2023-03-31

A New Flame / Simply Red

 

Simply Red(シンプリー・レッド)はVo.のMick Hucknall(ミック・ハックネル)を中心としたイギリスのバンドで、ミックの歌声のソウルフル度合いが頭抜けていてよく話題になりました。僕が持っている彼らのライヴビデオではドラムスが屋敷豪太さんだったりして、ソウル&グルーヴィなサウンドが好きでした。

このアルバムでは、ハロルド・メルヴィンの名曲「二人の絆(邦題)」9.If You Don't Know Me By Now のカヴァーがヒットして彼らも有名になりました。それまでの内省的で社会派なイメージから売れ線を狙ったと言われていますが、僕にはこのアルバム以降のサウンドが好みでした。

全曲を繰り返し聴いていたので捨て曲なしのアルバムですが、あえてオススメはスタートにふさわしい1.It’s Only Love 、ギターのカッティングが気持ち良い6.Turn It Up 、もちろん9の名演、ハイライトは10.Enough で曲の構成、コード感、なんと言ってもHeitor TPのギターソロが秀逸で気持ちいいったらありゃしない、彼らの曲で最も好きなナンバーです。


2023-03-30

どんな「顧客」を増やしたいか

 

経営者が最も関心の高いステークホルダーはやはり「顧客」です。ステークホルダーの方々にはその事業あるいは代表者である社長の「ファン」になってもらうのが肝心ですから、同様に顧客にもファンになってもらうようがんばるわけです。

商品やサービスを購入して利用してもらうだけでなく、ファンになってもらうことでリピートされ、ほかの顧客にもオススメしてくれるので、そこでやっとビジネスとして成り立つのです。ファンは「こういうのがほしい」「こうしてほしい」といった様々なフィードバックもしてくれるので、次なる商品やサービスの改善にも貢献してくれます。基本的な考え方です。

ミュージシャンやスポーツチームのファンとのコミュニケーションを参考にするとわかりやすいと思います。ライヴや試合だけでなく、ファンイベントを開催したり、動画やSNSを活用して舞台裏や素顔を伝えることで、継続的な関係を築いています。ファンは、ほかのファンに迷惑をかけないよう、節度ある振る舞いが求められます。ときにはファン同士で応援イベントを実施することもあります。

こうして顧客つまりファンとの良好な関係を築くことが、あらゆる商売のテーマになります。価格競争や大量消費の時代はとっくに過ぎて、顧客とのコミュニケーションをいかにマネジメントしていくかが重要なポイントになっているということです。

2023-03-29

The Winds of Change / Billy Childs

 

グラミー賞を多数受賞しているBilly Childs(ビリー・チャイルズ)の2023年最新作。僕は2017年の「Rebirth」で知ってとにかくヘヴィロテしました。ジャズはもちろんクラシックの要素も感じられる凛としたピアノで清々しい音。そして盛り上がってきたときの高揚感の凄みに虜になりました。

今回のドラマーはBrian Blade(ブライアン・ブレイド)というのも注目するところです。ウェイン・ショーターのライヴやノラ・ジョーンズのアルバムに参加しています。独特のヴォイスを持ったミュージシャンで、静寂でメロディアスであるかと思うと、電光石火、雷のような音を奏でます。今回は激しさはないですが、彼らしい音を随所に聴くことができます。

高揚感を味わえる1.The Great Western Loop 、ビリーのメロディセンスが光る3.The End of Innocence 、クラシカルで凛とした音の5.Crystal Silence を聴いてみてください。トランペッターのAmbrose Akinmusire(アンブローズ・アキンムシーレ)のプレイも味わい深いです。


2023-03-28

The Future / Guy

 

Guy(ガイ)を率いるテディ・ライリーは、マイケル・ジャクソンのアルバム「デンジャラス」を全面的にプロデュースしたり、ニュージャックスウィングという独自のサウンドで一世を風靡したミュージシャンです。

少しハネるようにスウィングするビートとソウルフルなコーラスにヒップホップを組み合わせた曲はカッコイイのひと言で、当時のブラックミュージックではこのサウンドを取り入れたアルバムが次から次へと登場しました。こうして新しいスタイルが世界で生まれ、当時の音楽シーンは常にワクワクしていた時期でもありました。

