ラベル 経営 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 経営 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024-01-22

やっぱり「根気」です

 

「寛容さ」ともうひとつ肝心なことは「根気」です。数々の職歴がある私が言っても説得力がないですが、巳(へび)年の私ですからあきらめが悪くしつこいところがあると自覚しています。目的さえ腹に落ちれば、自ら決めた目標に向かって愚直に突き進むことを良しとしています。結果はどうなるかわかりませんが、納得のいくアウトプットを出すことが第一です。

「根気」とか「ねばり強さ」とか言うと、昭和の古臭い精神論や、場合によってはハラスメントに近い言葉として捉えられがちです。でもさすがにこれからの時代に、何も根拠なく頑張るということはしないでしょう。適切な情報発信とフィードバックを丁寧に進めることで得られる相互理解をもとに一歩一歩目標に近づいていくプロセスが求められていると思います。「寛容さ」や「根気」は掛け声ではなく、きちんとした教育や研修によって論理的に身につけていくスキルだと思っています。

労働力人口の減少によるAIやロボットを活用した社会では、多くの課題が生まれると思います。世の中「誰かがなんとかしてくれる」と思っている人が大多数です。そんな中で「いっちょやるか」と手を挙げる“社長”の存在意義は希少価値であり、とても大きいと思います。「自分には社長なんてとても」と思っている人はもっと“社長”の存在を尊重していただきたい。言い出す人がいなければ、いっこうに状況は変わらない、どころか衰退していくばかりです。

1年間根気よく続けてきたこの“てやんでぇ!社長”も今回で終わりとなります。35歳で初めて社長になってから、いくつかの会社や事業を経営してきたノウハウをもとに、思いつくまま書いてきました。来年2025年には還暦を迎えます。これまではこれまでとして、また新たな人生を経営していけたらと、50代最後の年を楽しもうと思います。

2024-01-15

フィードバックと「寛容さ」

 

「愚直さ」ともうひとつ大事なのは「寛容さ」です。フィードバック文化にするとやっぱり批判的な意見が出てきます。そこで「そうじゃないでしょ」と思っても6秒待って。どうしてそう考えたのか相手の気持ちになってみて、「◯◯ということが言いたかったのかな」と置き換えてみたり、「それもひとつの考え方だよね」と認めてみることが肝心です。

意見が出なかったり、返信が遅いといったことで、イライラする人もいると思います。こちらは成果を出しているのになぜと怒ったり不安になったりするのは自然なこと。同様に、いま別のことに取り掛かっていて他に気を配れないことや、たまにはちょっと息抜きしていることでフィードバックできないことも自然なことですね。

だからこそ、これはちょっと自然ではないですが、わざと寛容になってみるのです。相手を認めることで、相手側も落ち着きをもつことができ、もしかしたら何か新しい解決方法が導き出せるかもしれません。そうした緩急をつけたリズム合わせもチームや組織で学習していく姿勢が「寛容さ」をもったフィードバック文化にしていくうえで大切なプロセスだと思います。

SNS時代になって、当事者ではない人が他人を攻撃するという配慮に欠けた情報発信が横行してしまいました。いつの間にか相手を攻めることが日常的になってしまったり、無視や見てみないふりをすることでその場をやり過ごすことが多い世の中になったようにも思えます。会社でも社会でもこれからは「寛容さ」を訓練していく必要があるのではと考えます。

2023-12-25

集めた事実をAIが分析

 

会社経営をしていると「愚直」であることの大切さが身にしみてわかります。人間としてはつい自分の都合のいいように事実を曲げて報告してしまったり、愚痴や悪口を言ったり聞いたりして他人にバイアスをかけたり、仕事以外のその日の気分で面倒になったり嫌になったりしてしまいます。しかし社長としてはなるべく事実を事実のまま把握して、次なる対策を練りたい。

「言わなくてもわかる」「空気を読む」というのが長所になっている組織も、実は社長や上司がラクなだけかもしれません。情報を受発信するのは誰にとっても労力のかかることですから。だからこそコミュニティでは発信しやすく、フィードバックしやすくする工夫が必要なのです。中でも事実を事実としてできるだけ情報を集め報告しあうような愚直なプロセスは、それほど時間をかけずにできるコミュニティ活性方法だと思います。

