2023-07-31

【実例】B社会見〜人の振り見て

 

ビッグモーター社の不正問題に関する創業社長の記者会見がありました。当事者ではない私が部分的な事象を知って不正を批判することはできません。不正は不正としてすべてを明らかにし、創業社長および経営陣はその責任を全うすべきと考えます。辞任だけでは済まされないでしょう。

こうしたブログを書いているので「社長」の事例として会見の印象を書きます。問題が明るみに出てから記者会見まで時間があったので、不正を起こした経緯を詳細に説明するのかと思っていましたが、内容はあまりに粗末に感じました。知らなかった、勝手にやっていた、ゴルフへの冒涜、新社長にまかせる、など本当に経営してきた人の言葉なのかと耳を疑う内容でした。会見質疑応答の最後にやっと自らの責任であると気づいたと発言。

中古車販売という既存の競合ひしめく業界を代表する業績をとるまでになり、オーナー社長は金持ちになり、それを社員は必死で守り、社長は不正を身から出た錆と思えず、あの会見に至る。この社長は一体何をしたくて会社経営らしきものをしてきたのでしょう。もしかして、わからないのかもしれません。欲しかったのは、ただ売上と利益という結果、なんてことかもしれません。その結果をもたらす内部ビジネスプロセス(バランス・スコアカード参照)での不正は聞こえないふりして。

人の振り見てと言いますが、社長というものは上意下達を免れぬ存在です。そして法人という社会的人格を存続するには「原則」があります。社長自らどこかでこの原則を外れてしまった場合に今回のようなことは起きます。これまでのブログでは私自身を律する意味でも原則の大切さを語ってきたつもりですし、娘にもそれを伝えておきたいと思います。

2023-07-28

Mezzanine / Massive Attack

 

Massive Attack(マッシヴ・アタック)といえば1998年の3作目本作という人は多いです。あまりに重厚でメタリックなサウンドで覆われていて、意識の奥底まで潜伏していくような、恐ろしささえ感じてしまうアルバムでした。だからこそ最もよく聴いた作品だったと思います。そしてマッシヴらしい1枚をどれかと尋ねられたらこのアルバムを推薦します。

今回の個性的女性ヴォーカルは3.Teardrop でのコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーで天使のような歌声を聴かせてくれています。サウンドを特徴づけているのはハードエッヂなギターです。サウンドメイキングや演奏が曲にマッチしていてすごく上手い。暴力的ともいえるベースサウンドと相まってとてつもない音世界を作り上げていました。ライヴを観に行くとそれが顕著で、会場全体が異様な高揚感に包まれていました。

不穏なベース音で始まる1.Angel からいきなり暗闇に引き込まれ、スネア1発で轟音ギターでおおおーっとなります。3.Teardrop では心臓を打つ低いベース音に天使の歌声が響きます。4.Inertia Creeps は夢の中からどこかアラブのような遠い世界に連れて行かれ、5.Exchange でやっと心地よい安堵感に包まれます。このアルバム集大成的な10.Group Four はそれこそライヴの演奏が圧巻でどこかに行ってしまいそうになります。ジャンルを超えた大傑作をぜひ通して聴いていただきたいと思います。※2018年リマスターではマッド・プロフェッサーのダブミックスが追加されていてそれも最高!


2023-07-27

5.1サラウンドもあります

 

音楽ライヴのDVDやBlu-rayも観ます。薄型テレビの音はHDMI端子のARC(Audio Return Channel)接続で5.1chサラウンドシステムにつなげています。20年前に買ったソニーのシステムですがAVアンプが壊れてしまったので、スピーカーとサブウーファーを流用しています。フロントLRとセンター、サラウンドLRの5本は同じもの。サブウーファーも小型スリムです。

流用しているスピーカー

買い替えたAVアンプもテレビの下に収まる薄型なもの。Blu-rayレコーダーと重ねて使っています。廉価なシステムですが、テレビ内蔵のスピーカーよりもやっぱり迫力があって、音楽も映画も没入感あります。リビングオーディオとしてHDMI&ARC接続は必要不可欠であると。

AVアンプとBlu-rayレコーダー

さらに我が家SACDプレイヤーにはHDMI出力端子がついていて、SACDサラウンド(マルチch)をDSDデジタル信号のままAVアンプで受け取って鳴らしてくれるのがポイントでして。サラウンド音源のあるSACD自体が少ないのですが、聴いたことのないジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアのギター音が聴けたりして楽しんでいます。おそらく昔の4チャンネルステレオ時代に録音してあった音源なのだと思います。だから何?ですが、ファンとしてはせっかく残されている音源だもの聴いてみたいわけです。

SACDプレイヤー ソニーSCD-XA5400ES

というわけで音楽ソフトを楽しむ環境はひととおり揃っています。ん?レコードプレーヤーがない?そうなんですよ〜〜。

2023-07-26

Mischief / Mark Guiliana

 

