2024-03-15

For All We Know / Jim Snidero

 

Jim Snidero(ジム・スナイデロ)はアメリカのサックス奏者。穐吉敏子さんのジャズオーケストラにも在籍していたベテランであり名手です。サックス教育者としても活躍していて教則本を出したりしているのでその界隈では有名な方だと思います。2024年の本作はピーター・ワシントンB、ジョー・ファーンズワースDrというこれまたベテランとのトリオ作品です。

サックストリオといえば、ソニー・ロリンズの「Night At The Village Vanguard」が有名でしょう。メロディもソロもサックス。ピアノもギターもいないのでベースやドラムスがソロを演っているときにはバッキングもない。音も個室でじっくり聴いているかのようで、トリオが一体となってジャズそのものにどっぷりと浸かることができるサウナ?みたいな感じかもしれません。無性に聴きたくなることがあるアルバムです。

ジム・スナイデロの本作もそんな作品になっています。静かなベースソロで始まるコルトレーンの2.Naima を聴けば、あぁサックスってこんなにいい音なんだなと思います。着色のないサックスそのものの音色です。コール・ポーターのスタンダード3.Love for Sale も軽快なスイングにサックスの音が響いて、曲の展開を楽しむことができます。同じく数多くの名作を生んだジャズスタンダードの7.My Funny Valentine も彼ならではのアレンジでまた新しい味わいを聴くことができます。こうして誰もが知るスタンダードを演奏することで、オーディエンスに新鮮さを感じさせるなんてかなりのハイテクだと思います。

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