特に机上で立てた仮説を検証するための「現場」観察というプロセスは、リモートワークが普通になる今後のワークスタイルの中でも大切なものになってきます。現場に足を運び、人と話し、写真や動画を撮り、コミュニティで事実をシェアすることが、その後の問題発見や課題抽出に多いに役に立つでしょう。そうして集めた事実はAIに一次分析してもらうというわけです。

うまくいっているプロジェクトはやっぱり「ユーザー」「現場」オリエンテッドです。提供側がいくら良いプロダクトができたと思っても、できる限り多くの現場の声をフィードバックしたプロダクトが継続して強いんです。

2023-12-18

発信と「フィードバック」が大切

 

会社がコミュニティになると従来のコミュニケーションとは違ったスタイルが求められます。社長や上司が「お偉いさん」ではなく「リーダーという役割をもった人」です。忖度やイエスマン、保身や勝ち負けといった価値観は薄くなります。上司に気に入られないと昇進がどうの、なんて昔の話となるでしょう。

コミュニティでは、いかに「発信」するかです。自分がやろうとしていることの“やります”宣言、やったことのアウトプットをしないことには始まりません。ここで大切なことはほかのメンバーからの「フィードバック」です。“いいね”“ありがとうございます”“承知しました”は既に絵文字になってフィードバックしやすくなっていると思います。“ごめんなさい”も絵文字で。

率直な言葉でポジティブフィードバックすれば、さらにプロジェクトが前に進むでしょう。“こうすればもっとよくなるのでは”というギャップフィードバックは、根っこに建設的な意味合いがあれば有効になります。そしてフィードバックを受ける側の「受け方」がコミュニティにとってポイントになります。特にこの「受け方」については研修や学び合いが必要となるでしょう。

では、昇進や昇給のきっかけとなる「評価」は誰がやるのでしょう。おそらく大半は「AI」がやります。もう上司のお気に入りとかで評価できなくなります。会社のMVVBSCなどの評価項目をAIに学習させて、コミュニティでの活動履歴によって1次評価はAIがやってくれます。社長ももちろん被評価者です。MVVに沿っていない言動行動について最も厳しく評価されるでしょう。

2023-12-11

社長はコミュニティオーナー

 

人口減少社会では、1人が何社かの仕事を掛け持ちするようになりますが、社員を囲い込めなくなった以上、他社がもつ能力をも活かしてサービスや商品を提供せざるを得なくなります。自社完結は望めないということです。業務提携からはじめて、どうしてもスピードアップしたければM&Aのために資金調達することになるでしょう。

他社との連携で必要となるスキルは、チームを形成したり運営したりするコミュニティマネジメント能力です。いままでは社長の強いリーダーシップでなんとかなっていた事業も、社員が辞めたり、競合に顧客を奪われたりして思うようにいかないはずです。むしろ社長もチームの一員となって協力関係を築いていく姿勢が求められる時代に入っています。社員やフリーランススタッフの能力を引き出し、チーム全体の力をアップしていくことで会社を維持継続するのです。

他社スタッフとのコラボもありますから「忠誠心」とか「言わずとわかる」なんてのは通用しません。きちんとMVVを明文化して自分の言葉にして伝えていくこと、チームメンバーの役割分担を明確にすること、報酬や経費などお金に関する契約・取り決めをあやふやにしないこと、は社長がコミュニティオーナーとして率先していく必要があります。

もはや当たり前となったSlackやDiscordといったコミュニティツール、Notionのような情報共有ツールは使いこなすくらいでないと務まりません。Zoomだって使えたのだから大丈夫です。Google系やMicrosoft系のツールでもかまいません。ただし、いつでも使えるツールだからと24時間労働や心無い発言を野放しにしないようなルール作りも必要です。

2023-12-04

フルタイム雇用はしないかも

 

中小企業の社長としては、フルタイムでコミットして働いてほしいと思いますが、給料をアップできないので、働く側も1社だけでは家計を維持できないという人も出てくるでしょう。以前から副業OKという会社はありますが、月曜〜水曜はA社、木曜と金曜はB社なんて働き方もあるかもしれません。会社はアルバイトのようなシフト管理が必要というわけです。

