2024-04-16

サウンドデザイナーの清川さん

 

サウンドデザイナーの“清川進也”さんという方がいます。一瞬「私?」と思ってしまう一字違い、どころか0.5文字違い!?。3月末に放送されたNHKの「音恵〜オンケイ〜」という番組で知りました。マイクとレコーダーを持って町中華とボクシングジムに潜入。音をハンティングし、映像とともに編集するという僕にとってはとても興味深い内容。

町中華の厨房での「美味しそうな音」の捕獲では、食材を切る音、叩く音、中華鍋で調理する音をゲット。リズミカルで特徴的な音。プロボクサーのパンチ音、息のリズム、フットワーク音などどれも生々しい緊張感のある音。それらを嬉しそうにマイクに収める清川さんの表情がなんとも楽しそうで、フィールドレコーディング好きとしては大いにニコニコしてしまいました。名前が似ているだけでなく趣味も似ているかもなんて。

ふだん意識することのない、どうってことのない音でも、ちょっと意識して捉えると「ああ、いい音だな」って感じることがあります。風がそよぐようなほぼ無音という背景に、鳥のきれいなさえずりがひとつの線を描くといった対比があったり、遠くに聞こえる雑踏や地鳴りに躍動感を感じたり。僕がたまにやっている「ちょっとフィールドレコーディング」では、サンプリングのような単品の音ではなくて、周囲の音を含めてひとつの風景を成しているような映像のような感覚を楽しんでいます。

2024-04-12

Back Burner / Martin Budde

 

Martin Budde(マーティン・ブッデ)はアメリカのジャズギタリスト。シアトルを拠点に10年間くらいプロとして活動しています。レッスンでギターを教えたり、メリディアン・オデッセイというジャズグループの一員としてサイドマンとしても活躍するなど、実は多くのこうしたミュージシャンがジャズシーンを支えているんだなと思いました。

ジャケ写を見るとギブソンES-335をかかえているようで、その他の写真をみてもたぶんセミアコを使うことが多いようです。335といえばB.B.キングやラリー・カールトンの音が有名ですが、いい具合に歪ませてやるとギタリストにはたまらん音がします。2024年本作でもそんなギターのいい音がたっぷりと聴けるアルバムになっています。

ジャズしている曲もカッコいいのですが、今回はより聴きやすいポップスやロックを感じさせる曲をオススメしたいと思います。4.Eye to the Sky はメロディアスで口ずさめるような歌です。続く5.My Old Man もゆったりとした優しい曲。7.Consensus はノリのよいロックでちょっと楽しくなる。ギターのいい音をむずかしいこと抜きに、しかも高音質で楽しめるアルバムです。

2024-04-09

古都奈良

 

古都奈良を夫婦ふたりで旅行しました。

訪日外国人が多かった「春日大社」
修二会で有名な「二月堂」の手水
静かな「薬師寺」の塔のてっぺんの飾りの鳴る音

もうすぐ春、を感じる散歩になりました。

録音機材レコーダーはKORG MR-2 内蔵マイクにて収録
セッティングはMic Sens HIGH それ以外は全部Off
ファイル形式はWAV 24bit 192kHz ※SoundCloudにてダウンロード可

2024-04-05

Messengers in Jazz with Peter Bernstein at Termansens

 

Peter Bernstein(ピーター・バーンスタイン)はアメリカのジャズギタリスト。ジム・ホールに学び、数多くの有名ミュージシャンとの共演歴があります。2024年本作はデンマークのJazz&Bluesクラブ“Termansens”で行われたもののようで、アットホームで広くない会場の雰囲気を伝えてくれる僕の好きなライヴ録音です。

ピーターが使っているのは“ザイドラーのアーチトップ・ギター”というフルアコでとても味わいのある良い音がします。一聴オーソドックスなプレイスタイルながら音選びにハッとするフレーズがあり聴いていて楽しい。よくホーンライクなギターとかいいますが、弾いてみると隣り合う一音一音を違う弦で、しかもフルピッキングで弾いているわけで、そりゃもう難しいんです。

1.Simple as That からその“良い音”を存分に楽しめます。しかも軽々と弾いているように聴こえます。きっと実際に観たらのけぞってしまうと思います。3.Blood Moon Wolf Blues のブルースなんてこの音にぴったりの曲です。あぁ浸っていたい。5.This I Dig of You でのバンドメンバーの軽快なスイングからは聴衆のウキウキした気分が伝わってくるようです。「これぞジャズギターが聴きたい」と思ったらこのアルバムがオススメです。

