2025-11-07

個人的に重要な曲の“男女時期差”

 

我が娘は大学生でもうすぐ19歳になります。つい最近「洋楽好きな友達と盛り上がったぁ」と、プレイリストを片っ端から聴かせてくれました。大雑把ですが、ブルーノ・マーズ、エド・シーラン、デュア・リパの楽曲が多かったかな。とにかく好きで繰り返し聴いては歌ったり踊ったりしているそうです。

先月下旬こんな記事を見つけました。“音楽が最も強く心に響く時期は性別で異なる 男性は16歳頃、女性は19歳頃 最新研究結果”。「10代から60代半ばまで11言語を話す84カ国・約2000人の参加者に『あなたにとって個人的に重要または意味のある音楽を1曲挙げてください』というシンプルな質問」によるものです。

一貫していたのは「女性は男性よりも遅い時期に音楽との深い結びつきを形成する」とのことで、さらに引用すると

思春期中期(おおよそ14~17歳)には、多くの若い男性がロックやメタルのような激しく反抗的なジャンルに惹かれます。こうした音楽的選択には明確な目的があるという。自立の確立、仲間集団との同調、そして親からの自立の表明が挙げられています。 〜中略〜 一方、女性は思春期において、より多様で感情的に多層的な方法で音楽と関わる傾向があるという。反抗や仲間との同調を主目的とするのではなく、若い女性は、感情表現、恋愛関係の整理、価値観の探求、社会的つながりの維持のために音楽に頼ることが多いという。 

僕が16歳というと1981年ですからまさに自分的にハードロック最盛期。 高校生から大学生へと向かって親からの自立を試みていたのかもしれません。バンドを組むことも仲間との同調であると。

19歳の娘は、大学のサークル活動で友達と過ごしては「楽しかったぁ」と帰って来る毎日。この生活を表現することと音楽体験がリンクしているんだと思います。我が家はたまたまこの研究結果と重なっていますが、同じようなことを感じる方は多いのではないでしょうか。

ちなみに娘は僕の影響もあってマイケル・ジャクソンやクイーンも好きで聴きますが、友達と盛り上がるのは近年のポップスであるようです。そして将来「よく聴いたわ〜」とブルーノ・マーズをかけては大学時代を思い出すことでしょう。

2025-10-31

Detour / Boz Scaggs

 

Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス)の有名なアルバム「シルク・ディグリーズ」(1976年)や「ミドル・マン」(1980年)は今でもたまに聴きたくなります。ジェフ・ポーカロのドラムスを聴きたいってのもありますが。そんなボズももう81歳。最近はブルースシンガーとしての魅力も聴かせてくれていますが、この2025年新作はなんとジャズシンガーなアルバムです。

リンダ・ロンシュタット、ポール・マッカトニー、ロッド・スチュワート、往年のジャズシンガーのトニー・ベネットと共演したレディー・ガガ、そして八代亜紀さんも実に味わい深いジャズアルバムを発表しています。実力あるシンガーであればジャズソングは作品に残したいのでしょうか。名バラードをはじめ様々なスタイルを歌い重ねてきたボズの歌唱はとにかく渋い!

たとえば2.Angel Eyes 、1946年マット・デニス作曲のスタンダード名曲ですが、歳を重ねた者だからこそ出せる哀愁を感じます。「いろいろあったよなぁ」なんてね。もうひとつマイナー調ですと8.The Meaning Of The Blues もしっとりとオススメです。自身の2ndアルバム(1969年)からの再録、5.I'll Be Long Gone もまるでスタンダードのように響きます。灯りをおとして、ホットウイスキーでも用意してぜひ。

2025-10-24

オーディオショウ2025

 

今年も行ってまいりました「2025東京インターナショナルオーディオショウ」。2023年2024年と東京国際フォーラムにて開催。海外メーカーを中心に高級オーディオの音が聴ける楽しみなイベントです。