フリーランスで働いている人の中にはすでにそうした働き方を選択している人もいるでしょう。多くのフリーランスは時間や場所にとらわれず、複数の企業と業務委託契約を交わして成果物を納品、対価の支払を受けて、確定申告しているのが普通です。先日もメルカリがスポットワーク事業に参入するというニュースが発表になっていましたが、ちょっとした空き時間を小遣い稼ぎに充てるなんていうことも当たり前になっているかもしれません。フリーランスが今よりもっと仕事を探しやすく、得やすい時代になっていくでしょう。

雇っているんだから忠誠心を、なんて考え方は通用しません。むしろ「他社の仕事」によって優先順位を下げられないよう、惹きつけるようなビジョンや仕事を用意してコミュニケーションしないと優秀なスタッフを確保できない時代になっています。報酬が少しくらい高くても仕事や人間関係が悪い会社に人は寄って来ないのです。

会社には社長とマネジャー1人または数人のみで、あとは全員フリーランスなんていう企業も成り立ちます。従来の人事評価や福利厚生、オフィスのあり方そして社会保障も見直していくことになります。

2023-11-27

人口減少時代ですなぁ

 

総務省によれば12年連続で人口は減少しており総人口でも昨年55万人減っています。娘が就職するであろう5、6年後は会社はもちろん仕事をとりまく環境もさらに変化しているでしょう。人口減少によって、労働力人口不足は深刻です。ドル高ユーロ高は常態となり、賃金アップできる企業は輸出あるいは国際企業のみで、原材料費が上がり物価高騰を招き消費生活は苦しいままです。安全志向の若者は賃金アップ企業に流れ、中小企業は求人しても応募が少なく雇うのが難しい状況は変わらないと思います。

現時点でも、スーパーのセルフレジ化は急激に進みました。キャッシュレスも同様です。商品点数が多いので有人レジに進もうとしたら外国人スタッフに日本語で丁重に断られました。人手不足なわけです。日用品や食料品は単価を上げられないので省力化するのは当たり前。単価が高くて価格競争している家電やガジェットはネットで購入するものです。人間が対応してくれるのは利益率の高いブランド品など高額な富裕層向け商品だけ、となっています。

BtoCだけでなくBtoBも例外ではありません。WEBで申し込み、お試し利用、契約はクラウドサイン、質問にはAIが対応、です。営業スタッフが説明しに参りますなんてのは、よほどプレミアムな案件のみとなるわけです。セールスなんて言葉がありましたが、必要なものはこちらから言いますから、不要なものは提案しないで、となりました。営業スタッフも説き伏せて買ってもらうなんて行為を嫌がりますし、もっと効率的に仕事を進めたいと思うでしょう。

すでに会社のあらゆる部門で働き方は変わっています。会社のあり方、社長のあり方、雇用のあり方ももっと変わっていくでしょう。そのための準備を考えたいと思います。

2023-11-20

社長の「進退」

 

社長自身の進退をどうするか。社長とはまさに人生を「選択」してきた人ですから、人からどうこう言われて決める人ではありません。その社長の勝手にするというのが結論です。しかし不死身ではないのでいずれ誰かに引き継ぐか、会社を売却や廃業するなど次をどうするか「選択」する必要があります。

有名社長が次期社長を指名して、結局また自分が返り咲くといったニュースを見かけますが、私個人の意見としては、なんだかしっくりこないという感想です。当人いろいろ考えての判断でしょうから他人にはわからないことだと思いますが、幻滅してしまいます。しがみつきとか保身とかそんな印象さえあります。有名社長なら意地でも会社にはタッチしない、報酬ももらわない、そんな気概を見せてほしいと思います。

事業を起こして成し遂げた、それを後進に譲ったのだから「自分は次に行く」と宣言してほしいのです。また新たな事業を立ち上げてチャレンジしていく姿を見せてほしい。また成功するかどうかなんてわからない。すでに財を成したのだから、そこから出資してゼロから始めるということです。有名社長でなくてもそうするべきだと私は思っています。

2023-11-13

会社も「退場」するもの

 

組織を構成する「社員」も新陳代謝していくのが自然であると書きましたが、経済社会を構成する「会社」も同じく新陳代謝していくものだと思います。冷たい言い方になりますが、利益を出せない(税金を払えない)会社は市場から淘汰されていくようになっているということです。やはり税金を払って地域や社会に貢献してこそ会社の存在意義があると思っています。もちろん税金を払う以外にも、様々な貢献があると思いますが。

