで初めて知りました。一聴してジョージ・ベンソンばりのフルピッキングフレーズがうれしいジャズギターです。随所にR&Bソウルへの愛情も感じられる曲展開で気持ちよく聴いています。

ギターを弾く僕としてはギターアルバムだとつい聴いてしまいます。ジョージ・ベンソンも好きなギタリスト(ヴォーカルも好き)で、流れるようなレガートではなく、ピッキング多めで粒立ちがよく独特のタイム感で弾くスタイルは黒っぽさを感じてなんともカッコイイ。ウェス・モンゴメリーも同じくですが、親指弾きなので音がちょっと丸くて太い。

ちょっと泣かせる亡くなった師匠の留守電メッセージで始まる1.Sticology からカッコ良さ全開で途中のR&Bコーラスがいい。ビートルズの3.Eleanor Rigby やスティーヴィー・ワンダーの8.Smile Please 、スティングの12.Let Your Soul Be Your Pilot といったカヴァーを鼻歌交じりに楽しむのもいいかも。


2023-06-13

The Road to You / Pat Metheny Group

 

1993年に発表されたパット・メセニー・グループ(PMG)のライヴアルバム。PMG80年代三部作と呼ばれる「First Circle」「Still Life (Talking)」「Letter From Home」からの選曲となっています。どのアルバムも傑作&名盤で、このアルバムはさらにそのベスト盤という位置づけに感じました。全曲口ずさめるレベルで、最も聴いたライヴアルバムかもしれません。

92年の「Secret Story」という壮大な作品を紹介したばかりですが、この総括ライヴのあとに制作されたものだと思います。こうして僕の20代は家にいてもどこに行くにしてもメセニー必携時代でした。50代後半の今でもこうしてメセニーを聴き続けているわけですから大袈裟にいえば人生に欠かせない音楽になっています。

観客の大合唱から一気に盛り上がって1.Have You Heard が始まります。音質的にも特徴あるベース音やシンバルの細かい音が心地よく響きます。そして名曲2.First Circle 。人生を変えた曲と言ってもいいかもしれない。いろいろな人生ステージでこの曲をかけ、自分を鼓舞してきました。途中のライル・メイズのピアノで空を飛びます。この2曲でいきなりクライマックスなので3.The Road to You で落ち着きます。5.Last Train Home という名曲を知っている人は多いはず。出張帰りはいつもこれでした。6曲目以降のラテン展開もぜひ楽しんでいただきたい。ラストのバラード名曲11.Solo from "More Travels" は眠りにつくときに。映像DVD作品「More Travels」も大好きな美しい作品で繰り返しよく観ました。


2023-06-12

いい人材と出会いたい

 

人を採用するのは社長の覚悟が必要だと書きましたが、人材を活かして会社を成長させていくのは本当に難しいと痛感しています。いい人材を採用できたと思っても、人の気持ちは変化するもの。想定外に早く辞めてしまったり、逆に最初は目立たぬ存在だったのに、コツコツ実績をあげてくる人がいたり。やはり人材のプロにお金を払ってでも相談するほうが良いと思っています。

数回の面接で果たしてどこまでその人のことを理解できるかわかりませんが、セリフそのものよりも笑顔はどういう印象か、真剣な眼差しはあるか、人の話を聞くときの姿勢はどうか、当社ビジョンについてどう感じているか、など自分の目で観察することでしっかりと見極めたいところです。

大手企業の場合は応募数も多いので選ぶこともできますが、中小企業では応募数を増やすことさえひと苦労です。中途採用ではその人の実績を知ることで即戦力度が計れますが、ピカピカの実力者が応募してくることはほぼない。結局人手は必要なので、まずは採用して一緒に仕事してみてからということになります。

そもそも採用計画を立てる段階で、ビジョンを実現するための戦略上、組織図でどんな人材が必要なのかを検討することが肝心です。採用してからポジションを作るのでは順序逆ということです。もしかしたら「社員」というステークホルダーではなく「取引先」というステークホルダー、たとえばアウトソース会社やフリーランスへの業務委託のほうが戦略上は適していると判断できるかもしれません。

2023-06-09

Sex & Religion / Steve Vai(VAI)

 

