「C案」の見つけ方について2022年春、東急ハンズを買収完了したカインズの例で見てみたいと思います。カインズはあのワークマンを中核にもつベイシアグループの企業で234店舗、5,158億円の売上高でホームセンターのトップです。ハンズは国内78店舗、514億円の売上高です。郊外型のカインズに対しハンズは都心を中心に店舗展開しており、事業環境は大きく違っていました。
「ハンズに行けばあるんじゃない」と私が学生の頃から渋谷店には行っていましたし、娘の代になっても同様の印象でした。しかし近隣にロフトや無印良品などができて以前ほどの頻度はなくなっていました。たとえば気に入ったものの探しやすさ、買い物のしやすさの点でハンズは劣っていたように思います。買いたいものが決まっている目的買いで使うことのほうが多かった。であればインターネットで買っても同じかと。
新生ハンズのドキュメンタリー番組(ガイアの夜明け)を観ました。そこにはハンズの社員が「強み」について議論する姿がありました。両社の社員が互いの店舗を研究して理解し合う姿もありました。そして命題は「新生ハンズ」を作り上げること。そこでカインズの社長が示した方針は“来客者の体験”でした。たとえば壁一面埋め尽くされた圧倒的な品揃え、ハッシュタグのように気づきを与える商品紹介、ペンの書き心地をさまざまな紙質で行えるコーナーなど。
従来のハンズのやり方でもなく、カインズのやり方でもない、“来客者の体験”に焦点を絞って「C案」をイチから作り上げていったのです。よってカインズ初の都心型店(新宿)のほうも郊外型にはないアイデアで店舗を作っています。チャレンジは始まったばかりでクリエイティブはまだまだこれからだと思いますが、ここには「C案」をつくるヒントがあると思います。
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