社長にとって「倒産」は仕事を失うだけでなく、多くの負債を抱えるという最も選びたくない選択肢です。しかし現実は月に何社も市場から退場を余儀なくされています。利益を出していれば「売却」という選択肢もあったと思うので、やはり利益を出せなかったということです。マイナスイメージしかないですが、こうして新陳代謝という作用があることは必要だと思います。

やっかいなのは、経営がうまくいっていないのに会社に区切りをつけられない社長自身です。多くの場合、金融機関などから借金を繰り返してなんとかキャッシュフローをポジティブにしているので、金融機関もその会社が潰れてしまっては困る(返済されない)し、社長自身も個人保証しているので、万が一のことがあったら多額の借金のみが残るという最悪の事態になるわけです。社員は転職すれば済む話しですが、社長はそうはいきません。だから倒産できないのです。

こうなってしまっては時既に遅しです。早め早めに経営判断していくためにもよき相談相手が社長には必要です。できれば取締役がその役目を務められればいいのですが、イエスマン体質にしていれば機能しません。建設的かつ時には厳しい意見を言ってくれる人が身近にいると助かります。

2023-11-06

組織も新陳代謝していく

 

社長にとって最も聞きたくないスタッフの言葉は「会社を辞めたいんです」でしょう。志をともにして奮闘してきたスタッフであればあるほど、社長は凹みます。業績が芳しくないときには仕方がないと諦めるしかないのですが、これから成長しそうなときにこれを言われると「どうして」と相手も自分も責めてしまいそうになるものです。

しかしながら人が「辞めない」会社はありません。人間の細胞の新陳代謝と一緒で、自然現象と捉えるしかないでしょう。辞めていく人にとっては新たな職場が待っています。辞められた会社はまた新たな人材を獲得して奮闘していくことになります。昔と違って、人材は流動していく前提で社員を雇用し、一度辞めた社員がまた戻ってくることもある、くらいのつもりで経営していく時代になっていると思います。

雇用を維持しようとするのではなく、むしろ組織を時代にあわせて変化させ、個人にも変化と成長を促していく。時代に合わせた戦略のもと、ある分野では長期雇用が合うかもしれないですし、人が入れ替わることで新たな価値を生み出せる分野もあるでしょう。個人にとっても会社という器があわなくなれば、別の器を探して転職していくほうが無理がないと思います。「選択の時代」だからこそ、会社も個人も常に準備していく必要があります。

2023-10-30

失敗したくない、けど仕事しなきゃ

 

覚悟するにしても、サポートするにしても、仕事して稼いでいくのに必要なのは「勇気」なんだと思います。その勇気が出ないとしたらそれは「失敗したらどうしよう」とか「あの人のせいで失敗したと言われたくない」「大変な思いをしたくない」とかとにかく心配なんだと思います。もしくは決定的な失敗や過ち、嫌な思いがあってすでに自己嫌悪に陥っているときもあります。

いわゆる「トラウマ」です。過去の失敗や嫌な思いが強く残っていて、一歩が踏み出せない。これは多かれ少なかれ誰にでもあることです。その過去の自分はまさに自分であるので、また繰り返すと思っているわけです。人生経験を重ねていくなかでそうなるので、若くても老いてもそういう状態はあります。しかしその自分も細胞は数年ですべて入れ替わります。昔の自分は今の自分ではないのかもしれません。

なんにでも効く薬は知りませんが、「仕事」に関しては、その仕事を「知る」ことが大切だと思います。その仕事はどういう目的で、何を実現しようとしていて、関わるステークホルダーはどんな登場人物で、成果を出すにはどんなポイントがあってなど、与えられた時間内にできる限り観察することです。感情を挟まず、情報を集めて、冷静に書き出していくわけです。そのなかで自分に試行錯誤できるところがあるんじゃないか、と思ったところが勇気の出しどころです。

結局、楽な仕事はないのです。楽じゃない仕事をやるから稼げるわけです。失敗しない保証もありません。結果的に成功するか失敗するかなんてわかりません。まずは相手を知って仕事にとりかかりましょう。

2023-10-23

「サポートする人」を愛でる

 

やります」と言える人が稼ぐことができると話しましたが、それが言えない人だっています。「やります」と言う人だってたまには疲れて言えないときがある。失敗したらどうしよう、迷惑かけたくないと思うのも普通のことです。「やります」と言う人を遠くから見て「大変そう」と見て見ぬふりしてしまうのも仕方がない。誰だって安全で楽な位置にいたいものです。

