2023-04-04

Passion and Warfare / Steve Vai

 

Steve Vai(スティーヴ・ヴァイ)との出会いは大学時代でした。衝撃の速弾きギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンの後任としてアルカトラスに加入した超絶テクニック系ギタリストとして知りました。同じ1984年に発表したデモテープのようなファースト・ソロアルバム「Flex-Able」に驚愕して先輩の家で何度もレコードを聴いたことを覚えています。

速弾きだけでなく、その風変わりなリズム感と音使い、独自のトレモロアームとハーモニクスを駆使した奏法など、どれもみな独特で一筋縄ではいかないギタリストが登場したもんだと。エドワード・ヴァン・ヘイレンやイングヴェイでギター奏法は出尽くしたと思っていた矢先に、別の方向から超越した宇宙人がやってきたような感じでした。彼の弾くギターを写真で見て、とても弾きやすそうだったので同じモデル(Ibanez JEM777)を買ってしまったほどです(現在も所有)。同じように弾けるわけではないのですが。

ハードロック系のギタリストとして語られることが多いスティーヴ・ヴァイですが、このソロ2作目の本作に収められた曲はアルバムジャケットのとおり極彩色で、完成度の高い作品だと思います。スタートアンセムの1.Liberty 、フランク・ザッパ門下生らしい2.Erotic Nightmares 、スティーヴお得意のメロディ続出の4.Answers 、名曲バラード7.For the Love of God は最後の盛り上がりでのギターが超絶、フィンガー・ピッキングもただものでないスピードナンバー8.The Audience Is Listening などギター・ミュージックを拡張した作品満載です。


2023-04-03

毎月「売上」をあげるには…

 

事業を継続するには、売上を毎月あげていく必要があります。支払は毎月やってくるからです。ここでやるべきは、ファンになってくれた顧客にさらに発注していただくか、ファンになってくれそうな顧客を紹介していただくか、です。

よく見込み客リストをつくり片っ端から連絡してみる、ということをやりますが、これはファンになるポイント、つまりビジョンや強み弱みが揉まれて、ファンの間で浸透し始めてから試行錯誤すべき戦術です。ただ闇雲にやっても効果は出ません。

既存顧客とのコミュニケーションについては検討する必要があります。7つの習慣の第5の習慣「理解してから理解される」のとおり、相手を充分に理解することが肝心です。顧客のおかれている環境、当社の利用体験、何を誰を見ているかなど観察すべきことは多いです。それをチームで共有することを徹底します。部下に任せて上司は知らないではファンはつくれません。

新規開拓はやらないという意味ではありません。新規に見込み客になるであろう人が、自社のホームページや商品・サービスを事前に調べたときに、興味をもっていただくよう準備をしておくということです。既存顧客とのコミュニケーションが充実していれば、自然とその準備は整いやすくなるでしょう。

2023-03-31

A New Flame / Simply Red

 

Simply Red(シンプリー・レッド)はVo.のMick Hucknall(ミック・ハックネル)を中心としたイギリスのバンドで、ミックの歌声のソウルフル度合いが頭抜けていてよく話題になりました。僕が持っている彼らのライヴビデオではドラムスが屋敷豪太さんだったりして、ソウル&グルーヴィなサウンドが好きでした。

このアルバムでは、ハロルド・メルヴィンの名曲「二人の絆(邦題)」9.If You Don't Know Me By Now のカヴァーがヒットして彼らも有名になりました。それまでの内省的で社会派なイメージから売れ線を狙ったと言われていますが、僕にはこのアルバム以降のサウンドが好みでした。

全曲を繰り返し聴いていたので捨て曲なしのアルバムですが、あえてオススメはスタートにふさわしい1.It’s Only Love 、ギターのカッティングが気持ち良い6.Turn It Up 、もちろん9の名演、ハイライトは10.Enough で曲の構成、コード感、なんと言ってもHeitor TPのギターソロが秀逸で気持ちいいったらありゃしない、彼らの曲で最も好きなナンバーです。


2023-03-30

どんな「顧客」を増やしたいか

 

経営者が最も関心の高いステークホルダーはやはり「顧客」です。ステークホルダーの方々にはその事業あるいは代表者である社長の「ファン」になってもらうのが肝心ですから、同様に顧客にもファンになってもらうようがんばるわけです。

