2023-06-21

The Trio, Vol. 3 / Dave Bass

 

Dave Bass(デイヴ・ベース)はアメリカのジャズピアニスト。サブスクのニューリリースで知ったミュージシャンです。検索して経歴を読むと、手首を骨折してピアノを断念し、カリフォルニア州の副司法長官になったという弁護士時代があるとのことで、カムバックして70歳を超えた今はジャズピアニストに専念しているそうです。人生いろいろです。

この作品はいわゆる「ピアノトリオ」というスタイルで、あのビル・エヴァンスやキース・ジャレットをはじめ数多のジャズピアニストが名作を生み出しています。イメージとしては透き通るようなピアノサウンドにちょっと饒舌なベース、それらを静かに支えるドラムスでしょうか。最近はこうしたアルバムを聴いていなかったので久しぶりに良い音のピアノトリオを耳にして繰り返しています。

これぞセロニアス・モンクな2.Criss Cross のウォーキングベースと不協和音が楽しいです。スタンダード7.Israel ではビル・エヴァンスを思い出しつつ、これが2023年のピアノトリオの空気であると感じます。デイヴ・ベースはラテンが得意とのことで大御所アストル・ピアソラの11.Libertango をギターの入った彼のアレンジで。


2023-06-20

For Pleasure / OMAR

 

OMAR(オマー)の1994年作。1stの“There's Nothing Like This”や2nd“Music”も好きでよく聴いていました。歌い方、そしてピアノやパーカッションをこなすマルチ奏者であるところ、ソングライターであるところがスティーヴィー・ワンダーを思わせます。

なによりオリジナリティ溢れる楽曲が天才的で、スティーヴィーやプリンスに匹敵するアーティストが出てきたなと思いました。アナログシンセの音、ちょっとマシナリーなリズム感、独特のハーモニー、一筋縄ではいかない曲展開。このあとも作品を出すごとに洗練されていってOMARワールドは深まっていきます。

2.I'm Still Standing のリズム感を聴くと彼が英国出身なのも頷ける気がします。3.Saturday や7.Little Boy のウッドベース音は彼の得意とするところで、テクノ的なのにアコースティックな雰囲気を出す曲になっています。テクノ的といえば12.Making Sense of It は銘機ローランドTB-303(僕も所有)のベースラインそのものの曲で彼のサウンドの特徴でもあります。


2023-06-19

人様を評価なんてそんな

 

人事評価てったって、そもそも人様のことを評価なんかできるわきゃない。それでも人の成長が会社の成長につながるわけで、事業継続していくための経営には必要なのかもしれない。成長に応じて報酬もアップしたいですし、活躍できるポジションも用意したいと思うわけです。

評価には、結果を評価する目標管理と、行動プロセスを評価するコンピテンシー評価があります。会社のビジョンに向けて戦略を実行するにはどんな「目標」を立てるべきか、まずは自分なりに検討して上長に提示します。上長は方向がずれていないかチェックします。「コンピテンシー」は予め望まれる行動パターンと5段階評価を明文化してひとつひとつ丁寧に説明しておきます。

この「事前に」評価ポイントを共有しておくことが肝心です。評価する頃になって「実はここを見ていた」なんて後出しジャンケンはフェアではない。日頃の1on1ミーティングで社員が目標を達成できるように適切なフィードバックと具体的な支援アクションが上長であるマネジャーに求められます。

こうして自己評価を中心に組み立てていきます。マネジャーなど周りの人はいかに本人をサポートできているか、そして評価そのものが偏見になっていないかをほかのマネジャーと共有することが大切です。この評価決定ミーティングというのが体力と根気のいる仕事で社員が増えるほど大変になっていきます。少なくとも半期に一度(年2回)は覚悟して缶詰めになるしかないですね。

2023-06-16

Brother Sister / The Brand New Heavies

 

ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(The Brand New Heavies)の1994年リリース作。好物のファンクビートとジャジーな感じはジャミロクワイやインコグニートと一緒によく聴きました。特に好きなのはドラムの音とベースライン。元を辿ればやっぱりジェイムス・ブラウンです。当時はロンドンあたりからアシッドジャズとかレアグルーヴといった言葉でCDショップのPOPによく書いてあったものです。

実質1stアルバムの“The Brand New Heavies”は何も知らずにCDショップで買って「こりゃいい」となったのですが、2ndの“Heavy Rhyme Experience: Vol. 1”はいきなりヒップホップであまり聴かなかったな。今聴くとこれでカッコいいし彼らのビートへのこだわり志向がわかります。

