2023-07-21

Supa Dupa Fly / Missy Elliott

 

Missy Elliott(ミッシー・エリオット)はアメリカのラッパーでありミュージシャン。それまでのどのヒップホップやR&Bとも質感の違う新しい音楽を、盟友ティンバランドとともに発表し後続に大きな影響を与えたその最初のアルバムが1997年の本作です。CDショップのレコメンドで買ってきて「なんだこれ?変わってる」というのが第一印象でした。

この作品をきっかけにミッシーのアルバムはもちろん、ティンバランドの名前があったらそのCDを買っていました。シンコペーション多様のブツ切れリズムに、細かくハイハット的な高音がチキチキ入るのが特徴。様々な音楽の特徴を取り入れながらも独自のビートを生み出しました。そしてミッシーは女性のR&Bにあった歌姫的なイメージを覆し、さまざまなスタイルを生み出す先導者として多大なるリスペクトを受けています。

典型的なリズムは4.The Rain (Supa Dupa Fly) で、ミッシーのラップが他にはないもの。続く5.Beep Me 911 もティンバランド節全開です。バラードの10.Best Friends だって一筋縄ではいきません。ちょっと引っかかるリズムが印象的。戻って2.Hit Em Wit Da Hee や3.Sock It 2 Me を聴くと今現在の曲なんじゃないかと思ってしまうほどです。


2023-07-20

森の散歩道

 

家族で那須のホテルに滞在。
鳥の鳴き声で目が覚めて、朝から森の中の温泉でゆっくりしました。
朝食後、近くの「森の散歩道」に出かけました。

録音機材レコーダーはKORG MR-2 内蔵マイクにて収録
セッティングはMic Sens HIGH それ以外は全部Off
ファイル形式はWAV 24bit 192kHz ※SoundCloudにてダウンロード可


2023-07-19

Be Still / Jalen Baker

 

Jalen Baker(ジェイレン・ベイカー)はアメリカのヴィブラフォン奏者。コロンビア大学でジャズを学び、数々のジャズフェスティバルで受賞するなどの実力で、リーダー作2作目の本作でも作曲家としても才能を発揮しています。

ヴィブラフォンは共鳴管についているハネがくるくる回転するようになっていて独特のヴィブラート効果をもつ鉄琴の一種です。実際に小さなハコで聴いたことがありますが、音が店内を充満してなんともいえない異空間を作り上げます。ジャズには欠かせない楽器で、ミルト・ジャクソン、ボビー・ハッチャーソン、ゲイリー・バートンといった名手たちの名演は数多いです。

ジェイレンの演奏はそうした名演とはまたひと味違った「いま」の音がします。1.Twas から新鮮でノリの良いサウンドが聴けます。5.There's Beauty In Fear での流れるようなリズムと途中に入るフレーズがこのカルテットの実力を示しています。ジョー・ヘンダーソンの6.Jinrikisha はこのカルテットにぴったりの選曲。7.The Light の5分くらいからはじまる短いドラムソロ(Gavin Moolchan)は凄まじいです。このドラマーの音、僕の好みです。


2023-07-18

Levert.Sweat.Gill / LSG

 

LSGとはGerald Levert(ジェラルド・レヴァート)、Keith Sweat(キース・スウェット)、Johnny Gill(ジョニー・ギル)のR&Bソウル界のスーパースター・シンガー3人のユニット。80年代後半からそれぞれのアルバムを聴いていたので、1997年の本作はまさにドリームチームとしてさすがの曲とヴォーカルを堪能させてくれました。

ジェラルドは父親がオージェイズのメンバー。レヴァートというグループでヒットしていました。キースはニュージャックスウィング時代にプロデューサーとしても活躍。ジョニーはニュー・エディションのメンバーでもあり彼のバラードは格別。それぞれ濃いめのヴォーカルながらもコーラスはシルキーで気持ち良いハーモニー。よくぞ組んでくれましたというアルバムでした。

もっとも好きな曲は3.You Got Me 。重くてクールなリズムから始まりピアノが入ってくるのはさすがショーン・コムズ(パフ・ダディ)のプロデュース曲。R&Bでなにか曲をと聞かれたらこれをかけます。5.My Body はこの3人にバラードを歌わせたら無敵という曲。6.All the Times (feat. Faith Evans, Coko & Missy Elliott) は太く絡むベースに乗せたこれもバラード。フィーチャリングも豪華。


