2021-04-29

withデジタル時代の音楽ビジネス 〜関連事業者視点〜

レコード会社、レーベル、アーティスト事務所、制作スタジオ、音楽出版社、作品の流通販売事業者、ライブイベント関連事業者など音楽に関するビジネスは数多くあります。携わる人々に共通しているのは「アーティスト(創造者)への尊敬」の気持ちと「多くの人に聴かせたい届けたい(ヒット)」という想いです。

アーティストが生活しながら制作活動を続けていくにはビジネスにしていく必要があります。デジタル時代にプロモーションするには多岐にわたる作業がありアーティストだけでやっていくのは難しい。だからこそ携わる人たちとの協力関係が大事なのです。

関連事業者はそれぞれの分野の専門家です。SNSや音楽サブスクサービスのアルゴリズムを把握しどのように伝えるとよいか、ユーザー動向を予測しファンにしていくストーリーづくり、ファンとのつながりを強くしていくにはどうしたらいいか、ライブイベントを効果的に実施すること、グローバル展開するにはどうしたらいいか、などなど専門家としては、デジタル時代を数多く経験して試行錯誤しながら知見をためていくことが重要です。


私は関連事業者の課題は2つあると思っています。ひとつは「コラボレーション」です。アーティストとアーティスト、アーティストと映画やアニメ作品、アーティストとインフルエンサー、アーティストと企業、アーティストとユーザーが作るコンテンツ(UGC)など、一見リスキーではあるけれども成功すればヒットへのステップを上げることができます。

もうひとつはデジタル時代の「著作権使用料の分配」です。関連事業者はその活動の対価として取り分をどう設定するか、事務手続きを効率化するにはどうしたらいいか、SNSにはどう許諾するか、UGCや二次創作のガイドラインなど、事業者の枠を超えて議論していく必要があると思います。

2021-04-27

withデジタル時代の音楽ビジネス 〜アーティスト視点〜

音楽アーティストはCDやDVDの新譜リリースや新曲発表をきっかけに、テレビやラジオに出演し、雑誌にインタビューを掲載することでプロモーションし、ライブのチケットも買ってもらうという流れが一般的です。 新譜の予約がどれだけ入り、初動でどれだけ売れたかがその効果指標になります。

ユーザーとの接点がスマホありきになったことで、SNSアプリや動画サービス、音楽サブスクサービスが活動拠点になりました。結果としてCDが売れたりテレビに出たりすることがあっても、スマホでのユーザーとのつながりをまず先にやっておく必要があるわけです。

Instagram、TikTok、YouTubeはショート動画に力を入れて、そのサービス内の滞在時間を増やそうとしています。ユーザーは時間を忘れて次から次へと目を引く動画をチェックしていくからです。表示される動画はユーザー毎にまちまち(パーソナライズ)で「アルゴリズム」と呼ばれるコンピュータ計算によってコントロールされています。

Facebook、Twitter、Google検索結果も同様にそれぞれのサービスのアルゴリズムで表示をパーソナライズしています。それぞれのユーザーにとって興味がある、興味がありそうなコンテンツを見てもらうことで利用頻度や利用時間を伸ばそうとしているわけです。

アーティストは、それぞれのサービスのアルゴリズムを理解したうえでコンテンツを発信していく必要があります。それには頻度と内容の質が大切です。活動状況を写真やショート動画付きでこまめに発信します。音楽サブスクサービスでの新譜リリースも、シングル、EP、リミックスなどを様々なストーリーの一環として、順次発表していくことでファンとのつながりをキープします。

さらに各サービスにはユーザー動向を数値を中心に知ることができる分析ツールがあるので、まめにチェックすることでファンの反応を把握して、次のアクションにつなげることになります。

これらデジタル対応を起点にしながら、アーティストはこれまでの活動を行っていく必要があり時間のやりくりが大変です。しかしその活動を1年2年とやっていくうちに、ファンとの結びつきが強くなったり、新たなファンを獲得したりすることができるようになります。

2021-04-23

withデジタル時代の音楽ビジネス 〜ユーザー視点〜

レコードやCDを買って&借りて聴く、チケットを買って観る。情報源はテレビ、ラジオ、雑誌そして友達でした。どうしたら売れるかは、割と大雑把でシンプルでした。

10代の娘も音楽が好きです。親譲りです、と言いたいところですが様子は違います。世の中とのつながりはスマホです。家にいるときの使用頻度は高いので、どんどんパーソナライズされています。Instagram、TikTok、YouTubeなどのアプリを使いこなして、お気に入りの動画を友達と共有して楽しんでいます。その過程で音楽に接しているのです。