そんな普通の人が稼ぐ方法もあります。ここはやはり勇気を出して「やります」と言っている人に声をかけることです。困っていることがないか聞いて、何か自分にできることがないか考えることだけでも立派なサポートです。自分はリーダーにはなれないけれど、ちょっとしたサポートならできる人はやがて稼ぐことができるでしょう。パンフレットをクリアファイルに入れる単純作業の輪に入るだけだっていいんです。

社長はそういう「サポートする人」をきちんと評価することです。口で褒めるだけでなく、評価制度に組み込むことが肝心です。どんな仕事も複数メンバーをアサインできるほど人手は潤沢ではないでしょう。個人個人が仕事を抱えていますから、つい「他人事」文化が育ってしまいます。「サポートする人」を愛でる文化を育てたいですね。

2023-10-16

理想の職場とは

 

理想の職場ってどんなところなんでしょう。きれいなオフィスで、仕事に余裕があって、社員が和気あいあいで、給料もそこそこ良くて、残業はなくて、長期休暇もとりやすくて。今どきであればオンラインでミーティングしている社員や取引先がいて、オンオフともに充実感がある、って感じでしょうか。

僕が経験してきた中で「良い職場」として印象に残っているのは、そこにいるメンバーが次々に「それじゃ私は、◯◯をやります」を連発していたシーンです。リーダーが「私は◯◯をやるんだけど、みんなもお願いできるかな」と言うと、ほかのメンバーがそれぞれ担当分野でできることを主体的に探して「やります」宣言していました。不安な点やわからないことがあるとすぐに聞けるオープンな雰囲気、困っている人を感じたら声をかける分かち合いの雰囲気もあって、リーダーのためではなく目的(お客様だったり、価値だったり)にベクトルが向いている状態でした。

まぁいつもいつもそんな状態であるわけではないですが、そんな瞬間をつくれる職場ということです。きっとこの「やります」状態があってこそ、徐々に冒頭の職場環境は実現していくものではないかと思っています。誰かが用意してくれるのではなく、メンバーがつくりあげていくものだということです。

2023-10-02

選択とは「覚悟」すること

 

社長になる以前の問題として、生活していくには稼がなければならない。稼ぐためにはどうしたらいいか。答えはシンプル「私、やります」と言うことです。「◯◯さん、コレやってくれないか」と言われ仕事の受け身だろうと、「これをなんとかしなくちゃ」と自分発の仕事だろうと「やります」と言うことがやがて「稼ぎ」につながります。

僕も初めて社長になったとき、当時の株主から「社長はキミにやってもらいたい」と言われて「やります」と答えたところから始まったわけです。もちろん経験はゼロだし、スキルもないし、頼りない。周囲のメンバーからの支持もない。あったのは「覚悟」のみ。誰だって最初は初心者なんだと自分に言い聞かせて、船出をしたのでした。

引き受けた理由はもう一つ。音楽に関わる仕事だったのです。つまり「やりたい仕事」だった。やりたくないものを「やります」と言うのはツラい。とある目的のためにやらなきゃいけないときに「やります」と言うことはあるけれど、やりたくないものはやらないほうがいい。なぜなら「覚悟」をもてないから。自分が選択した道はこれからいろんな困難があるだろう。それでも前に進んでいくんだと腹を決めるのが「覚悟」です。

2023-09-25

社長にだけはなりたくない!

 

「てやんでぇ!社長」も8ヶ月ほど書いてきました。20年程やってきた社長や経営者という仕事を振り返って、次代にどんな仕事に就くかわからない娘に向けて思いつくところを書いてみました。これを読んだらおそらく「社長なんてやりたくない」と言うでしょう。理由は大変そうだから。そりゃ、これだけいろんなこと考えなきゃならないし、やらなきゃいけないんだからそう言うのも無理はない。

社長になるとまあ批判が多いですよ。悪口、陰口、野次も。足も引っ張られるし、後ろから矢が飛んでくるし、揚げ足もとられる。結果が悪いと責任とって辞任したり減給したり、しなかったり...。開き直って「悪いのは自分じゃない」とばかり部下のせいにしたり、取引先のせいにしたり。不機嫌を周囲に撒き散らして、さらに悪口が増える。

