2025-08-15

秋葉原と御茶ノ水

 

御徒町生まれ、湯島育ちの僕は、となり街に秋葉原と御茶ノ水があって、オーディオや楽器、レコード&CDに直接触れるのも自転車の距離でした。職住近接ならぬ“趣”住近接だったのです。70年代後半から80年代、ティーンエイジャーの頃の話です。

オーディオ製品がひしめいていた頃、FM誌やカタログで見た機種をさわって聴いてみたり、積み上げられた小型スピーカーの番号を押して鳴らし替えてみたり、高級オーディオコーナーには気後れして入れなかったり、店員さんの暇な時間を見計らって買いもしないのにセットを見積もってもらったり。石丸電気レコード館で小遣い内に厳選したレコードを買って特典ポスターの番号を伝えたり、生カセットテープの安売りセットを探したり、ラジ館の電気部品をわかりもしないのに覗いたり、というのが秋葉原の思い出。

バイトで貯めたお金で初めて買った中古のエレキギター。フェルナンデスのストラトモデルでイエローサンバーストを石橋楽器で。トレモロユニットを当時話題のフロイド・ローズに替えたくてコピーモデルを買って楽器屋さんに取り付けてもらったり、高校の同級生と御茶ノ水に集合しては楽器屋巡りして、試奏ばかりして買わなかったり。自分でギターを削って改造してどうにも調整できなくなってESPの店員さんに怒られたり。レンタルレコード「ジャニス」に通って手書きのユーザーレビューに教えてもらったり、というのが御茶ノ水の思い出。

僕の学生時代の音楽ライフはこのふたつの街に集約されています。御茶ノ水は半減した感がありますがいまでもギターショップが並んているし、ディスクユニオンが数店舗あったりして、今でも行くとちょっとワクワクします。秋葉原はもう僕が知っている街ではなくなってしまいました。父の初盆を迎え、母もいない湯島に行く用事がなくなり、行き帰りに立ち寄ることもなくなってしまったのがちょっと寂しい思いです。

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