2024-04-02

むぅ、CD機のトレイが閉まらない

 

先週耳の病気のことを話しましたが、今回は機器の病気=故障です。といっても軽度なもので、CDプレーヤーのトレイが閉まらない、というものでした。開くときは問題ないのですが、閉まらない(ことがある)んです。CDを聴くことには支障がなかったので放っておきました。さすがに閉まらない頻度が高くなってきて、なんか気持ち悪い。ちょっとかわいそう。

ソニー SCD-XA5400ES 15年以上の付き合い

WEBで修理を申し込み、自宅まで来てもらう出張修理扱いになりました。現象を確認して、目の前で手際よくフタを開けて部品のネジを外す。やっぱりCD開閉のためのゴムベルトの輪がひと回り大きくなっていました。さらに劣化するとトレイが開かなくなるそうです。そうなったら大変だ。交換して元に戻して完了。出張代技術料込みで2万円ちょっとでした。

ソニーはこうした単品のCDプレーヤー(しかもSACDが聴けるもの)をこの製品以降作っていません。代替品を探すとしても他社製品ですし、今のこうしたモデルはどれも高価。そこで愛着のある本機を今後も使い続けたいと思い立ち、修理に至りました。

気のせいだと思いますが、音がしっかりした気がします。気のせいです。でも気持ちがいいもんです。いまだにCDをかけることが多い僕としては仲良くしていきたいと思っています。


2024-03-29

The Sky Will Still Be There Tomorrow / Charles Lloyd Quartet

 

Charles Lloyd(チャールス・ロイド)は御年86歳になるアメリカのサックス&フルート奏者。数多くのジャズレジェンドたちとの共演歴もあり、自身も「Forest Flower」(1968)など名盤を残しています。僕は2021年のアルバム「Tone Poem - Charles Lloyd & The Marvels」が好きで同年よく聴いていました。2024年の本作も聴いてみたら期待に違わぬアルバムなのでピックアップしました。

メンバーのジェイソン・モランP、ラリー・グレナディアB、ブライアン・ブレイドDrという名うてのミュージシャンたちを相手に、LPにして2枚組という作品を発表するというパワフルなレジェンド。最近サックス作品のレビューが続いていますが、これまた全く違うテイストで同じ楽器とは思えない印象に驚いています。

ロイド本人作曲の4.The Water Is Rising のような優しくて哀しみを感じさせるトーンが特徴です。続く5.Late Bloom ではフルートのハーモニーが幽玄さを表して旋律もちょっと日本的なところに親近感があります。バックメンバーとの演奏対比も楽しいところです。タイトル曲8.The Sky Will Still Be There Tomorrow でも吟遊詩人ロイドの味わい深いサックス音を堪能できます。熟練したかなり大人なアルバムですが、これを聴きながら花見なんぞゆったりしていいと思います。

2024-03-26

うぅ、右耳が聴こえづらい

 

からだの故障が頻度を増す年頃です。ある朝、右耳が詰まった感じがして「ああ始まっちゃったかな」としばらく放っておきました。音楽を聴くのが好きな身としてはこれが続くと辛いということで2週間くらい前に近所の耳鼻科に行きました。

例の無音室に入ってヘッドセットしてスイッチを押すテストをずいぶんと念入りにやってもらいました。診断は突発的な軽度の難聴です。診断当日かなりめまいがしたのでちょっとマズいなと思っていましたが、急な高血圧が影響したとのこと。有名なメニエール病は、これらの症状を反復するということで「可能性がある」程度の診断となりました。

実は40代くらいから数年おきにこの難聴症状は繰り返していて、もう4回目くらいです。なにが辛いって好きな音楽リスニングが気持ちよく味わえないこと。僕の場合は、主に低域が聴こえづらくなり詰まってしまうのです。もうひとつ辛いのは、イソソルビドというなんとも不味い薬を一日3回2週間飲み続けなければならないこと。初めて飲んだときにはあまりの不味さに毎回咳き込んでいました。

薬を飲み続けていれば自然と治る病気ですが、原因は不明です。喫煙せず暴飲暴食もせずストレスもない、となると老化かと勝手に思っています。音楽は健康でないと聴く気がしないということも実感しました。音楽リスニングのためにも健康維持は大切ですね。

2024-03-22

Eagle's Point / Chris Potter

 

Chris Potter(クリス・ポッター)はアメリカのサックス奏者。パット・メセニーとの「The Unity Sessions」などで共演し映像も観ていたので、こうして音を聴くと彼が演奏している姿が目に浮かびます。メセニーとの共演で言えばマイケル・ブレッカーが筆頭ですが、その巨匠に全く劣ることのない大変な存在感を2024年本作でも聴かせてくれます。

まずは日本版ボーナストラックである9.All the Things You Are を聴いてください。無伴奏サックスソロです。サックスという楽器の音はこんなにも表情豊かです。低音のブォって音から高音の繊細な音まで余すことなく体の中心に向かってきます。そして彼のフレーズ。コード感をなんとか追いかけながら聴いていてもそのオリジナリティに圧倒されます。よそ見できません。BGMになんかなりません。他曲でこんな凄い演奏と一緒にプレイするなんてエラいことです。