2025TIAS 事前登録で無料入場

僕が試聴した部屋でも背の高い大きなスピーカーで2000万、リビングに置けそうなサイズで300万とまぁそりゃ“高級”なモノで、やはりきちんとセッティング調整された音は惚れ惚れする良い音でした。すべての音がくっきりとして奥行きもあり、高域は澄み切って高く、低域は膨らまず沈み込んで、なにより余裕が違います。スピーカーだけでなくアンプやプレイヤー、周辺機器の総合力で圧倒的であります。

こうして聴けるのであれば、ぜひ音楽ファンのみなさんにも一度は聴いてほしい。買う買わない、共感するしないに関わらず、音楽を鳴らす装置としてこんな世界があるんだという体験は無駄ではないと思います。

我が家のスピーカーはJBL、ということでハーマンの会場でハイエンド機種「Summitシリーズ」も聴いてきました(ブックシェルフのAma)。濃密で高精細な音でした。丁寧に作られた製品であることが音に現れていました。

家に帰って試聴でかかった曲を探すのもまた楽しい。で、我が家のスピーカー(20万しない)で聴いてみると、贔屓たっぷりでしょうが、朗々と“いい音”で鳴ってくれるんです。そりゃ部屋も周辺機器も違いますからスピーカーだけの話ではないのですが、それにしてもです。オーディオってやっぱり自己満足な趣味だなぁとつくづく思います。

2025-10-17

My Life Matters / Johnathan Blake

 

Johnathan Blake(ジョナサン・ブレイク)はアメリカのジャズドラマー。前作(2023年)に続いてブルーノートからの2025年新作となります。参加メンバーは、デイナ・スティーヴンスAs、ジェイレン・ベイカーVib、ファビアン・アルマザンP、デズロン・ダグラスB。共同プロデュースにデリック・ホッジを迎えています。

1.Broken Drum Circle for the Forsaken のドラムスでも特徴的なのがスネアのパーカッシブな連打による表現。ロックのドラムスがスネアとバスドラとハイハットによるリズムキープを中心としているのに対して、ジャズのドラムスはシンバルでリズムキープして、スネアやバスドラはパーカッションのように装飾していくようなイメージがあります(全てではありません)。音階をもたない楽器でありながら、まるでメロディやコード進行を展開していくかのようなジョナサンのプレイに耳を奪われます。

緊張感のあるヴィブラフォンで始まる2.Last Breath や7.My Life Matters でも重心が下のほうにあってけして軽く流されないドラムスが聴けます。デリック・ホッジの過去のアルバムからも感じられた新時代のフュージョンなのではないかと。短いながら壮絶なドラムソロ8.Can You Hear Me? (The Talking Drums Have Not Stopped) も必聴です。



2025-10-10

ACアダプタをDC POWER BOXに


“音楽ストリーミング(サブスク)をできるだけ良い音で聴きたい”との思いで、QobuzにしたりMacを音楽特化したり光アイソレーションしたりしてきました。

そしていよいよ電源に及んでしまいました。今回は光アイソレーションのOPT ISO BOXの電源をオーディオグレードにしてみました。

左端のBOXに付属していたACアダプタ(中央)を右のDC POWER BOXに交換、デカっ!

なんでも小さなACアダプタによる「スイッチング電源」を、トランスを積んだ「リニア電源」にすることで機器本来のパフォーマンスを引き出せるとのことで、TOP WING社製「DC POWER BOX」(12V/5A、税込55,000円)を奮発してやりました。

音質はというと、一聴少しおとなしくなった(派手さがない?)と思わせましたが、実のところは、低域のボワッとした贅肉感は無くなり、より深く沈み込んでリアル感を増した感があります。高域もよりくっきりしてむやみに拡がらず出音に余裕を感じます。これが5A対応で2A分を使うという贅沢なのでしょうか。ストリーミング音源だから仕方がない、なんていうレベルの音質ではなくなりました。

