2023-10-31

Emotion & Commotion / Jeff Beck

 

今年1月に他界したギタリストJeff Beck(ジェフ・ベック)の2010年作品。2000年代はちょっとエレクトロニックに寄り道していたジェフが、満を持してギターアルバムを出してきた!と久しぶりに気持ち高ぶりました。そりゃジャケットを見たら鷲がストラトキャスターを運んで翼を拡げているではないですか。大復活の予感とともにCDプレイヤーのボタンを押しました。

フィンガーピッキング、ボリューム奏法、アーミング、ハーモニクス、ストラトの音、目の前でジェフが弾いているかのようです。なんて美しい音なんだろう。ギターをここまで美しく弾けるのは彼しかいません。いまや天国で楽しそうに弾いているであろう神様です。もしかしたらジミヘンやボンゾやレイヴォーンあたりともセッションしているかもしれません。いやぁ涙なしには聴けません。

うっとりなギター曲のみピックアップしてみます。1.Corpus Christi Carol 、4.Over the Rainbow 、8.Nessun Dorma 、10.Elegy for Dunkirk 。ため息。鷲がストラトとともにジェフを持って行ってしまいました。悲しさはなく、思い出されるのはジェフのやんちゃで楽しそうなギターを弾く姿。こんなギターアルバムを残してくれたことに感謝しましょう。

2023-10-30

失敗したくない、けど仕事しなきゃ

 

覚悟するにしても、サポートするにしても、仕事して稼いでいくのに必要なのは「勇気」なんだと思います。その勇気が出ないとしたらそれは「失敗したらどうしよう」とか「あの人のせいで失敗したと言われたくない」「大変な思いをしたくない」とかとにかく心配なんだと思います。もしくは決定的な失敗や過ち、嫌な思いがあってすでに自己嫌悪に陥っているときもあります。

いわゆる「トラウマ」です。過去の失敗や嫌な思いが強く残っていて、一歩が踏み出せない。これは多かれ少なかれ誰にでもあることです。その過去の自分はまさに自分であるので、また繰り返すと思っているわけです。人生経験を重ねていくなかでそうなるので、若くても老いてもそういう状態はあります。しかしその自分も細胞は数年ですべて入れ替わります。昔の自分は今の自分ではないのかもしれません。

なんにでも効く薬は知りませんが、「仕事」に関しては、その仕事を「知る」ことが大切だと思います。その仕事はどういう目的で、何を実現しようとしていて、関わるステークホルダーはどんな登場人物で、成果を出すにはどんなポイントがあってなど、与えられた時間内にできる限り観察することです。感情を挟まず、情報を集めて、冷静に書き出していくわけです。そのなかで自分に試行錯誤できるところがあるんじゃないか、と思ったところが勇気の出しどころです。

結局、楽な仕事はないのです。楽じゃない仕事をやるから稼げるわけです。失敗しない保証もありません。結果的に成功するか失敗するかなんてわかりません。まずは相手を知って仕事にとりかかりましょう。

2023-10-27

Blackmagic / José James

 

José James(ホセ・ジェイムズ)はアメリカのシンガー。ソウルやヒップホップ、エレクトロニックを感じさせるサウンドですが、当時はジャズシンガーとして知りました。2010年の本作は2作目で、同年にインパルスからジャズどっぷりの「For All We Know」というジェフ・ニーヴのピアノとのデュエット作品を出しており、こちらも名盤です。耳に残る独特な歌唱のファンになり1stも本作以降の作品もダウンロード購入しました。

このあたりの年からiTunesで音源をダウンロードして聴くようになりました。だからCD棚に入っていないお気に入りアルバムがあるのです。そのままiPodと同期して持ち歩いて聴くスタイルが始まったのです。フィジカル(CDやDVD、レコードなど)のディストリビューターの仕事をしていたのに皮肉なもんです。CD時代からダウンロード時代に移ると同時に、ホセ・ジェイムズのような強力な新人が出てきたことも僕にとっては嬉しいことでした。

2.Touch を聴くと曲調はジャズファンクですが、サウンドもヴォーカルもジャズだなと思います。かと思えば5.Warrior のようなアプローチはホセらしいハーモニーを聴かせてくれて、グラスパー以降の新しい潮流を感じます。ヒップホップらしいイントロで始まるBlackmagic も彼独特の歌い方と浮遊感のあるサウンドが新しい何かを感じさせます。ホセ・ジェイムズはこのあとブルーノートに移籍してさらに躍進していくことになります。

2023-10-26

ソファから離れたMacを操作する

 

家のオーディオでは、古いMacbook(Air,11インチ)を音楽再生専用機として使っています。USBでDACと接続して主にApple Musicのストリーミングでハイレゾとか。ストリーミングにはなくてお気に入りのアルバムもあるのでCDリッピング音源やダウンロード音源もこのMacbookで再生しています。BluetoothはOFFにして必要のないアプリは立ち上げずに。場所もとらないし、クラウド同期しているのでライブラリの運用もiPhoneとの連携も良好です。

