2023-08-16

Green on the Scene / Nick Green

 

Nick Green(ニック・グリーン)はニューヨーク・ブルックリン生まれ育ちのアルトサックス奏者。2023年の本作がファーストアルバムとのことで期待の若手なのですが、演奏は伝統的なバップを快調に聴かせてくれます。新録でこれほどド直球なバップを聴くことはないのでそこが新鮮ですし、NYっ子らしいなあと思いました。

アルトサックスというとやはりチャーリー・パーカーでしょう。ウネウネ上下する音のつながりは楽しいですが途中でちょっと酔ってくる。僕としてはアート・ペッパーやキャノンボール・アダレイあたりの時折見せる優しい音色と饒舌に吹きまくるのを混ぜたような演奏が好きです。その点ニック・グリーンの演奏はとてもいいサウンドで正統派ハードバップであることもなぜか安心させてくれます。

本当に新作だよねと確かめたくなる1.Red Cross から勢いよくハードバップしています。ミュートトランペットも出てきてニンマリ。3.Horizons なんてアート・ブレイキーを思わせる良きスイング。腕利きのリズム隊がニックのアルトを引き立てます。4.A Handful Of Starsのバラードではアルトのとろけるようなフレージングを甘い音で奏でてくれます。


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