スティーヴ・ヴァイが「VAI」バンド名義で1993年に発表したアルバム。メンバーはギターも弾ける当時無名の天才Vo.デヴィン・タウンゼンド、スーパーファンクベーシストのT.M.スティーヴンス、ドラムスはジェフ・ベックのアルバムにも参加のこれまた天才テリー・ボジオという豪華布陣。演奏力が物凄いわけですが、このメンバーでないと演奏できなかったかも。

ヴァイとボジオはあのフランク・ザッパのバンドで鍛えられた門下生。ポップな曲もありながら奇妙で複雑を極めた曲や、どこからその音出してきたかという意表をつく展開で楽曲の完成度がとにかく高い。ヴァイがスーパーギタリストなだけでなくスーパー作曲家であることも証明してみせました。のちのメタル系やプログレ系ミュージシャンにも影響を与えたアルバムだと思います。

典型的な曲から紹介しましょう。10.Pig を聴いてみてください。ギターをコピーする気になれません。リズムも難しくてこのノリを出すのは至難の業です。いろいろ超越した曲です。この世界観がOKなら6.Dirty Black Hole もついてこれると思います。ちょっと無理という人は比較的キャッチーな2.Here & Now や4.Still My Bleeding Heart であれば親しめると思い...ます。


2023-06-08

僕の「低音」

 

僕にとっての「低音」。幼き日のクラシックコンサートでのティンパニとコントラバスのヒット。バンドでライヴや練習をしたときのバスドラのキック音。スタックのマーシャルアンプでボリュームを上げてエレキギターの6弦を刻む歪み音。某芝浦のディスコで改造した床から腹に伝わってくる音。数々のライヴたとえばフジロックのグリーンステージのど真ん前で浴びたPA音。ジャズクラブでのウッドベースの生音、そんな音の記憶が「体」に残っていると思います。

自宅のスピーカーやヘッドフォンで聴くときには、生そのものの音を再現するのは無理なので、聴いている音の延長線上にあの記憶の音をイメージできるかどうかを確かめているような気がします。

しかも単に低音が強調されていればいいのではなく、ミュージシャンの表現意図を感じられるかどうか。結果としてその低音が音楽の迫力や興奮に直結したところで「おおーこれこれ」ってなるわけです。

音の記憶は人それぞれ違うので、人によって低音の感じ方も違って当たり前です。もちろん低音だけでなくヴォーカルなどの中域や高音も求めている音は人それぞれなのでしょう。だからヘッドフォンもイヤフォンもあれだけ多品種なわけです。選ぶのが大変ですね。


2023-06-07

In What Direction Are You Headed? / Joe Farnsworth

 

Joe Farnsworth(ジョー・ファンスワース)は、アメリカのジャズドラマー。スモールズでのジョージ・コールマンのライヴでも叩いていました。目立ったプレイこそありませんが、ジャズらしい王道なプレイが彼の持ち味です。そして今回も得意のSMOKE Sessionsから。毎回違った趣向の“今のジャズ”を高音質で楽しめる作品群でお気に入りです。

今回はのっけ(1.Terra Nova )から今のジャズギターのトップを走るカート・ローゼンウィンケルの浮遊感のあるフレーズから始まります。以降もカートの印象的な音色とフレーズが光るライヴになっています。

オススメは、スリリングな2.Filters でのサックスとギターの同時ソロ。普通ソロは交互にやるものですが、被りまくり。カートの音色のせいかこれもアリだなと思わせます。6.Safe Corners もカートの作品らしい不思議な曲。僕の好きなアラン・ホールズワースを思わせるトーンとフレーズで頷いてしまいます。7.Bobby No Bags でのジョーのスイングに彼らしさが出ていると思います。


2023-06-06

Diary Of A Mad Band / Jodeci

 

Jodeci(ジョデシィ)はアメリカのR&Bグループ4人組。メインVo.のK-CiとJoJoのヘイリー兄弟の濃い味歌いっぷりは圧巻で、のちにK-Ci&JoJoというデュオになっても買い続けてよく聴きました。スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイに始まった僕のR&Bソウル好きは90年代に多くのCDを集めるに至りました。

この1993年の2ndアルバムは前半スロー後半ダンスナンバーという構成で彼らのコーラスグループとしての持ち味が充分に味わえ、サウンドメイキングがカッコイイ。たぶんメンバーのDeVante Swingのチカラによるものでしょう。ライバルだったBoyz II Menが優等生なイメージなのに対し、彼らのストリート感あふれるワイルドさが良かったです。