商品やサービスを購入して利用してもらうだけでなく、ファンになってもらうことでリピートされ、ほかの顧客にもオススメしてくれるので、そこでやっとビジネスとして成り立つのです。ファンは「こういうのがほしい」「こうしてほしい」といった様々なフィードバックもしてくれるので、次なる商品やサービスの改善にも貢献してくれます。基本的な考え方です。

ミュージシャンやスポーツチームのファンとのコミュニケーションを参考にするとわかりやすいと思います。ライヴや試合だけでなく、ファンイベントを開催したり、動画やSNSを活用して舞台裏や素顔を伝えることで、継続的な関係を築いています。ファンは、ほかのファンに迷惑をかけないよう、節度ある振る舞いが求められます。ときにはファン同士で応援イベントを実施することもあります。

こうして顧客つまりファンとの良好な関係を築くことが、あらゆる商売のテーマになります。価格競争や大量消費の時代はとっくに過ぎて、顧客とのコミュニケーションをいかにマネジメントしていくかが重要なポイントになっているということです。

2023-03-29

The Winds of Change / Billy Childs

 

グラミー賞を多数受賞しているBilly Childs(ビリー・チャイルズ)の2023年最新作。僕は2017年の「Rebirth」で知ってとにかくヘヴィロテしました。ジャズはもちろんクラシックの要素も感じられる凛としたピアノで清々しい音。そして盛り上がってきたときの高揚感の凄みに虜になりました。

今回のドラマーはBrian Blade(ブライアン・ブレイド)というのも注目するところです。ウェイン・ショーターのライヴやノラ・ジョーンズのアルバムに参加しています。独特のヴォイスを持ったミュージシャンで、静寂でメロディアスであるかと思うと、電光石火、雷のような音を奏でます。今回は激しさはないですが、彼らしい音を随所に聴くことができます。

高揚感を味わえる1.The Great Western Loop 、ビリーのメロディセンスが光る3.The End of Innocence 、クラシカルで凛とした音の5.Crystal Silence を聴いてみてください。トランペッターのAmbrose Akinmusire(アンブローズ・アキンムシーレ)のプレイも味わい深いです。


2023-03-28

The Future / Guy

 

Guy(ガイ)を率いるテディ・ライリーは、マイケル・ジャクソンのアルバム「デンジャラス」を全面的にプロデュースしたり、ニュージャックスウィングという独自のサウンドで一世を風靡したミュージシャンです。

少しハネるようにスウィングするビートとソウルフルなコーラスにヒップホップを組み合わせた曲はカッコイイのひと言で、当時のブラックミュージックではこのサウンドを取り入れたアルバムが次から次へと登場しました。こうして新しいスタイルが世界で生まれ、当時の音楽シーンは常にワクワクしていた時期でもありました。

1.Her から2.Wanna Get With U への流れがカッコよくてしびれます。ニュージャックスウィングとはまさにこのサウンドです。4.Teddy's Jam 2 の高揚感、スローダウンして5.Let's Chill の癒やしの曲も彼らの得意技でした。

2023-03-27

「楽しく野球をしている」ということ

 

侍ジャパンWBC優勝、ドキドキハラハラの展開とドラマチックな結末でした。僕が印象に残ったのはダルビッシュ選手の「楽しく野球をしているところを、ファンの方々に見てもらうことがすごく大事」という言葉。

当事者ではないので本当のところはわからないのですが、野球を始めとするスポーツ全般は、厳しい練習に耐えて、人一倍がんばって、誰よりも良い結果を出すことが求められるものだと思います。自分のポジションを奪うかもしれない後輩が教えてほしいと来ても「ここまで来るのにどれだけ時間と忍耐を使ってきたと思ってるんだ」とばかり、自分でがんばることを強いてきたところがあるのではないかと。

ダルビッシュ選手は今回のWBCのもっと以前から、後輩に教えることを惜しげなく、自分が得た知見を共有してきました。技術的なことや精神面、体の使い方、食事などあらゆることについて、自分の試行錯誤の過程や相手の状況の観察を踏まえて、丁寧に説明してきました。

野球をプレーすることが好きなオタクとして、そのプロセスを楽しむということを彼は徹底し、ほかのメンバーにも影響の輪を拡げていました。結果は正直どうなるかわからない。打たれるときもある、打てないときもある、負けることもある。でもプロセスは全員が楽しむことができるんだということに今のスポーツ選手は気づいています。時代はよりよい方向に変わっているなと思います。