勉強したり、なにか作業をするときに、Spotifyなどの音楽サブスクサービスを使って、お気に入り楽曲のプレイリストをひとり繰り返し聴いています。サブスクから曲を知ったりすることもあります。こうしてAirPodsはずっと耳に入っています。

大人だってスマホやPCを活用してもっと音楽を楽しむようになると思っています。自分が作ったプレイリストを披露しあって語り合うアプリ、バックミュージシャン、スタジオ名、エンジニアや制作エピソードなどを読みながら聴けるサービス、ファン同士アーティストの応援をもっと盛り上げる活動など、いままでになかった音楽の楽しみ方はすでに始まっています。

アーティストと同一空間を共有するライブイベントは格別な体験ですが、オンラインライブは直接会えていない分、オーディエンスとの双方向サービスやファン同士のコミュニケーション、限定販売やプレミアムサービスなど工夫を凝らしたものになっていくでしょう。

私としては、音楽をもっと深く楽しんでもらうために「高音質」な環境をリーズナブルにと考えていますがそれは今後の課題にしたいと思います。


2021-04-19

どんな時代でも変わらないもの

経営者の仕事には修羅場があります。何回も。当事者であり誰の助けもない。それでも自ら選択しなければならない。何が起こるかわからない激動の時代に対応するには「変わらない」ものを頼りにするしかありません。いま一度立ち返って、どうするか考える。

ここ数年、独り心を悩ませているときに頼りにしたのは仏教的なものでした。先祖から続いて今ここに自分が存在している事実。先祖もいろいろな人生を歩んだはずです。それを乗り越えて子孫があり今の自分がいる。心の持ちようを科学している仏教的思想には多くの助けをもらいました。

人生や仕事の悩みのほとんどが「対人関係」と言われています。お釈迦様の頃からもずっとそうだったのでしょう。悩みがなくなるということはないのも事実です。周囲は常に変化していますし、思った通りにいかないことが多いです。怒ったり、あきらめたり、悲しんだり、あがいたりしている自分がいます。

私は「7つの習慣」を35歳になって初めて読みました。20年前のことです。会社を立ち上げたばかりの頃、一緒に働く仲間たち全員で学びました。うまくいかないことだらけに加えて時間がない。コミュニケーションの時間を短縮する共通言語が欲しかった。ビジネススキルも同時に学んで、行動にスピードをつける必要があったのです。


「いまやることはなんだ」と自問したときに整理しやすくなりました。第一から第三までの習慣は自分の中のこと。第四から第六までの習慣は他人との協業のこと。第七は全体のこと。さすがに7つの言葉は覚えるようになったけれど、いまだにできていないと反省することも多い。

人も会社も「変わらないと」と言う人は多いです。そう簡単に変わらない。行動を変えて、それを習慣にしていかないと変わらないのです。「選択の時代」に、激動だ正念場だと言う前にまず自分をみつめ直しておこうと思います。

2021-04-14

ディスクレビュー本と音楽サブスク

良質なディスクレビュー本と音楽サブスクリプションサービスは相性がいいという話。昨日音楽好きメンバーが集って盛り上がりました。

特定のジャンルやアーティストを深耕する音源紹介のディスクレビュー本。WEBサイトにも同様のものがありますが、質の良い本は、レイアウト、文字の大きさ、テキストの量が程よく配置されていてストレスがなく、ページをめくるのが楽しいです。

「へえ、ちょっと聴いてみたいな」「ああ、これしばらく聴いていなかったな」「似たようなのないかな」と思った時に、ほとんど探せば見つかる音楽サブスクリプション。Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimited&HDといったサービスは、本を片手にそれこそ時を忘れて「音楽の旅」に出るのに適しています。

世界中の音楽好きが作成しているプレイリスト(お気に入り楽曲集)は、記事を読んだりしているときにかけておくと、またそこで発見がある。気に入ったプレイリストはスマホにダウンロードして移動中に聴くことで「やっぱり好きかも」という曲が見つかったり。そしてまたディスクレビュー本を開いて同じところを読み返したりしています。あー楽しい。