オーディオ界隈では「実は電源の音を聴いている」なんて話もあるくらいでとにかく電源まわりは大事のようです。ほんとうはMacの電源アダプタをなんとかしたいのですがこれをなんとかするくらいならストリーミング専用機を買ったほうがいいかも、いやその前にルーターやハブまわりをなんとかしたほうがいいとか、あぁきりがない。

よりによって、このDC POWER BOXと機器をつなぐDCケーブルもより高品質なものが発売されるとのことで、こうなったらそこまでは付き合うか、という沼ずぶずぶ中であります。

2025-10-03

Without Further Ado, Vol 1 / Christian McBride

 

Christian McBride(クリスチャン・マクブライド)はアメリカのジャズベーシスト、作曲家。リーダー、サポート作ともに数多く、アメリカを代表するミュージシャンです。ニューポート・ジャズ・フェスティバルの芸術監督を創始者から引き継いだり、国立ジャズ博物館の共同館長に招聘されたりと文化の継承についても活躍されています。

2025年本作の目玉はゲストヴォーカリスト。なんと1.Murder by Numbers はスティングVo.&アンディ・サマーズGですよ。スチュワートはジョインしないですわね笑。ポリス時代の曲でこのアルバムの中でイチオシです(アンディのギターソロがすごくイイ)。続く2.Back In Love Again はジェフリー・オズボーンVo.でJB(ジェイムス・ブラウン)っぽいリズムのファンクがゴキゲン。なんでもクリスチャンはJBマニアでコレクター。日本にも山下達郎さんというJBコレクターがいらっしゃいますが。

そのあとも3.Old Folks サマラ・ジョイVo.、4.Moanin' ホセ・ジェイムスVo.、5.All Through The Night セシル・マクロリン・サルヴァントVo.、6.Will You Still Love Me Tomorrow ダイアン・リーヴスVo.とこれでもかと名ヴォーカリストが続きます。しかも僕が好きなミュージシャンばかり。いやはや盛り上がります。8曲で37分のアルバムであっという間に聴き終わってしまいます。また1曲目から聴きたくなりますよ。

2025-09-26

雑誌「Beat Sound」

 

高級オーディオを紹介するステレオサウンド誌の別冊として「Beat Sound」は2003年から2011年までほぼ季刊で18冊発行されました。2000年なんてつい最近のことだと思い込んでいましたがもう25年も経ってしまったのですね。あーなんと早いこと。

初期の数冊が欠けていたので集めちゃいました。断捨離後の生き残りです。

表紙には“ロックとオーディオの楽しい関係”、“リアル・タイム・ハイファイ・マガジン”、“ロック世代のサウンド・マガジン”なんて文字が並びます。あくまでオーディオは聴くための道具、ロックのパッケージソフトを中心に紹介しているところが良かったので購読していました。

名盤をLP、CD(発売年、リマスタリングそれぞれ)、SACD、DVDオーディオで聴き比べてみて筆者のおすすめ、なんて当時らしいマニアックな記事もあります。LP圧勝かと思いきや作品によってはCDのほうが音が良いこともあったり。LPは各国盤、CDはリマスタリング前と後についても言及しているのは肝心なところです。

掲載されているオーディオや広告も時代を感じるものばかり。僕自身仕事も関係して映像と音楽がともにあった時間が長いので、そこから派生していまだにサラウンドとかやっているんだなと。往年のオーディオファンというよりも、いろいろなメディアを楽しむ世代なんだなとつくづく思いました。

2020年代になって、全体的にはストリーミングに収斂してしまいました。音楽はもちろん、映像もネット映画ドラマやYouTubeで観る時代。便利さを追求したらこうなりますわな。我が家の棚にある大量のCDやDVD、果てはレーザーディスクまで、父はどうしてこんなに貯めちゃったのだろうと娘は思うでしょう。しかも同じアルバムをなんで複数枚も買ったのだろうと。
...えーい、先のことは考えるまい...。