Dara Tucker(ダラ・タッカー)はアメリカのシンガー・ソングライター。2009年の1stアルバムから2023年本作は5作目。ジャズギタリストのピーター・バーンスタインやチャーリー・ハンターなどと共演していたりしてベテランと言えます。幼少期のほとんどを家族と一緒に歌いながら国中を旅したという彼女は、フリーランスのドキュメンタリー映画製作者でもあるそうです。
彼女の声に惹かれたのは、ゴスペルをベースにした深い歌唱と高くも低くもない耳に心地よい歌声だからです。幼い頃から歌いこんでいるからこその父や母、スティーヴィー・ワンダーなどから音楽的影響を受けたというのも頷けます。このアルバムではバックのミュージシャンは控えめに、彼女の歌声を引き立たせて、気持ちのよいサウンドを聴かせてくれます。
僕が好きなグレゴリー・ポーターのオープニングアクトを務めたとありますが、アルバム全般から彼のアルバムに感じたものと同様の印象があります。心地よいリムショットを刻む1.Scars から軽いテンポの気持ちよい歌声が響きます。7.September Song でピアノをバックにフリーに歌う姿はジャズシンガーとしての力量を感じます。続く8.Standing On The Moon はちょっと難しい3拍子ですが、懐の深い歌いっぷりが聴けます。
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