2021-04-11

文章を書くこと

先日友人から経営相談を受けました。事業内容や計画数字をきちんと作成して事前に送ってくれたので、課題そのものについてじっくり話をすることができました。その友人は小説の電子出版経験があったので「事業の思いを文章にしてはどうか」と提案しました。

事業説明は通常、写真や数字と短文箇条書きをスライドにして資料にまとめます。文字が多いことを良しとせず、早く読めてわかりやすいことが求められます。それはそれで必要なことなのですが、資料だけでは経営者の「人となり」が伝わってこないこともあります。

経営の過程で3ヶ月か半年に一度、自分がどのような想いでこの事業をやっているのかA4用紙1枚程度の文章を書いてみることをお薦めします。忙しいなかでもどこかで2〜3時間独りになる時間をつくって自分と向き合ってみるのです。

文章だけでなく、文字や数字を自ら書かない経営者やリーダーは案外多いです。言葉では伝えていると言うのですが結果的に伝わっていない。挙句半年前一年前と状況が変わっていないと嘆いているのです。誰よりも変わっていないのは自分だったりします。

アパレルのpatagoniaからたまにカタログが送られてきます。今はWEBサイトというツールが主流ですし、紙資源を使うのはもったいないと思います。しかしページを開くとそこには印象的な写真とともに割とぎっしり文章が書いてあります。しかも製品の説明ではなく、同社の姿勢とも思えることが多くの事例とともに独自の文章で語られています。patagoniaの製品を買うということにはそうした姿勢への共感も含めた行為なんだと思います。

経営者は、なぜこの仕事をやっていくのか、どうやってこの課題を乗り越えていくのか、自分の言葉で丁寧に語る必要がありますし、一緒に働く仲間もしっかり読んでフィードバックしていくことで前進していけるのだと思います。


2021-04-08

PCで使うツール

毎日使うPCのツールは、業務効率化はもちろん経営のスピードにも関わってくると思っています。ツールは道具なので、それを使えばいいというわけではないです。使い方を学ぶ必要もありますし、常にツールは進化しています。現時点、私がオススメするツールを挙げておきます。

すべてはGoogle Chrome(ブラウザ)上で動くものとします。PCの機種がWindowsでもMacでも関係なく、Google Chromeを立ち上げれば共通の環境ができます。機種交換してもまたログインするだけで自分の環境が瞬時に再現されます。

一緒に働くメンバーや関係者とはメールでやりとりしません。Slackを使います。特定のプロジェクトや課題などチームメンバーを限定して情報共有します。「おつかれさまです」とか「よろしくお願いします」は使わず、チャットのように会話します。ミーティングを待たずにここでどんどん会話していくことで、ミーティングの議題も絞ります。資料やホームページの共有もここでやります。

資料作成はGoogle Driveのスプレッドシート(表計算)ドキュメント(文書)スライド(プレゼン用資料)をを使います。クラウド上で作成してクラウド上で共有します。ワード/エクセル/パワポとほぼ同様のことができます。

お客様とのメールはGmailを使います。メールであればお客様がどんな環境でも読み書きできます。Gmailには大量のメールを効率化するためのノウハウが数多く反映されています。PC本体に保存するようなメールソフトは使いません。PCの容量や機種交換時の煩わしさから解放されます。

スケジュール管理はGoogleカレンダーです。メンバー共通のイベントを確認するために使ったりしますが、主に個人的な管理のために使っています。リマインダーやToDoリストといった備忘録としてもメモっています。

上記はすべてGoogle Chrome上で動き、スマホでもアプリをダウンロードすればあとはログインするだけで閲覧、編集、共有できます。スマホの機種交換時もログインするだけです。ほかにもFacebookなどSNSのメッセージ機能も知人との簡単な連絡に使っています。



2021-04-05

いい音で聴きたい 2

近所のオーディオショップにて「いい音で聴きたい」と相談していた方に思わぬ提案を受けました。「アンプを特注でつくってもらいますか?」。すでに同じメーカー製品の音は聴いていたので確信。発注しました。

幅は21.5センチと小型。シンプル。音は、凄い。こんな音生まれて初めてでした。いままでいろんなところで音を聴いてきましたが、まさか自分の部屋でこんな音を聴けるとは思っていませんでした。ガツン、ドシン、ブワーッ。よいギターをよいアンプで鳴らしたときのような音。このアンプを作った人にも興味津々です。