できることなら社長にだけはなりたくない、せめてNo.2以下、いやいや平社員が一番。だって言われたことだけやってれば給料もらえるんだから。余計なことはしないほうがいい。なんとか仕事をやっつけて、たまにゃ時間外に仲間と会社や社長への愚痴でもいいながら食べたり飲んだり。こっちだって大変な仕事やってやるんだから愚痴ぐらい別にいいだろと。

選択の時代”ですから、どんな人生を歩もうとそりゃ人の勝手です。死ぬときゃみんな独り、あの世には何も持っていけません。死んだあと何を言われようと自分には何も聞こえません...。
でもまあ奇跡のような縁あって、父と娘なわけですから、娘が生きていく過程で自ら“選択”するときにちょっと参考になればと思い、あと数ヶ月書いてみます。

2023-09-11

わかっちゃいるけど「5W2H」

 

遅刻もブッキングも、社会人一年生じゃぁないんだから言われなくても、と。でも出来ていない人が多いんです。最後にもう一つ。報連相なんて昭和語がありましたが、社長であれば報告を聞くこともありますし、仕事を依頼することもあります。せめて「5W2H」くらいは文字にしておきたいところです。

これも出来ていない人多いです...。「◯◯やっておいて。」なんて曖昧な指示。報告するほうも「だいたい出来てます」なんて報告。に対して社長は「何が?」といった会話。互いに文字にしていないからミーティングも長引くし、感情的になる。「だから言っただろ」って。そんでもって提案書や稟議書って何書けばいいんですか?なんて聞かれることもあります。そんなときはまず「5W2H」を押さえておけば具体的なことは伝わります。

When(期限、時期、期間)Where(現場、訪問先)Who(担当者や責任者、メンバー)What(仕事内容や依頼内容)Why(仕事の理由や目的、意義)How(方法や手段)How much(コスト、売上、損失)※“5W2Hを意識した具体性のある行動”から引用。

社長になると進めなければいけない仕事は複数にわたります。社長からはWhyとWhatだけ伝えてあとはスタッフが検討してくれ、なんて場合が多いでしょう。任せて安心な部下がいるとすれば、そのスタッフは「5W2H」をしっかり押さえています。もし「5W2H」を伝え合わずに仕事が進んでいるとしたら、社長自身だけでなくスタッフにも相当ストレスがかかっている場合もあるので気をつけたい。

2023-09-04

ダブルブッキングは(冷や汗)

 

社長ってのはなんといっても「行動力」です。自ずと人と会う仕事が多く、そのためにアポイントをとることになります。大事なミーティングも多いので、ダブルブッキングや日程間違いはなんとしても避けたい。間違えてしまったときの冷や汗は誰でも経験したことがあると思いますがあれは本当に嫌なもんです。

予定を伝え合うとき、必ず「曜日」を入れるようにしています。口頭で確認するときもカレンダーを開いて「◯曜日ですね」と言いますし、メールでも◯月◯日◯曜と確認を入れておくようにします。相手が別の月のカレンダーを開いていたりする可能性もありますし、互いに間違いの無いようにしたいものです。

時刻も24時間表記で確認し合うようにしています。午後5時をなぜか15時と間違えてしまったことがあります。相手が5時待ち合わせと言ってきたら「17時ですね」と確認しておくとよいと思います。

ついでにもう一つ。アポをとるときに「2つ3つ候補をいただけますか?」と尋ねる人がいますが、回答したら「その日はあいにく…」なんて返事されたことがあります。会うということを実現したければ、こちらから候補を挙げるべきです。「日にちと曜日と24時間表記」を複数挙げて、相手が選びやすくする配慮が大切です。

2023-08-28

「遅刻」したくない

 

若年層に限らず、コスパ、タイパの世の中です。効率化に良い面悪い面あるのはともかく、時間のムダ使いは嫌われます。特に「遅刻」が相手や周囲に与えるストレスは大きい。なんて言っている私も遅刻したことは何回もあってその度に大変申し訳なく思います。つまり自分にとってもストレスというわけです。前のミーティングでしゃべり過ぎたり、うっかりスケジュールを忘れたり、言い訳できない理由です。