2024-04-02

むぅ、CD機のトレイが閉まらない

 

先週耳の病気のことを話しましたが、今回は機器の病気=故障です。といっても軽度なもので、CDプレーヤーのトレイが閉まらない、というものでした。開くときは問題ないのですが、閉まらない(ことがある)んです。CDを聴くことには支障がなかったので放っておきました。さすがに閉まらない頻度が高くなってきて、なんか気持ち悪い。ちょっとかわいそう。

ソニー SCD-XA5400ES 15年以上の付き合い

WEBで修理を申し込み、自宅まで来てもらう出張修理扱いになりました。現象を確認して、目の前で手際よくフタを開けて部品のネジを外す。やっぱりCD開閉のためのゴムベルトの輪がひと回り大きくなっていました。さらに劣化するとトレイが開かなくなるそうです。そうなったら大変だ。交換して元に戻して完了。出張代技術料込みで2万円ちょっとでした。

ソニーはこうした単品のCDプレーヤー(しかもSACDが聴けるもの)をこの製品以降作っていません。代替品を探すとしても他社製品ですし、今のこうしたモデルはどれも高価。そこで愛着のある本機を今後も使い続けたいと思い立ち、修理に至りました。

気のせいだと思いますが、音がしっかりした気がします。気のせいです。でも気持ちがいいもんです。いまだにCDをかけることが多い僕としては仲良くしていきたいと思っています。


2024-03-29

The Sky Will Still Be There Tomorrow / Charles Lloyd Quartet

 

Charles Lloyd(チャールス・ロイド)は御年86歳になるアメリカのサックス&フルート奏者。数多くのジャズレジェンドたちとの共演歴もあり、自身も「Forest Flower」(1968)など名盤を残しています。僕は2021年のアルバム「Tone Poem - Charles Lloyd & The Marvels」が好きで同年よく聴いていました。2024年の本作も聴いてみたら期待に違わぬアルバムなのでピックアップしました。

メンバーのジェイソン・モランP、ラリー・グレナディアB、ブライアン・ブレイドDrという名うてのミュージシャンたちを相手に、LPにして2枚組という作品を発表するというパワフルなレジェンド。最近サックス作品のレビューが続いていますが、これまた全く違うテイストで同じ楽器とは思えない印象に驚いています。

ロイド本人作曲の4.The Water Is Rising のような優しくて哀しみを感じさせるトーンが特徴です。続く5.Late Bloom ではフルートのハーモニーが幽玄さを表して旋律もちょっと日本的なところに親近感があります。バックメンバーとの演奏対比も楽しいところです。タイトル曲8.The Sky Will Still Be There Tomorrow でも吟遊詩人ロイドの味わい深いサックス音を堪能できます。熟練したかなり大人なアルバムですが、これを聴きながら花見なんぞゆったりしていいと思います。

2024-03-26

うぅ、右耳が聴こえづらい

 

からだの故障が頻度を増す年頃です。ある朝、右耳が詰まった感じがして「ああ始まっちゃったかな」としばらく放っておきました。音楽を聴くのが好きな身としてはこれが続くと辛いということで2週間くらい前に近所の耳鼻科に行きました。

例の無音室に入ってヘッドセットしてスイッチを押すテストをずいぶんと念入りにやってもらいました。診断は突発的な軽度の難聴です。診断当日かなりめまいがしたのでちょっとマズいなと思っていましたが、急な高血圧が影響したとのこと。有名なメニエール病は、これらの症状を反復するということで「可能性がある」程度の診断となりました。

実は40代くらいから数年おきにこの難聴症状は繰り返していて、もう4回目くらいです。なにが辛いって好きな音楽リスニングが気持ちよく味わえないこと。僕の場合は、主に低域が聴こえづらくなり詰まってしまうのです。もうひとつ辛いのは、イソソルビドというなんとも不味い薬を一日3回2週間飲み続けなければならないこと。初めて飲んだときにはあまりの不味さに毎回咳き込んでいました。

薬を飲み続けていれば自然と治る病気ですが、原因は不明です。喫煙せず暴飲暴食もせずストレスもない、となると老化かと勝手に思っています。音楽は健康でないと聴く気がしないということも実感しました。音楽リスニングのためにも健康維持は大切ですね。