だから伴奏も物凄いメンバーです。ブラッド・メルドーP、ジョン・パティトゥッチB、ブライアン・ブレイドDrです。これだけのメンバーで演奏しているのにクリスの音の存在感たるや全曲凄いです。リーダー作なんで当たり前かもですが。バスクラリネットを聴くことができる3.Indigo Ildikó やソプラノサックスのバラード5.Aria for Anna も聴きものです。全体としてはかなり大人なサウンドですが、聴き込まざるをえないアルバムになっています。

2024-03-19

「おげんさんのサブスク堂」を観て

 

先日NHK「おげんさんのサブスク堂」(星野源さんと音楽マニアでも有名な松重豊さんがレギュラー)の再放送を観ました。サブスクやレコード、CDで音楽を紹介するという、僕にとっては好企画な番組でした。ゲストに羽生結弦さんやYOASOBIのおふたりが出演する回があってどんな選曲をするのかちょっと興味深い内容でした。

へぇと思った点その1は、星野源さんと松重豊さんの私物のスマホから選曲して再生していたこと。(もちろん放送波には音源をしかるべきシステムで流していたと思います)つまり自分のスマホのライブラリからBluetoothで飛ばして再生するシーンを想定しているということです。仲間内で集まって「ねぇちょっとコレ聴いてみて」とやるときには、イマドキ老若男女こんな感じなんだと思います。

へぇと思った点その2は、YOASOBIのAyaseさんがめったにCDをかけない的なことを言っていたこと。つまりデジタル音源をハンドリングする日常なのでCDなどパッケージメディアに触れていないのです。CDをケースから出す動作でさえぎこちない。羽生結弦さんはレコードに針を落とすところを初めて見たと。音楽に携わる者&そうでない者にとって、おそらくそれが大多数なんだなぁと思った次第です。

前提としては、好きなように聴けばいいということです。正直多くのミュージシャンにとって儲からないサブスクも、ファンが増えてライヴ来場やグッズ購入につながるのであればそれでいいんだと思います。僕が日々楽しんでいるCDも娘にとっては無用になってしまうんだろうなと思っています。作り手と聴き手の間にいて仕事をしてきた僕としても、音楽をどう伝えていったらいいのかなんて考える番組でした。

2024-03-15

For All We Know / Jim Snidero

 

Jim Snidero(ジム・スナイデロ)はアメリカのサックス奏者。穐吉敏子さんのジャズオーケストラにも在籍していたベテランであり名手です。サックス教育者としても活躍していて教則本を出したりしているのでその界隈では有名な方だと思います。2024年の本作はピーター・ワシントンB、ジョー・ファーンズワースDrというこれまたベテランとのトリオ作品です。

サックストリオといえば、ソニー・ロリンズの「Night At The Village Vanguard」が有名でしょう。メロディもソロもサックス。ピアノもギターもいないのでベースやドラムスがソロを演っているときにはバッキングもない。音も個室でじっくり聴いているかのようで、トリオが一体となってジャズそのものにどっぷりと浸かることができるサウナ?みたいな感じかもしれません。無性に聴きたくなることがあるアルバムです。

ジム・スナイデロの本作もそんな作品になっています。静かなベースソロで始まるコルトレーンの2.Naima を聴けば、あぁサックスってこんなにいい音なんだなと思います。着色のないサックスそのものの音色です。コール・ポーターのスタンダード3.Love for Sale も軽快なスイングにサックスの音が響いて、曲の展開を楽しむことができます。同じく数多くの名作を生んだジャズスタンダードの7.My Funny Valentine も彼ならではのアレンジでまた新しい味わいを聴くことができます。こうして誰もが知るスタンダードを演奏することで、オーディエンスに新鮮さを感じさせるなんてかなりのハイテクだと思います。

2024-03-12

新しい曲とどうやって出会うか

 

初めて聴く曲や新譜をみなさんどんな方法で探して、出会っているんでしょうか。僕は昔はラジオ、雑誌、レコードCDショップといったところでした。雑誌は毎月何か買っていましたし、出かけるときには必ずといっていいほどCDショップに立ち寄っていました。それが気づけば雑誌買わない、ショップ行かない日々になって、新曲との出会いも減ってしまいました。

今はまずサブスク音楽配信です。知っているミュージシャンやバンドの名前から探して新譜や旧譜を聴くことが多いです。レーベルつながり、プロデューサーつながり、バックミュージシャンつながりとなるとGoogle検索してからたどり着くこともあります。サブスクに無ければYouTubeで探すことになります。そして結局CD棚の前に立っていたりしますが。

知らなかったミュージシャンとの出会いがサブスクの醍醐味だと思います。“プレイリスト”を順に再生して、気になる曲をチェック。あるいは“ニューリリース”のコーナーで、アルバムを再生してみて良かったらライブラリに登録。気に入ったアルバムは繰り返し聴いて「最近、聴いている音楽」でブログにしています。

最近復活したのはラジオ。聴き逃し/タイムフリーのラジオ配信です。パーソナリティの解説付きで「へぇそうなんだ」と興味をそそられるのが楽しい。ながら聞きしているので逃していることもありますが、放送した曲のリストが載っているのであとでサブスクで探したりすることもあります。でもまぁそんなに積極的にならず、ゆるいラジオに耳を委ねている時間っていいなと思うようになったということです。