社長は出社が遅くていいとか、ミーティングに遅く出ていいなんてことは今の時代ありません。ニュースでよく見るあの、閣議に総理が最後に入ってきて全員起立して座るっていうのありますが、ああいうのが良くないと思います。むしろ総理が先に入っていて、閣僚を迎えるくらいのほうがいいんじゃないかと。だって総理はみんなに働いてもらってビジョンを実現しているんですもの。

待ち合わせ時間の10分くらい前には現地に着くようにしています。もっと早く着いて集合場所を確認したら、周囲をぐるぐる散歩したりしていることもあります。そのくらいの余裕をもっておいたほうがミーティングも落ち着いて話ができます。人によって余裕時間は違うと思いますがとにかく遅刻しないことです。

常習的に遅刻する社長や経営者に共通しているのは、結果的に利益率が低いということです。遅刻された方は「軽くみられている」と感じますし、であればこちらもほかの選択肢をと考えるわけですから、競合他社が優位に立ってしまいます。相手が取引先だけではなく、社員も同様で「社長だからしょうがない」なんて思ってくれませんよ。

2023-08-21

【実例】新生ハンズ=「C案」

「C案」の見つけ方について2022年春、東急ハンズを買収完了したカインズの例で見てみたいと思います。カインズはあのワークマンを中核にもつベイシアグループの企業で234店舗、5,158億円の売上高でホームセンターのトップです。ハンズは国内78店舗、514億円の売上高です。郊外型のカインズに対しハンズは都心を中心に店舗展開しており、事業環境は大きく違っていました。

「ハンズに行けばあるんじゃない」と私が学生の頃から渋谷店には行っていましたし、娘の代になっても同様の印象でした。しかし近隣にロフトや無印良品などができて以前ほどの頻度はなくなっていました。たとえば気に入ったものの探しやすさ、買い物のしやすさの点でハンズは劣っていたように思います。買いたいものが決まっている目的買いで使うことのほうが多かった。であればインターネットで買っても同じかと。

新生ハンズのドキュメンタリー番組(ガイアの夜明け)を観ました。そこにはハンズの社員が「強み」について議論する姿がありました。両社の社員が互いの店舗を研究して理解し合う姿もありました。そして命題は「新生ハンズ」を作り上げること。そこでカインズの社長が示した方針は“来客者の体験”でした。たとえば壁一面埋め尽くされた圧倒的な品揃え、ハッシュタグのように気づきを与える商品紹介、ペンの書き心地をさまざまな紙質で行えるコーナーなど。

従来のハンズのやり方でもなく、カインズのやり方でもない、“来客者の体験”に焦点を絞って「C案」をイチから作り上げていったのです。よってカインズ初の都心型店(新宿)のほうも郊外型にはないアイデアで店舗を作っています。チャレンジは始まったばかりでクリエイティブはまだまだこれからだと思いますが、ここには「C案」をつくるヒントがあると思います。

2023-08-14

A案でもB案でもない「C案」

 

新規事業をやるとなったら「パートナー探しが重要」と書きましたが、そのパートナーがやりたかったことをやる場合においては、当初の課題はシンプルです。つまりそのパートナーが持っていなくてこちらが持っているもの、例えばスタッフ、人脈、資金、設備をどう用意してバックアップするかです。やりたいことが一致していることが大前提ですが。

問題は、こちらの会社(A社とします)もパートナーの会社(B社とします)もやったことのない、新たな事業を始める場合です。A社は自分たちのやりたいことはコレだというのがあり、B社もそれよりもこっちをやりたいというのがあったりします。A社のやり方とB社のやり方は成り立ちも事業環境も違うので、必ずといっていいほど対立が発生します。そのうちどちらが折れるか譲るかなんて話になってしまいます。

ここでも社長の出番です。そもそも新たな事業を始めようとなったのは両社の社長どうしですからここはきちんと話をしなければなりません。肝心なのは、A社のA案でもなく、B社のB案でもない、C案をつくることです。互いの強み弱みをよく知ったうえで、新たな商品や新たな市場をつくり出すのです。

これはとてもChallengingなことであり、Creativeなことです。互いが互いを尊重しかつ忌憚のない意見を出し合う必要があります。何度も「ほんとうにそうか」と問いただすことになるでしょう。7つの習慣でいうところの「Win-Win」「理解してから理解される」という土台をしっかり築きます。その過程を経て「C案」をつくりあげ、実行できたときにはじめて「相乗効果」となります。これぞ新しい事業の醍醐味だと思います。