2023-05-12

Mais / Marisa Monte

 

Marisa Monte(マリーザ・モンチ)はブラジルの歌手。彼女の2作目でありプロデュースはアート・リンゼイ。この時期彼が関わっていたCDとなれば買っていたわけです。アートのお仲間ともいえるデヴィッド・バーンや坂本龍一も参加しています。

彼女の自然でさわやかな歌声に魅了されてしまって以降のアルバムも買うようになり、ライヴにも行きました。ちょっとハスキーなヴォーカルだけでなくサウンドがしなやかでとても多彩。カエターノ・ヴェローゾと同時にすっかりブラジル音楽にハマる要因になりました。

このアルバムの魅力は1.Beija Eu のようなモダンで優しいサウンドではあるのですが、新しいブラジルらしさを感じるのは4.De Noite Na Cama でアートがノイジーなギターを弾いたり、5.Rosa でのいかにも坂本龍一なキーボードによるボサノヴァです。これから初夏にかけてピッタリな作品だと思います。


2023-05-11

人手不足、AI時代、もっとIT化しないと

 

やっとコロナにひと区切りつきました。3年前急に「会わないように」と言われて以来、いくらなんでも仕事にならなかったというのが正直なところです。外食、ライヴエンターテインメント、宿泊、鉄道など雇用していた人材を手放していましたから、お客様が戻ってきても対応するスタッフがいないのが現状です。

コロナで在宅勤務やオンライン商談がアリになり、以前のように毎日出勤前提では人材確保しづらい状況はこれからも続くでしょう。さらに少子高齢化も避けられず働き手は少なくなる一方です。経営者としてはここで舵切りしておかないと。淘汰の波はそこに来ていると思います。

「IT化」と言ってもシステム部とかプログラマーとか外注とかの話ではないです。AIのChatGPTもそうですが無料で始められるツールは数多く、コードを書かなくても業務を自動化できたり、チームで可視化できる時代です。SlackDiscordNotionあたりはユーザーも多く操作性も機能も日々進化している自動化/可視化/コミュニケーションツールです。経営者自らこれらツールを使いこなして、会議時間を減らし、仕事をアシストし、プレッシャーとストレスを減らし、必要なところに貴重な工数を集中できるようにすべきです。

IT化は社内だけでなく顧客対応においても必要です。特に人手による「接客」は貴重であり高価なものになっていきます。接客を選ぶということは多少値段が高くなっても仕方がないということです。セルフレジやキャッシュレス決済はもちろん、モバイルオーダーも当たり前になるでしょう。経営者はビジョンに沿って、価値提供のポイントはどこにあるのかを見極め、IT化にもっと積極的に取り組むべきです。

2023-05-10

The Power Station Tour (West Coast) / Cory Wong

 

Cory Wong(コリー・ウォン)は、数年前YouTubeで発見して「これいい!楽しい」ってなったファンクバンドVulfpeck(ヴルフペック)への参加で有名なアメリカのギタリスト。これほどまでに楽しそうにリズムギターを弾く人をほかに知らない。YouTubeで検索すると動画がたくさん出てきます。

Cory Wong w/ Louis Cato(右側がCory)

とにかく上記YouTubeを観てください。このカッティング(ギターでリズムを刻む)なかなか出来ないです。振幅が大きくてシャープでしかも持続的。しかもリードギターも上手いんです。僕も同じくストラトキャスターを持っていますがこんなふうに弾けません。ピック落としちゃいます。

これはジャズなのかと言われそうですがソロ回し即興があるのでいいんじゃないかと思います。そんな彼の新作ライヴはゴキゲンなナンバーが次から次へと。彼のテーマ曲その名も2.Cory Wong 、山下達郎のカッティングかと思うくらいの5.Brooklyn Bop 、ジャクソン5な感じの7.Bluebird 、高速カッティングが凄い10.Long Way などすべてのナンバーで自然と首が前後に動いてしまうノリのよさ。ファンクバンドって楽しいです。※ちなみに(East Coast)編もあります。


2023-05-09

Jungle Fever / Stevie Wonder

 

Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)のこのアルバムは、スパイク・リー監督の同名映画のサウンドトラックとして1991年に発表。実は映画の方は観ていないのですが、アルバムはスティーヴィーの作品のなかでも大好きな1枚で繰り返しよく聴きました。