いま使用しているスピーカーは、30年近く前に購入したもの(パイオニアS-HE7)。スタジオで使っていそうな見た目が気に入って買ったものです。いろいろ劣化しているところもありますが、朗々と鳴ってくれています。


でもそろそろ疲れてきたこのスピーカーに代わるものを探しています。それをあの特注アンプで鳴らしたらどうなるんだろう。楽しみでしかたがない。

大量のCDライブラリ。音楽配信サービスでは配信されていない音源もあってまだCDプレイヤーは必要です。


ソニー SCD-XA5400ES。かつて高音質CDとして出回ったSACDも再生できる機種です。将来的には5.1chサラウンドシステムにHDMI接続して、SACDマルチチャンネルも楽しみたいと思っています。

実は、お気に入りのヘッドフォンがもうひとつあります。ULTRASONE Edition9(生産終了)。


ハードロック&ヘヴィメタルで育った私としてはこれほどのグイグイ来る再生音はほかにありません。このヘッドフォンが持つ構造や素材がもたらす奇跡的な音(特に低音)だと思います。定価23万円で購入当時は思い切ったことをしましたが、この音に出会えたことに感謝しています。

2021-04-04

いい音で聴きたい

私の音楽リスニング機材を紹介します。

オーディオは大好きです。中学生の頃から秋葉原に通って、暇な時間帯にオーディオ売場の店員さんにアンプ、スピーカー、チューナー、カセットデッキ、レコードプレーヤーなどの見積を作ってもらって遊んでいました(迷惑だったはず)。

その後、限られたお小遣いや収入はレコードやCD購入に充てられ、オーディオにはそれほどお金をかけないまま歳をとっていました。しかしサブスクリプションサービスの開始によってめっきりCDやダウンロードの数が少なくなってしまいました。週末になると必ず通っていたあのCDショップ通いの時期は遠い過去です。

コロナとStay Homeによってまた「いい音で聴きたい」熱が再開しました。家に数千枚あるCDを片っ端から聴く時間ができたことと家の近くにオーディオショップがあってよく行くようになったことがきっかけとなり、機材を揃えました。

構成は、PC→DAC(デジタル信号を質の良いアナログ信号に変換する装置)→ヘッドフォンです。PCのヘッドフォン端子につなげて聴くことでもOKですが、より「いい音」で聴くために必要な機材です。

家にあったPC(MacBook Air2013年モデル)。USBケーブルでDACとつなぎます。

PCの下に置いてあるDAC(TEAC UD-505)。ヘッドフォンアンプも兼ねているのでこれに好きなヘッドフォンを挿せばOK。DACは1万円くらいから買えますが、15万円以上になると多機能なだけでなく、やはり「いい音」がします。XLRケーブル(バランス接続)でヘッドフォンドライバーにつないでいます。

ヘッドフォンはSTAX SR-L700 MK2、そのヘッドフォンを鳴らすために必要なドライバーSTAX SRM-353X(生産終了)の組み合わせを使っています。私としてはこれはハイエンドです。中学生の頃から憧れだったSTAXです。合計で25万円もヘッドフォンにかけるのは普通ではないですが、かけただけのことはあります。あらゆるジャンルの音楽をあますことなく高精細に表現してくれます。

家のことを考えると大音量はヘッドフォンにならざるを得ないですし、夜聴くのであればなおさらです。でも本当は「いい音をスピーカーで聴きたい」です。自分にあったスピーカーを探しているところです。探すのもまた楽しいです。

2021-04-01

2021年春

新型コロナ感染者数は第4波に突入したとされ、ワクチン以外の対処も見つからないままです。飲食業やイベント業などリアル集客を前提としたビジネスにとって厳しい状況は続いています。

私自身、東日本大震災のときもそうでしたが、今回の世界的新型コロナウイルス感染症による被害もターニングポイントになりました。いままでの状況をリセットし、今後のビジネスを見据える必要に迫られたわけです。テンポ感を失ってなんとなく続けてしまうことはこれを機にやめて、デジタルシフトしやすくなった今こそ、自由自在をとりもどし新たなチームコラボレーションに向けて動き出すことにしました。

映像、音楽やゲームなどエンターテインメントの制作現場は、ユーザー環境の高画質化高音質化からのフィードバックを受けて、より進化することが求められています。リアルもデジタル化が進みペーパーレスはもちろんスマホやIoTデバイスによる効率化は、本来ユーザーがやりたいことに特化することを助けてくれます。

このターニングポイントを活かすことができればと思います。