2023-06-09

Sex & Religion / Steve Vai(VAI)

 

スティーヴ・ヴァイが「VAI」バンド名義で1993年に発表したアルバム。メンバーはギターも弾ける当時無名の天才Vo.デヴィン・タウンゼンド、スーパーファンクベーシストのT.M.スティーヴンス、ドラムスはジェフ・ベックのアルバムにも参加のこれまた天才テリー・ボジオという豪華布陣。演奏力が物凄いわけですが、このメンバーでないと演奏できなかったかも。

ヴァイとボジオはあのフランク・ザッパのバンドで鍛えられた門下生。ポップな曲もありながら奇妙で複雑を極めた曲や、どこからその音出してきたかという意表をつく展開で楽曲の完成度がとにかく高い。ヴァイがスーパーギタリストなだけでなくスーパー作曲家であることも証明してみせました。のちのメタル系やプログレ系ミュージシャンにも影響を与えたアルバムだと思います。

典型的な曲から紹介しましょう。10.Pig を聴いてみてください。ギターをコピーする気になれません。リズムも難しくてこのノリを出すのは至難の業です。いろいろ超越した曲です。この世界観がOKなら6.Dirty Black Hole もついてこれると思います。ちょっと無理という人は比較的キャッチーな2.Here & Now や4.Still My Bleeding Heart であれば親しめると思い...ます。


2023-06-08

僕の「低音」

 

僕にとっての「低音」。幼き日のクラシックコンサートでのティンパニとコントラバスのヒット。バンドでライヴや練習をしたときのバスドラのキック音。スタックのマーシャルアンプでボリュームを上げてエレキギターの6弦を刻む歪み音。某芝浦のディスコで改造した床から腹に伝わってくる音。数々のライヴたとえばフジロックのグリーンステージのど真ん前で浴びたPA音。ジャズクラブでのウッドベースの生音、そんな音の記憶が「体」に残っていると思います。

自宅のスピーカーやヘッドフォンで聴くときには、生そのものの音を再現するのは無理なので、聴いている音の延長線上にあの記憶の音をイメージできるかどうかを確かめているような気がします。

しかも単に低音が強調されていればいいのではなく、ミュージシャンの表現意図を感じられるかどうか。結果としてその低音が音楽の迫力や興奮に直結したところで「おおーこれこれ」ってなるわけです。

音の記憶は人それぞれ違うので、人によって低音の感じ方も違って当たり前です。もちろん低音だけでなくヴォーカルなどの中域や高音も求めている音は人それぞれなのでしょう。だからヘッドフォンもイヤフォンもあれだけ多品種なわけです。選ぶのが大変ですね。


2023-06-07

In What Direction Are You Headed? / Joe Farnsworth

 

Joe Farnsworth(ジョー・ファンスワース)は、アメリカのジャズドラマー。スモールズでのジョージ・コールマンのライヴでも叩いていました。目立ったプレイこそありませんが、ジャズらしい王道なプレイが彼の持ち味です。そして今回も得意のSMOKE Sessionsから。毎回違った趣向の“今のジャズ”を高音質で楽しめる作品群でお気に入りです。

今回はのっけ(1.Terra Nova )から今のジャズギターのトップを走るカート・ローゼンウィンケルの浮遊感のあるフレーズから始まります。以降もカートの印象的な音色とフレーズが光るライヴになっています。

オススメは、スリリングな2.Filters でのサックスとギターの同時ソロ。普通ソロは交互にやるものですが、被りまくり。カートの音色のせいかこれもアリだなと思わせます。6.Safe Corners もカートの作品らしい不思議な曲。僕の好きなアラン・ホールズワースを思わせるトーンとフレーズで頷いてしまいます。7.Bobby No Bags でのジョーのスイングに彼らしさが出ていると思います。


2023-06-06

Diary Of A Mad Band / Jodeci

 

Jodeci(ジョデシィ)はアメリカのR&Bグループ4人組。メインVo.のK-CiとJoJoのヘイリー兄弟の濃い味歌いっぷりは圧巻で、のちにK-Ci&JoJoというデュオになっても買い続けてよく聴きました。スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイに始まった僕のR&Bソウル好きは90年代に多くのCDを集めるに至りました。

この1993年の2ndアルバムは前半スロー後半ダンスナンバーという構成で彼らのコーラスグループとしての持ち味が充分に味わえ、サウンドメイキングがカッコイイ。たぶんメンバーのDeVante Swingのチカラによるものでしょう。ライバルだったBoyz II Menが優等生なイメージなのに対し、彼らのストリート感あふれるワイルドさが良かったです。