2023-07-14

Share My World / Mary J. Blige

 

Mary J. Blige(メアリー・J. ブライジ)はアメリカのソウル&ヒップホップシンガー。デビューからのパフ・ダディのプロデュースを離れ、自身と錚々たるプロデューサー陣ですこぶるカッコいいサウンドで大ヒットした1997年の3作目です。翌年のライヴアルバム「The Tour」の音も凄くてR&Bソウルの大型ライヴの熱狂ぶりをダイレクトに伝えてくれます。

90年代のR&Bに欠かせないプロデューサー、ジャム&ルイスの3.Love Is All We Need はイントロから彼ららしいキラキラで始まってスネア1発のカッコよさ。その後のベース音が生エレキベースっぽくて痺れます。同じくジャム&ルイスの11.Everything はスタイリスティックスの名曲で、歌い出しはなんと坂本九の「上を向いて歩こう」です。さすがだなーと。

よく聴いたのは当時19歳!のロドニー・ジャーキンスのプロデュース曲である2.I Can Love You や6.Share My World 。耳に残るメロディーとリズムは堂々たるもの。そしてベイビーフェイスによるプロデュースの10.Missing You を聴くとなぜか安心する。アレサ・フランクリンから受け継いだ良きR&Bソウルを感じます。


2023-07-13

AirPodsも使っています

 

妻も娘も音楽を聴くときはもっぱらAirPods Proです。iPhone使いですから接続性の良いものとなるとやっぱりAirPodsになります。品質や音質も信頼されていて迷いはない。購入のきっかけはノイズキャンセリング機能です。これを試すと「驚き」があって、次に騒音(特に電車)対策に効果大だねとなります。けして安くないのですが、まあコスパです。僕自身もそう思って使っています。

アップルというマーケティングに長けた企業の言うがまま。僕のようにオーディオがどうの音質がどうのなんていう、人それぞれで曖昧なパフォーマンスよりも、万人にわかりやすいパフォーマンスです。空間オーディオも僕が聴くと「自然でない」となりますが、聴きようによっては「おーっ、いい音」って感じるようにできています。音があちこちで鳴っていたり、移動したり、ヴォーカルが前面ではっきり聞こえたり、リズムがノリノリだったり。むしろ最近の曲は空間オーディオを意識して制作しているのでそれが「自然」なのかもしれません。

そもそもいつの間にか空間オーディオになっているので、この曲はそういう音なんだと思ってしまう。むしろわざわざ空間オーディオをオフにすると「迫力がない」と言われるはずです。つまりオフにする必要がない。彼女たちにとって普段聴いている音楽は「ステレオを空間化」や「空間オーディオDolby Atmos」が当たり前なのです。

でもしかし、娘にSTAXを聴かせてみたら「最強!」って言うんです。すごくいい音だと。父への忖度かもしれませんが、本人は「わかる」というのです。スピーカーだって「おー、いい感じ」ってわかるのです。ということはつまりAirPods最強と思っているわけではなく、自分専用で便利でいい音だから不満はない、という意味なんだと思います。

2023-07-12

The Red Door / Orrin Evans

 

高音質で今のジャズが聴けるSMOKE Sessions Recordsから今回もまた。Orrin Evans(オリン・エヴァンス)はアメリカのジャズピアニスト。大学ではあのケニー・バロンに師事し、セロニアス・モンク・コンペティションで2位入賞の経歴。今回もたまにモンクらしさが顔を見せます。2023年スタジオ録音の新作です。

アルバム全体では曲がバラエティ豊かで飽きさせることなく聴けます。ゲスト陣も豪華でトランペットにニコラス・ペイトン、ベースにロバート・ハーストバスター・ウイリアムス、ヴォーカルにジャズメイア・ホーンといった布陣。確かなテクニックどころか、ジャズミュージシャンにしかできない驚きの演奏と落ち着いた余裕のプレイのどちらも楽しめます。

たとえば4.The Good Life のバスターのベースの気持ち良さは高音質ならでは。5.Big Small ではハーストのバチバチいうベースで始まるジャズにしかできないブルース。フリーのようでバンド全体がうねるようなこういう演奏ってどうやってできるのでしょう。11.They Won't Go When I Go はスティーヴィー・ワンダーのしみじみと浸る曲をヴォーカルとピアノだけで。