2023-07-11

No Way Out / Puff Daddy & The Family

 

Puff Daddy(パフ・ダディ、ショーン・コムズ)はアメリカ、ニューヨークのヒップホップミュージシャン&プロデューサー。本作が発表された1997年あたりはヒットチャートの多くの曲が彼関連の曲で占められていました。盟友ノトーリアス・B.I.G.の暗殺死を悼んで製作された本作はヒット曲と話題に事欠かないアルバムですが、曲調はシリアスなものが多い印象です。

ヒットしたのは、ミーハーとも言われるサンプリングの大ネタ使いです。3.Been Around the World はデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」。12.I'll Be Missing You はポリスの「見つめていたい」です。ラジオでかかれば耳が持っていかれるわけで、ヒットして然るべきなのかもしれません。今ではさすがに難しいと思いますが。そういえば他作でレッド・ツェッペリンの「カシミール」をサンプリングして映画「ゴジラ」のサントラに入れたりしています。

よく聴いたのはヒット曲ではなく、ドラマチックで映画のような展開の2.Victory や、生ピアノとリズムのコンビネーションがかっこいい6.Do You Know? 、得意の「アハ、イェ」とクールなリズムが繰り返す8.It's All About the Benjamins 、9.Pain もピアノのサンプリングとのかっこいいパターンです。サウンドメイキングはさすがと言えるものでした。


2023-07-10

苦しいときは原則に立ち返る

 

人の悩みの多くが生老病死と対人関係だそうです。ビジネスは対人関係そのものですし収入に直結しますから日々悩まされます。私も奥歯を噛みしめるシーンが多かったので左右ともかなり傷んでしまいました。心配や心労が重なって睡眠不足になったり消化が悪かったりで健康にも影響大です。

悩んだとき、苦しいときは基本つまり原則に立ち返ることにしています。さまざまな事象に直面して混乱しているので、モグラ叩きに疲れてしまうからです。「7つの習慣」はそうしたときのツールです。第一の主体性がなければ第二の目的意識を持てないし、第三の優先事項も決められない。第一から第三ができていなければ、対人関係の第四から第六も成り立たない。多くの場合、原因は自分にあることに気づかされます。

7つの習慣を知っている人と話すとその専門用語だけで知識を共有できます。「信頼残高」「影響の輪」「刺激(スペース)反応」「第二領域」「農場の法則」「相互依存」「理解してから理解される」「No Deal」「三人による学習」「第三案」などなど。大きな石と小さな石の動画や子供の庭そうじ(デレゲーション)のエピソードも印象的です。ひとことで伝わるので、1on1ミーティングでも時短になります。

7つの習慣でなくても何でもいいんです。その人やそのチームなりの立ち返りツールがあれば。起きた事象ひとつひとつを批判したり落ち込んだりしていては疲弊するばかりです。原則に立ち返る方法を知っていれば「No Deal」という選択もすぐに決断できます。ちなみにビジネスだけでなく家庭でも使えるツールだと私は思っています。

2023-07-07

Travelling Without Moving / Jamiroquai

 

Jamiroquai(ジャミロクワイ)の1996年本作(3作目)は「世界一売れたファンクアルバムとしてギネス登録」だそうです。同じイギリス・ロンドン発のブラン・ニュー・ヘヴィーズインコグニートと並びよく聴きました。CDショップでもかなり推していた記憶です。MTV世代としても1.Virtual Insanity のビデオは何回観たことか。

1作目の「Emergency On Planet Earth」を輸入盤で購入したときは変わった風貌のミュージシャンが出てきたなと思っていたのですが、とにかくサウンドがカッコいい。特にベースライン強調のリズムは昨今のヒット曲に影響を与えているのではと思います。元はジェイムス・ブラウンなんですけど。

あまりに有名なアルバムなので勢いで全曲聴いてしまうと思いますが、彼らしいのはやはり1.Virtual Insanity でしょう。2.Cosmic Girl も大ヒット曲で最近の曲だと言ってもわからないくらい。スローナンバーの4.Everyday やディスコナンバーの5.Alright もベース曲の真骨頂。7.Drifting Along ではレゲエだってできちゃうんだぞとばかり。フェラーリで始まる10.Travelling Without Moving の高速ファンクもオススメ。


2023-07-06

唯一無二の密閉型ヘッドフォン

 

家の事情を考えるとヘッドフォンやイヤフォンにならざるを得ないわけですが、メリットもあります。それは複数機種で聴けること。設置場所の影響を受けず音楽に没頭できて、気分や好みに応じて聴く環境を変えられるのはうれしい。

僕はSTAXイヤースピーカーを空間表現の優れたまるで高級オーディオのような音として愛用していますが、たまには大音量でもっとガツンとくる音を聴きたいときがあります。元々メタラーですし、ダンスミュージックだって好きですから。そういうときはULTRASONE edition9 というドイツの密閉型ヘッドフォンを使用します。