シングルカットのスロー2.Cry For You のコーラスに移る展開がたまりません。ドラマチック展開に気分があがる4.What About Us 。なんといってもスティーヴィーの名曲を濃く歌った7.Lately もサイコー。10.In The Meanwhile ではティンバランド参加でさすがのビートを聴かせてくれます。


2023-06-05

ビジョンをチームに浸透させる

 

MVVは作ってホームページに載せたらおしまい、ではなくいかに浸透させるかが課題です。特に社長が言行一致していないと、スタッフはじめ全てのステークホルダーは「な〜んだ」ってことになります。まずはスタッフ全員集めて宣言し、お客様との打ち合わせでも時間をもらって自分の言葉で説明するところから始まります。

で、説明すると「あー、そうですか」的な反応だと思いますが、そんなもんです。社長および経営陣の行動力が試されています。ホームページだけでなくパンフレット、提案書、オフィスの壁面などスタッフの目に触れるところに表記していきます。ミーティングの始めにMVVのひとつをリーダーが唱えるなんてことも必要かもしれません。

MVVに沿った行動になっているかを人事評価に加えることも検討すべきでしょう。ある「結果」をもたらしたのは、「プロセス(行動)の積み重ね」です。そのプロセスを評価するにあたり、自分の行動がMVVにどうリンクしているかを聞きます。結果と違って正解はないので難しいですが話し合うことが大切です。

評価のためにも日頃の1on1ミーティングで、MVVを言葉にして会話に挟んだり、つながる行動を褒めていくことです。スタッフもそれぞれやりたいことはあるはずですが、それがどうMVVにつながっているかを確認して判断し、軌道修正していくこともリーダーの役目です。まぁ根気ってことですかね。

2023-06-02

Secret Story / Pat Metheny

 

Pat Metheny(パット・メセニー)個人名義での1992年作。パット・メセニー・グループは主にKey.のライル・メイズとのバンドで今作にはライルがいない、なんて話はファン以外には関係ない。とにかく多数のミュージシャンとオーケストラでものすごい大作を作り上げてしまったという作品です。以後のアルバムでもギターとかジャズとかで括れないパット・メセニー・ミュージックを発表していくことになります。

1989年の「Letter From Home」というトップランクに聴いたアルバムで完全にファンになっていたところに、こんな大傑作を聴いてしまい一生ものの音楽に出会った感が強くありました。言うまでもなく彼の作品と彼が参加するほかのミュージシャンのアルバムも集めることに。ライヴもグループだけでなく、ブルーノートでの小編成を間近に観たりしました。

本作も通しで聴くものですが紹介しますと、1.Above the Treetops ではカンボジア宮廷音楽といわれるメロディーで始まった途端、見知らぬ海外に連れて行かれ、2.Facing West で旅路をワクワク進んでいきます。不思議な街や祭り、ちょっとした旅の休憩、夜の眠り...など僕は勝手に想像しながら聴いています。好きな曲は8.Always and Forever と13.Tell Her You Saw Me のバラード。心にしみる愛に溢れたサウンドだと思います。14.Not to Be Forgotten (Our Final Hour)で旅の終わりの余韻を感じさせてくれます。(15以降はボーナストラックです)


2023-06-01

「低音」を効かせて聴かせる

 

そういえばウォークマンだけでなくミニコンポなんかにも低音増強スイッチが付いていました。僕が最初に買ったOnkyoのプリメインアンプにもラウドネス・スイッチが付いていて、小さなボリュームで聴いているときでも低音がある程度しっかり聞こえるようになっていたのです。ボリューム上げてもスイッチONのままだとグングン来てよかったりして。

ヘッドフォンも低音強調モデルがあったり、CDショップの試聴機のヘッドフォンは過多な低音で、そのほうが売れると判断したのでしょう。CDショップがストリーミングになり、最近のヒットチャートやダンスミュージックを聴いたりするとびっくりするくらいの低音が鳴っています。作り手がスマホ+ワイヤレスイヤフォンとかBluetoothスピーカーなどでリスナーが聴くことを想定して、難聴対策や小型スピーカーでボリュームが小さくなっても、ある程度音楽の迫力を伝える工夫なんだと思います。

僕のCD棚にもヒップホップやダンスミュージックが多くありまして、やはりこの手の音楽は低音がしっかり出ていないとつまらない。この歳になってやっとまともなシステムと時間を確保できたので、加工することなく「本来の」低音を味わう楽しみを知り始めたところです。