スティーヴィー・ワンダーというジャンルだと思っているほど彼の音楽は唯一無二で特別な存在。好きな曲をカセットテープにセレクションして車に常時入れていました。様々な奥深い魅力がありますが、なんといっても彼の作る天才的に気持ち良いメロディーは世界共通の宝だと思います。

晴れた日はかならず1.Fun Day でスタート。気持ちがUPします。ハープの音が気持ち良い3.These Three Words のメロディーの良さったら。4.Each Other's Throat などスティーヴィー流ニュージャックスウィングが全般にわたって散りばめられていて今聴いてもカッコイイ。ヒット曲8.Jungle Fever は空耳ソングをみんなで合唱。夜は11.Lighting up the Candles を聴いておやすみ〜と家族で楽しめるアルバムです。


2023-05-08

【実例】取引先との関係悪化、どうする?

 

とある事業再生案件の会社社長をやっていた時のことです。毎日発生する大量の受発注業務の入力作業を中国の会社にアウトソースすることになりました。この業務を担当する国内の社員は1〜2名になりコスト削減と迅速化をもたらしました。うまく回りそうだなと思っていた頃でした。

担当から入力ミスが多くなってきたと報告がありました。それから数ヶ月するとアウトソースしている会社のスタッフに離職者が増加しているというのです。現地マネジャーも困っているし国内の担当も毎日リカバリーで疲弊していました。

アウトソース料金を上げて現地の給料を上げたほうがいいのではないか、現地に行って問題点を明らかにすべきではないか、別の会社に替える手はないか、など話し合いました。しかし事業再生中でもあり、出張コストさえ捻り出すのが難しい状況でした。

思いついたのは、私の写真とメッセージを送る、ことでした。この仕事を振ってきているのは一体どんなヤツなんだ、きっと嫌なヤツにちがいないと思っているだろうと思ったのです。そこでこの事業をどんな思いでやっていて、一緒に仕事をしたいというメッセージと私を含めたこちらのスタッフの“笑顔”写真を送ったのです。すると先方のマネジャーから感謝メッセージが届き、スタッフと関係改善できたのです。もちろんほかの可能なかぎりの手を打ちましたが、最初にやったのは写真だったのです。コミュニケーションの第一歩は笑顔です。

2023-05-02

return to casual / Walter Smith III

 

Walter Smith III(ウォルター・スミス3世)はアメリカのジャズサックス奏者です。1980年生まれバークリー音楽大学卒、これまでに新進気鋭かつメインストリームなロバート・グラスパーなどのビッグネームとの共演で数々の作品に名を連ねていました。

そして僕の好きなドラマーとよく共演していまして、今作のケンドリック・スコットもリーダー作はすべて聴きこむほど。大好きなエリック・ハーランドともバンドを組んでいました。シャープで手数が多くスネアの音は硬め、流行りのリズムというよりもジャズそのものの叩き方で曲に抑揚をつけてくるドラマーたちです。

複雑なユニゾンが印象的な1.Contra はその後の流れるようなリズムが聴きどころ。ケンドリック・スコットのドラムスが大活躍する6.quiet song はマシュー・スティーヴンスG.の独特な音色やフレーズに注目。8.Amelia Earhart Ghosted Me あたりになるとアルバム全体が心地よいサウンドなのにウォルターをはじめ全員がとんでもない演奏テクニックで表現していることに気づきます。


2023-05-01

The Low End Theory / A Tribe Called Quest

 

A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)はアメリカのヒップホップグループ。特にジャズの影響が感じられるところがポイントで、1991年当時このアルバムは画期的でした。メンバーのQティップのソロ作も含めて愛聴していました。彼らの作品はのちのヒップホップのみならずジャズにも大きな影響を与えていると思います。

洋楽ヒップホップのリリック(歌詞)はわからないので、聴くのは声だったりサウンドやリズムになります。いろいろな素材(サンプリング)を組み合わせて独特のサウンド質感やリズム感をコラージュしてサウンドリスナーとしても楽しめます。

低くカッコいいジャズベースから始まる1.Excursions と2.Buggin' Out でうわぁカッコイイー!ってなります。5.Vibes and Stuff にはなんと御大ロン・カーターも演奏参加。浮遊感のある7.Vibes and Stuff やその名も11.Jazz (We've Got) がヒップホップなのにジャズらしさを感じる作品になっています。