2025-10-31

Detour / Boz Scaggs

 

Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス)の有名なアルバム「シルク・ディグリーズ」(1976年)や「ミドル・マン」(1980年)は今でもたまに聴きたくなります。ジェフ・ポーカロのドラムスを聴きたいってのもありますが。そんなボズももう81歳。最近はブルースシンガーとしての魅力も聴かせてくれていますが、この2025年新作はなんとジャズシンガーなアルバムです。

リンダ・ロンシュタット、ポール・マッカトニー、ロッド・スチュワート、往年のジャズシンガーのトニー・ベネットと共演したレディー・ガガ、そして八代亜紀さんも実に味わい深いジャズアルバムを発表しています。実力あるシンガーであればジャズソングは作品に残したいのでしょうか。名バラードをはじめ様々なスタイルを歌い重ねてきたボズの歌唱はとにかく渋い!

たとえば2.Angel Eyes 、1946年マット・デニス作曲のスタンダード名曲ですが、歳を重ねた者だからこそ出せる哀愁を感じます。「いろいろあったよなぁ」なんてね。もうひとつマイナー調ですと8.The Meaning Of The Blues もしっとりとオススメです。自身の2ndアルバム(1969年)からの再録、5.I'll Be Long Gone もまるでスタンダードのように響きます。灯りをおとして、ホットウイスキーでも用意してぜひ。

2025-10-24

オーディオショウ2025

 

今年も行ってまいりました「2025東京インターナショナルオーディオショウ」。2023年2024年と東京国際フォーラムにて開催。海外メーカーを中心に高級オーディオの音が聴ける楽しみなイベントです。

2025TIAS 事前登録で無料入場

僕が試聴した部屋でも背の高い大きなスピーカーで2000万、リビングに置けそうなサイズで300万とまぁそりゃ“高級”なモノで、やはりきちんとセッティング調整された音は惚れ惚れする良い音でした。すべての音がくっきりとして奥行きもあり、高域は澄み切って高く、低域は膨らまず沈み込んで、なにより余裕が違います。スピーカーだけでなくアンプやプレイヤー、周辺機器の総合力で圧倒的であります。

こうして聴けるのであれば、ぜひ音楽ファンのみなさんにも一度は聴いてほしい。買う買わない、共感するしないに関わらず、音楽を鳴らす装置としてこんな世界があるんだという体験は無駄ではないと思います。

我が家のスピーカーはJBL、ということでハーマンの会場でハイエンド機種「Summitシリーズ」も聴いてきました(ブックシェルフのAma)。濃密で高精細な音でした。丁寧に作られた製品であることが音に現れていました。

家に帰って試聴でかかった曲を探すのもまた楽しい。で、我が家のスピーカー(20万しない)で聴いてみると、贔屓たっぷりでしょうが、朗々と“いい音”で鳴ってくれるんです。そりゃ部屋も周辺機器も違いますからスピーカーだけの話ではないのですが、それにしてもです。オーディオってやっぱり自己満足な趣味だなぁとつくづく思います。

2025-10-17

My Life Matters / Johnathan Blake

 

Johnathan Blake(ジョナサン・ブレイク)はアメリカのジャズドラマー。前作(2023年)に続いてブルーノートからの2025年新作となります。参加メンバーは、デイナ・スティーヴンスAs、ジェイレン・ベイカーVib、ファビアン・アルマザンP、デズロン・ダグラスB。共同プロデュースにデリック・ホッジを迎えています。

1.Broken Drum Circle for the Forsaken のドラムスでも特徴的なのがスネアのパーカッシブな連打による表現。ロックのドラムスがスネアとバスドラとハイハットによるリズムキープを中心としているのに対して、ジャズのドラムスはシンバルでリズムキープして、スネアやバスドラはパーカッションのように装飾していくようなイメージがあります(全てではありません)。音階をもたない楽器でありながら、まるでメロディやコード進行を展開していくかのようなジョナサンのプレイに耳を奪われます。

緊張感のあるヴィブラフォンで始まる2.Last Breath や7.My Life Matters でも重心が下のほうにあってけして軽く流されないドラムスが聴けます。デリック・ホッジの過去のアルバムからも感じられた新時代のフュージョンなのではないかと。短いながら壮絶なドラムソロ8.Can You Hear Me? (The Talking Drums Have Not Stopped) も必聴です。



2025-10-10

ACアダプタをDC POWER BOXに


“音楽ストリーミング(サブスク)をできるだけ良い音で聴きたい”との思いで、QobuzにしたりMacを音楽特化したり光アイソレーションしたりしてきました。

そしていよいよ電源に及んでしまいました。今回は光アイソレーションのOPT ISO BOXの電源をオーディオグレードにしてみました。

左端のBOXに付属していたACアダプタ(中央)を右のDC POWER BOXに交換、デカっ!

なんでも小さなACアダプタによる「スイッチング電源」を、トランスを積んだ「リニア電源」にすることで機器本来のパフォーマンスを引き出せるとのことで、TOP WING社製「DC POWER BOX」(12V/5A、税込55,000円)を奮発してやりました。

音質はというと、一聴少しおとなしくなった(派手さがない?)と思わせましたが、実のところは、低域のボワッとした贅肉感は無くなり、より深く沈み込んでリアル感を増した感があります。高域もよりくっきりしてむやみに拡がらず出音に余裕を感じます。これが5A対応で2A分を使うという贅沢なのでしょうか。ストリーミング音源だから仕方がない、なんていうレベルの音質ではなくなりました。

オーディオ界隈では「実は電源の音を聴いている」なんて話もあるくらいでとにかく電源まわりは大事のようです。ほんとうはMacの電源アダプタをなんとかしたいのですがこれをなんとかするくらいならストリーミング専用機を買ったほうがいいかも、いやその前にルーターやハブまわりをなんとかしたほうがいいとか、あぁきりがない。

よりによって、このDC POWER BOXと機器をつなぐDCケーブルもより高品質なものが発売されるとのことで、こうなったらそこまでは付き合うか、という沼ずぶずぶ中であります。

2025-10-03

Without Further Ado, Vol 1 / Christian McBride

 

Christian McBride(クリスチャン・マクブライド)はアメリカのジャズベーシスト、作曲家。リーダー、サポート作ともに数多く、アメリカを代表するミュージシャンです。ニューポート・ジャズ・フェスティバルの芸術監督を創始者から引き継いだり、国立ジャズ博物館の共同館長に招聘されたりと文化の継承についても活躍されています。

2025年本作の目玉はゲストヴォーカリスト。なんと1.Murder by Numbers はスティングVo.&アンディ・サマーズGですよ。スチュワートはジョインしないですわね笑。ポリス時代の曲でこのアルバムの中でイチオシです(アンディのギターソロがすごくイイ)。続く2.Back In Love Again はジェフリー・オズボーンVo.でJB(ジェイムス・ブラウン)っぽいリズムのファンクがゴキゲン。なんでもクリスチャンはJBマニアでコレクター。日本にも山下達郎さんというJBコレクターがいらっしゃいますが。

そのあとも3.Old Folks サマラ・ジョイVo.、4.Moanin' ホセ・ジェイムスVo.、5.All Through The Night セシル・マクロリン・サルヴァントVo.、6.Will You Still Love Me Tomorrow ダイアン・リーヴスVo.とこれでもかと名ヴォーカリストが続きます。しかも僕が好きなミュージシャンばかり。いやはや盛り上がります。8曲で37分のアルバムであっという間に聴き終わってしまいます。また1曲目から聴きたくなりますよ。