ULTRASONE edition9

たとえばメタルのツーバス連打。普通のヘッドフォンなら低域が膨らんでちょっとボワボワっしてしまうところをedition9は膨らむことなくグリップの効いた低音でドカドカ迫ってきます。高域はクッキリと伝えてきて細かな音もしっかり聴き取れるのでスタジオ仕様のモニター的無味な音かというとそんなことはなく、音作りは積極的なノリを強調してくるのでリスニング的。長時間聴きには不向きですけど。

ほかにもいろいろなヘッドフォンを試しましたが、メタル最適&エレクトリックもグイグイの音は唯一無二。15年以上前に購入した限定生産モデルで、残念ながら新品はもう売っていません。大切に使っていきます。こうしてまったくキャラの違うオープン型のSTAXと密閉型のULTRASONE edition9を使い分けして楽しんでいます。

2023-07-05

I Want More / Donny McCaslin

 

Donny McCaslin(ダニー・マッキャスリン)はアメリカのジャズサックス奏者。マイケル・ブレッカーの後任としてステップス・アヘッドに加入したり、デヴィッド・ボウイの最後のアルバムでリーダーを努めたりしました。2023年本作の音からもわかるように実力派なだけでなくジャズ以外のファンの支持も得ているようです。

メンバーにマーク・ジュリアナ(ドラムス)がいるあたりがこのワンホーン・カルテットの傾向に影響を与えていると思われます。僕好みのエレクトロニカやロックっぽさを全面的に展開して、Apple MusicのDolby Atmos(空間オーディオ)で聴くと音が八方から降り注いだり移動したり。おっさんだから落ち着いたジャズがいいなんて決めつけずに、体を揺らすのもいいかと思います。そして普段ジャズを聴かない音楽ファンにも聴いてほしい。

1.Stria を聴けば「おっこれは今までにない感じだな」とすぐ気づくはずです。シンセ音だけでなくリズムも曲展開も新しさを感じます。今回は刺激の強いところを紹介しますと、4.Body Blow もバスバスきます。ドラムンベース的な。6.Turbo はダブステップ的な。サックスのインプロがとてもマッチしていて盛り上がります。マイルス先生、エレクトリックジャズはここまで来ましたよ。


2023-07-04

WATASHI / Sandii

 

Sandii(サンディー)は日本の女性シンガーで、80年代に久保田麻琴とのサンディー&ザ・サンセッツとしてYMOと同時に知りました。ソロになった1990年の「マーシー」からリズムもメロディーも新鮮でこれぞアジア音楽だと思って発表される作品をずっと追いかけていました。

1996年の本作ではソロの集大成としてよりパーソナルでアコースティックな曲になり、あたたかい気持ちでよく聴きました。古き良き日本のメロディやアジアンテイスト、ボサノヴァ&サンバが優しい音でほどよくブレンドされていて、ほかにはないサンディーさんのサウンドが繰り広げられています。

1.雪 / わたし は彼女の作品の中でも大好きな1曲で、かかっていなくてもたまに口ずさんでいます。9.サンビイニャ はサンバらしい曲かと思いきや途中にサンディーらしい哀愁のメロディを挟むあたりがニヤリと。作曲とベースに細野晴臣参加の11.ライフ ~THERE IS NOTHING HIGHER THAN YOUR LIFE~ はポジティブなメロディーのバックで鳴っている個性的な楽器たちに耳を傾けると面白い曲です。


2023-07-03

ビジネスするなら基礎から

 

新卒で電機メーカーに就職したメリットのひとつが新入社員研修です。にもかかわらず私は学生気分が抜けず、特に座学は真面目に受けていなかったことを今は反省しています。きっと大事なことを教えてくれていたと思います。給料をもらってかつノウハウも教えてもらうなんてテイク&テイクです。

挨拶や相手を尊重する行動、ルールや不正を防ぐことなどビジネスマナーはどの会社でも必須で、中途採用でも念を押しておく必要があります。言われなくても知っているでしょという過信はできない世の中です。教えてくれなくても自分で学習しておく態度も大事です。

さらに必須としたいのはビジネススキルです。ロジカルシンキング、マーケティング、アカウンティング(会計)の3つは基礎です。これに「7つの習慣」を加えておきたい。お客様と商談するにしても社内でミーティングするにしてもこれらの基礎を知らなければビジネスはできません。これらの基礎をやらずに精神論でミーティングしている会社のなんと多いことか。

前回のBSCで述べたように、社長が欲しがっている“利益”の源泉に「学習と成長の視点」があり、上記ビジネス基礎はそのひとつです。本来は社会人1年目で修得すべき知識です。基礎力は個人で1回本を読んだだけでは身につきません。ビジネスの現場で繰り返し実践することで腑に落ちていきます。ミーティングの会話が1年前と比べてずいぶん変わったなとなりたいものです。