2021-04-11

文章を書くこと

先日友人から経営相談を受けました。事業内容や計画数字をきちんと作成して事前に送ってくれたので、課題そのものについてじっくり話をすることができました。その友人は小説の電子出版経験があったので「事業の思いを文章にしてはどうか」と提案しました。

事業説明は通常、写真や数字と短文箇条書きをスライドにして資料にまとめます。文字が多いことを良しとせず、早く読めてわかりやすいことが求められます。それはそれで必要なことなのですが、資料だけでは経営者の「人となり」が伝わってこないこともあります。

経営の過程で3ヶ月か半年に一度、自分がどのような想いでこの事業をやっているのかA4用紙1枚程度の文章を書いてみることをお薦めします。忙しいなかでもどこかで2〜3時間独りになる時間をつくって自分と向き合ってみるのです。

文章だけでなく、文字や数字を自ら書かない経営者やリーダーは案外多いです。言葉では伝えていると言うのですが結果的に伝わっていない。挙句半年前一年前と状況が変わっていないと嘆いているのです。誰よりも変わっていないのは自分だったりします。

アパレルのpatagoniaからたまにカタログが送られてきます。今はWEBサイトというツールが主流ですし、紙資源を使うのはもったいないと思います。しかしページを開くとそこには印象的な写真とともに割とぎっしり文章が書いてあります。しかも製品の説明ではなく、同社の姿勢とも思えることが多くの事例とともに独自の文章で語られています。patagoniaの製品を買うということにはそうした姿勢への共感も含めた行為なんだと思います。

経営者は、なぜこの仕事をやっていくのか、どうやってこの課題を乗り越えていくのか、自分の言葉で丁寧に語る必要がありますし、一緒に働く仲間もしっかり読んでフィードバックしていくことで前進していけるのだと思います。


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