Mark Guiliana(マーク・ジュリアナ)はアメリカのドラマー。ブラッド・メルドーとの2014年のアルバム「Mehliana: Taming the Dragon」はメルドーの新境地を感じてよく聴いたのでそのドラムの印象が強く残っています。パートナーであるシンガー、グレッチェン・パーラトNYライヴにも参加していてこれもよく聴きました。

前作「the sound of listening」と同時期に録音されたもので、彼の得意とするエレクトリック(ダニー・マッキャスリンのアルバムでも発揮)を収録した前作に対し、今作は全編アコースティックです。ジャズが持っている「実験的」な面を体現していて、枠に収まらない彼の音楽性が感じられる作品になっています。

全体的にエコーの少ないデッドな音色でそこに生々しさを感じます。たとえば1.Mischief のベース音は目の前で弾いているかのよう。ドラムスのシンバルも近い近い。リハでのリラックスしたセッションを思わせる2.Confession #1 もジャズなんだけれど不思議なコード進行でカッコいい。6.Radio Carbon Dating App や7.Audience Américain はまさにマーク・ジュリアナ節ともいえる曲調でニンマリしてしまいます。


2023-07-25

Baduizm / Erykah Badu

 

エリカ・バドゥ(Erykah Badu)はアメリカのシンガー。ネオ・ソウルと呼ばれるヒップホップ、R&Bとジャズを組み合わせたミュージシャンの筆頭です。1997年の本作はデビュー・アルバムですがすでに貫禄があります。本作と同年に発表になった「ライヴ」も最高にクールで彼女の世界観を圧倒的な臨場感で表現しています。

サウンドは見事に僕のツボで、まず太いベース音、ジャズそのものの佇まい、ビリー・ホリデイ・リスペクトなヴォーカルなど今でもたまにかけては「やっぱりいい」と浸っています。このあとの4枚のスタジオアルバムももちろんよく聴きましたが、ブレない音楽性とチャレンジングな音作りに毎度感動させられています。

1.Rim Shot (Intro) からこのクールさ!冒頭のベース音をしっかり表現できる再生装置で聴きたいです。受け継ぐ2.On & On は彼女のテーマ曲と思えるヒット曲。7.Afro (Freestyle Skit) が彼女のシンガーとしての凄さを際立たせてくれます。そして8.Certainly のジャズのカッコよさったらこの上ない。ん〜でも全曲「やっぱりいい!」。


2023-07-24

新規事業をはじめるには

 

新規事業はちょっと思いつきで出来るものではありません。構想◯◯年とか言いますが、発起人がずっと長い間あたためてきたアイデアをやっと具現化するときが来たと始めることが多いと思います。その言い出しっぺたった一人の行動力にかかっています。実現するために人に会って話を聞いたり、その場所を何回も訪れてみたりしてずっとシミュレーションしてきているのです。

既存事業がうまくいかなくなったので新規事業の検討を始めるでは遅いということです。やるとすれば、新規事業をやってくれるパートナーを探すしかありません。そのパートナーはずっとアイデアをあたため行動してきた人なので実現可能性が高いでしょう。スタッフ、場所、資金はあとづけで考えます。

既存事業が盛り上がり収益に貢献しはじめたときこそが、新規事業の検討開始時期となります。スタッフや労働時間といった人的リソースの割合を、既存事業8割、新規事業2割だったものを新規事業8割〜7割に急転回します。既存事業は自動化と省力化、アウトソース化を徹底して推し進める必要があります。

現場からはきっとブーイングでしょう。いままでのやり方を変えたくない慣性の法則がはたらいていますから。既存事業が稼いでいるのだからと頭ごなしに否定してくるはずです。でも既存事業はやがて寿命を迎えます。競合は参入してくるし、ユーザーも飽きてくるし。ここは社長が宣言して方向を示すべきところなのです。

2023-07-21

Supa Dupa Fly / Missy Elliott

 

Missy Elliott(ミッシー・エリオット)はアメリカのラッパーでありミュージシャン。それまでのどのヒップホップやR&Bとも質感の違う新しい音楽を、盟友ティンバランドとともに発表し後続に大きな影響を与えたその最初のアルバムが1997年の本作です。CDショップのレコメンドで買ってきて「なんだこれ?変わってる」というのが第一印象でした。

この作品をきっかけにミッシーのアルバムはもちろん、ティンバランドの名前があったらそのCDを買っていました。シンコペーション多様のブツ切れリズムに、細かくハイハット的な高音がチキチキ入るのが特徴。様々な音楽の特徴を取り入れながらも独自のビートを生み出しました。そしてミッシーは女性のR&Bにあった歌姫的なイメージを覆し、さまざまなスタイルを生み出す先導者として多大なるリスペクトを受けています。

典型的なリズムは4.The Rain (Supa Dupa Fly) で、ミッシーのラップが他にはないもの。続く5.Beep Me 911 もティンバランド節全開です。バラードの10.Best Friends だって一筋縄ではいきません。ちょっと引っかかるリズムが印象的。戻って2.Hit Em Wit Da Hee や3.Sock It 2 Me を聴くと今現在の曲なんじゃないかと思ってしまうほどです。