3.Dream On Dreamer で「これだ!」とヤラれてしまう人が多いはず。続けざまに4.Midnight At the Oasis とくるわけですからノリノリです。ミドルテンポの7.Mind Trips のリズムやタワー・オブ・パワーな10.Snake Hips もメチャカッコいいです。最近聴いているラリー・ゴールディングスコリー・ウォンがやっていることを90年代からやっていたわけです。


2023-06-15

スピーカーを選ぶときは

 

昔からマイ・オーディオルームを持つのが夢でしたし今も諦めてはいないのですが、家族と過ごす時間も貴重と思うところがあって、オーディオはリビングに置いています。家族と一緒に食事したりテレビを観たりテレワークしたりする場所です。キッチンもあります。

テレビの下の台(ラック)にアンプやCDプレーヤーを置き、テレビを挟むようにして左右にスピーカーを置いています。リスニングポジションはそれらの前のソファです。家族と映画を観るために5.1chサラウンドシステム(スリムで廉価)も同居していて、オーディオ用のスピーカーのまわりにもなにかと立っています。

そんなわけで、普段スピーカーで鳴らすときは音量控えめです。小音量でも気持ちよく鳴ってくれて、まわりにちょっとくらいモノがあっても設置しやすい、そしてロックやジャズを楽しく鳴らしてくれるスピーカーということでJBL4309を1年ちょい前に導入しました。

JBL4309

導入にあたっては、近所のオーディオショップで知り合うことができたその道のプロに相談しました。僕の好きな音楽を把握されたうえで、上記のような生活にフィットするモノを提案していただきました。家族にも好評でいまやすっかり「このスピーカーにしてよかった」と思う日々です。ネットでなんでも買える時代ですが、数多ある機種の中から長年愛用する相棒を選ぶときは、その道のプロにちゃんと相談するのが良いと思っています。

おまけYouTube動画
「新旧JBLの聞き比べJBL 4301B VS 4309~と、いう建前でウチの事務所でダラダラ音楽を聴く回」


2023-06-14

Things Eternal / Dan Wilson

 

Dan Wilson(ダン・ウィルソン)はアメリカのジャズギタリスト。4枚目のアルバムとのことですがApple Musicのリコメンドで初めて知りました。一聴してジョージ・ベンソンばりのフルピッキングフレーズがうれしいジャズギターです。随所にR&Bソウルへの愛情も感じられる曲展開で気持ちよく聴いています。

ギターを弾く僕としてはギターアルバムだとつい聴いてしまいます。ジョージ・ベンソンも好きなギタリスト(ヴォーカルも好き)で、流れるようなレガートではなく、ピッキング多めで粒立ちがよく独特のタイム感で弾くスタイルは黒っぽさを感じてなんともカッコイイ。ウェス・モンゴメリーも同じくですが、親指弾きなので音がちょっと丸くて太い。

ちょっと泣かせる亡くなった師匠の留守電メッセージで始まる1.Sticology からカッコ良さ全開で途中のR&Bコーラスがいい。ビートルズの3.Eleanor Rigby やスティーヴィー・ワンダーの8.Smile Please 、スティングの12.Let Your Soul Be Your Pilot といったカヴァーを鼻歌交じりに楽しむのもいいかも。


2023-06-13

The Road to You / Pat Metheny Group

 

1993年に発表されたパット・メセニー・グループ(PMG)のライヴアルバム。PMG80年代三部作と呼ばれる「First Circle」「Still Life (Talking)」「Letter From Home」からの選曲となっています。どのアルバムも傑作&名盤で、このアルバムはさらにそのベスト盤という位置づけに感じました。全曲口ずさめるレベルで、最も聴いたライヴアルバムかもしれません。

92年の「Secret Story」という壮大な作品を紹介したばかりですが、この総括ライヴのあとに制作されたものだと思います。こうして僕の20代は家にいてもどこに行くにしてもメセニー必携時代でした。50代後半の今でもこうしてメセニーを聴き続けているわけですから大袈裟にいえば人生に欠かせない音楽になっています。

観客の大合唱から一気に盛り上がって1.Have You Heard が始まります。音質的にも特徴あるベース音やシンバルの細かい音が心地よく響きます。そして名曲2.First Circle 。人生を変えた曲と言ってもいいかもしれない。いろいろな人生ステージでこの曲をかけ、自分を鼓舞してきました。途中のライル・メイズのピアノで空を飛びます。この2曲でいきなりクライマックスなので3.The Road to You で落ち着きます。5.Last Train Home という名曲を知っている人は多いはず。出張帰りはいつもこれでした。6曲目以降のラテン展開もぜひ楽しんでいただきたい。ラストのバラード名曲11.Solo from "More Travels" は眠りにつくときに。映像DVD作品「More Travels」も大好きな美しい作品で繰り返しよく観ました。