1.Her から2.Wanna Get With U への流れがカッコよくてしびれます。ニュージャックスウィングとはまさにこのサウンドです。4.Teddy's Jam 2 の高揚感、スローダウンして5.Let's Chill の癒やしの曲も彼らの得意技でした。

2023-03-27

「楽しく野球をしている」ということ

 

侍ジャパンWBC優勝、ドキドキハラハラの展開とドラマチックな結末でした。僕が印象に残ったのはダルビッシュ選手の「楽しく野球をしているところを、ファンの方々に見てもらうことがすごく大事」という言葉。

当事者ではないので本当のところはわからないのですが、野球を始めとするスポーツ全般は、厳しい練習に耐えて、人一倍がんばって、誰よりも良い結果を出すことが求められるものだと思います。自分のポジションを奪うかもしれない後輩が教えてほしいと来ても「ここまで来るのにどれだけ時間と忍耐を使ってきたと思ってるんだ」とばかり、自分でがんばることを強いてきたところがあるのではないかと。

ダルビッシュ選手は今回のWBCのもっと以前から、後輩に教えることを惜しげなく、自分が得た知見を共有してきました。技術的なことや精神面、体の使い方、食事などあらゆることについて、自分の試行錯誤の過程や相手の状況の観察を踏まえて、丁寧に説明してきました。

野球をプレーすることが好きなオタクとして、そのプロセスを楽しむということを彼は徹底し、ほかのメンバーにも影響の輪を拡げていました。結果は正直どうなるかわからない。打たれるときもある、打てないときもある、負けることもある。でもプロセスは全員が楽しむことができるんだということに今のスポーツ選手は気づいています。時代はよりよい方向に変わっているなと思います。

2023-03-24

25 Years Later / Blaze

 

ダンスミュージックのひとつのジャンル「ハウス」は、マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーといったソウルミュージックをよりダンサブルにソウルフルにして、ずっと浸っていたいと感じさせる音楽です。界隈のレコードやCDを買い漁ったものです。このBlaze(ブレイズ)もハウスを象徴するアーティストとしてほとんどのアルバムを収集しました。

1990年名門モータウンから発表したこのアルバムは、マルコムXを崇拝する青年を主人公にしたコンセプト・アルバムで、途中に入る会話もストリート感があって効果的。曲がどれも素晴らしくハウスだけでなくブラックミュージック全般の多彩な音楽をグイグイ聴かせてくれます。

オススメはこれぞハウスの3.So Special 、ノリノリで時代を感じる5.Miss My Love 、もろにマーヴィン・ゲイな13.I Wonder 、イチオシの曲でスティーヴィー・ワンダーな17.All That I Should Know ですが、最初から最後まで通しで聴くとブラックミュージックの美味しいところが味わえる名盤になっています。


2023-03-23

【実例】社長をやめてパン屋の店員に

 

将来これを読んでくれるであろう娘にとって、その時に応じた判断ができるようにと一般論が多くなってしまうブログですが、たまには実例を残しておきたいと思います。

2013年48歳のときにパン屋を開業しました。かつて衛星放送事業を共にした仕事仲間からの声掛けがきっかけとなり、パンを作っていた妻と3人で企画を出し合うところから始めました。

それまで、衛星放送や音楽ビジネスをやっていて、あるときは上場企業の社長も任されていました。それが突然「パン屋」ですから親も含めて周囲の仲間は“ひいて”いました。試行錯誤の振れ幅としてもずいぶん大きく振ったなと。

2011年震災が、地域との結びつき、「食」の大切さ、家族で過ごす時間を見つめ直す機会となりました。コワーキングスペース立ち上げ、農家さんとの会話、移住の検討などの試行錯誤を経て、ひとつの世界観を作り上げることができると思ったのが「パン屋」でした。

開業後も店員として店先に立ちました。飲食店運営の大変さを思い知り1ヶ月で9キロ痩せました。その後僕は店員から退きましたが、2023年現在も荻窪にて「パンとcafé えだおね」は地域の人気店として仲間が運営しています。

試行錯誤振れ幅の実例としては参考にならないかもですが、僕はこの振れ幅のおかげで、飲食店経営ノウハウを体得し、のちにミュージックレストランとして2軒の経営に携わることになります。かつてやっていた「音楽」と「食」を組み合わせた結果です。