リビングオーディオですから、このMacbookはオーディオのそばに設置していて、聴くのはちょっと離れたソファで、となります。立ち上がっていちいちMacbookを操作しに行くのは面倒。つまりリモコンしたいわけです。選曲時にアーティスト名を入力したり、過去のアルバムを閲覧したり、そのまま遠隔から操作したい。

先日仕事用のMacbook(M1)のmacOSをSonomaに更新したら、アプリケーションのその他に「画面共有」というアイコンが追加されていました。さっそく接続すると、古いMacbookの画面が手元のMacbookにも。(画面共有の方法

手元のMacに、向こうのMacの画面が。手元で操作できます。

実は以前からちょっと面倒な方法で実現できていたのですが、Sonomaになって簡単に画面共有できるようになったのでした。こうしてソファから選曲や曲送り、プレイリスト作成だってできちゃいます。Bluetoothで飛ばしているわけではないので、ハイレゾをハイレゾで(USB→DAC)聴けますし、仕事のメールしながら、向こうのMacを操作したりして、と自己満足。

2023-10-25

Uncle John's Band / John Scofield, Vicente Archer & Bill Stewart

 

John Scofield(ジョン・スコフィールド)はアメリカのジャズギタリスト。Uncleってくらいで御年71歳。マイルス・デイヴィスの「Decoy」(1984年)で存在を知りました。このアルバムはバックにブランフォード・マルサリスSaxやダリル・ジョーンズB.といったスティングのバンドメンバーが参加していて、その研ぎ澄まされたサウンドたるやとてもカッコいいアルバムでした。

独特のギターサウンドとウネウネしてアウトしていく音使いが彼の特徴です。同世代で並び称されるパット・メセニーとの共演アルバム「I Can See Your House From Here」を聴くとふたりの個性の違いがよーくわかります。バラード「Message To My Friend」は中でも本当によく聴きましたが、ふたりの口調の違いに笑みがこぼれます。ジョンは以降も活動的でジャムバンド方面でファンキーな演奏も聴かせてくれてこちらも楽しいです。

2023年本作はヴィセンテ・アーチャーB.とビル・スチュワートDr.といった名うてのミュージシャンとのトリオ演奏で一聴は静かでシンプルな演奏だと思います。その分ジョンの多彩なタッチのギターサウンドや他楽器をじっくり高音質で楽しめます。1.Mr. Tambourine Man からしっかりアウトしていく彼独特のフレーズ満載です。3.TV Band でのジャムもなにやら楽しい。5.Budo あたりまでくるとこれは相当なジャズだなと感じます。のんびり聴くつもりが前のめりで聴いてしまいます。

2023-10-24

Wake Up! / John Legend & The Roots

 

The Roots(ザ・ルーツ)はアメリカのヒップホップグループ。ドラムスのクエストラヴを筆頭にギター、ベース、キーボードも生音のバンドにブラック・ソートのMCが乗っかるというのが特徴です。2010年の本作は、リードヴォーカルにJohn Legend(ジョン・レジェンド、アメリカのシンガー)を迎えて、R&Bとヒップホップの濃いところを抽出した名盤となっています。

ヒップホップの中でもこのザ・ルーツが大好きで1995年の「Do You Want More?!!!??!」から本作まで10作ほど買い続けて聴きました。理由はやはり生音バンドであるということ。僕がバンドをやっていたからだと思いますが、その場で演奏するグルーヴを強く感じます。特にクエストラヴのドラムスの音が好きです。有名なジョン・レジェンドのVo.も素晴らしいソウルでシャウトするとそりゃ盛り上がります。

そんな彼らの共演を冒頭1.Hard Times から飛ばしてきます。イントロからリズムに入るあたりは毎回鳥肌でこれぞブラックミュージック!と叫びたくなります。そしてこのアタックの強いギターのサウンド、痺れます。続く2.Compared to What のクエストラヴこそヒップホップドラマーとしての魅力を見せつけてくれます。4.Our Generation もこの共演ならではのかなり濃いサウンド。このあとも彼らの古き良きR&Bソウルへのリスペクトを感じる、ヒップホップファン以外でも楽しめる作品となっています。

2023-10-23

「サポートする人」を愛でる

 

やります」と言える人が稼ぐことができると話しましたが、それが言えない人だっています。「やります」と言う人だってたまには疲れて言えないときがある。失敗したらどうしよう、迷惑かけたくないと思うのも普通のことです。「やります」と言う人を遠くから見て「大変そう」と見て見ぬふりしてしまうのも仕方がない。誰だって安全で楽な位置にいたいものです。

そんな普通の人が稼ぐ方法もあります。ここはやはり勇気を出して「やります」と言っている人に声をかけることです。困っていることがないか聞いて、何か自分にできることがないか考えることだけでも立派なサポートです。自分はリーダーにはなれないけれど、ちょっとしたサポートならできる人はやがて稼ぐことができるでしょう。パンフレットをクリアファイルに入れる単純作業の輪に入るだけだっていいんです。

社長はそういう「サポートする人」をきちんと評価することです。口で褒めるだけでなく、評価制度に組み込むことが肝心です。どんな仕事も複数メンバーをアサインできるほど人手は潤沢ではないでしょう。個人個人が仕事を抱えていますから、つい「他人事」文化が育ってしまいます。「サポートする人」を愛でる文化を育てたいですね。