シングルカットのスロー2.Cry For You のコーラスに移る展開がたまりません。ドラマチック展開に気分があがる4.What About Us 。なんといってもスティーヴィーの名曲を濃く歌った7.Lately もサイコー。10.In The Meanwhile ではティンバランド参加でさすがのビートを聴かせてくれます。


2023-06-05

ビジョンをチームに浸透させる

 

MVVは作ってホームページに載せたらおしまい、ではなくいかに浸透させるかが課題です。特に社長が言行一致していないと、スタッフはじめ全てのステークホルダーは「な〜んだ」ってことになります。まずはスタッフ全員集めて宣言し、お客様との打ち合わせでも時間をもらって自分の言葉で説明するところから始まります。

で、説明すると「あー、そうですか」的な反応だと思いますが、そんなもんです。社長および経営陣の行動力が試されています。ホームページだけでなくパンフレット、提案書、オフィスの壁面などスタッフの目に触れるところに表記していきます。ミーティングの始めにMVVのひとつをリーダーが唱えるなんてことも必要かもしれません。

MVVに沿った行動になっているかを人事評価に加えることも検討すべきでしょう。ある「結果」をもたらしたのは、「プロセス(行動)の積み重ね」です。そのプロセスを評価するにあたり、自分の行動がMVVにどうリンクしているかを聞きます。結果と違って正解はないので難しいですが話し合うことが大切です。

評価のためにも日頃の1on1ミーティングで、MVVを言葉にして会話に挟んだり、つながる行動を褒めていくことです。スタッフもそれぞれやりたいことはあるはずですが、それがどうMVVにつながっているかを確認して判断し、軌道修正していくこともリーダーの役目です。まぁ根気ってことですかね。

2023-06-02

Secret Story / Pat Metheny

 

Pat Metheny(パット・メセニー)個人名義での1992年作。パット・メセニー・グループは主にKey.のライル・メイズとのバンドで今作にはライルがいない、なんて話はファン以外には関係ない。とにかく多数のミュージシャンとオーケストラでものすごい大作を作り上げてしまったという作品です。以後のアルバムでもギターとかジャズとかで括れないパット・メセニー・ミュージックを発表していくことになります。

1989年の「Letter From Home」というトップランクに聴いたアルバムで完全にファンになっていたところに、こんな大傑作を聴いてしまい一生ものの音楽に出会った感が強くありました。言うまでもなく彼の作品と彼が参加するほかのミュージシャンのアルバムも集めることに。ライヴもグループだけでなく、ブルーノートでの小編成を間近に観たりしました。

本作も通しで聴くものですが紹介しますと、1.Above the Treetops ではカンボジア宮廷音楽といわれるメロディーで始まった途端、見知らぬ海外に連れて行かれ、2.Facing West で旅路をワクワク進んでいきます。不思議な街や祭り、ちょっとした旅の休憩、夜の眠り...など僕は勝手に想像しながら聴いています。好きな曲は8.Always and Forever と13.Tell Her You Saw Me のバラード。心にしみる愛に溢れたサウンドだと思います。14.Not to Be Forgotten (Our Final Hour)で旅の終わりの余韻を感じさせてくれます。(15以降はボーナストラックです)


2023-06-01

「低音」を効かせて聴かせる

 

そういえばウォークマンだけでなくミニコンポなんかにも低音増強スイッチが付いていました。僕が最初に買ったOnkyoのプリメインアンプにもラウドネス・スイッチが付いていて、小さなボリュームで聴いているときでも低音がある程度しっかり聞こえるようになっていたのです。ボリューム上げてもスイッチONのままだとグングン来てよかったりして。

ヘッドフォンも低音強調モデルがあったり、CDショップの試聴機のヘッドフォンは過多な低音で、そのほうが売れると判断したのでしょう。CDショップがストリーミングになり、最近のヒットチャートやダンスミュージックを聴いたりするとびっくりするくらいの低音が鳴っています。作り手がスマホ+ワイヤレスイヤフォンとかBluetoothスピーカーなどでリスナーが聴くことを想定して、難聴対策や小型スピーカーでボリュームが小さくなっても、ある程度音楽の迫力を伝える工夫なんだと思います。

僕のCD棚にもヒップホップやダンスミュージックが多くありまして、やはりこの手の音楽は低音がしっかり出ていないとつまらない。この歳になってやっとまともなシステムと時間を確保できたので、加工することなく「本来の」低音を味わう楽しみを知り始めたところです。