Kelly Green(ケリー・グリーン)はニューヨーク在住のピアニスト&ヴォーカリスト。プロのベーシストである父親とともにジャズを学び、数々の演奏歴、受賞歴がある秀でたミュージシャンであるようです。分断された世の中への問題意識から音楽表現によって特に女性としての意思を伝えていこうというビジョンをもった方でもあります。
このアルバムでもヴォーカル曲、インストゥルメンタル曲、あるときは伝統的、そして現代的、テーマと即興というように様々なスタイルを際立たせて聴かせてくれます。そこにあるのは確かな演奏力と自由で前向きさが感じられる全体感。聴いていて楽しくなるはずです。
フルートと印象的なテーマで始まる1.Down That Road でオリジナリティ性の高いジャズグループかと思いきや、2.World of My Own でなんとも魅力的な女性ヴォーカルを聴かせ、3.Lonely One では日本の尺八を思わせる現代音楽アプローチからの自由なヴォーカル。そして4.Street Cleaning は一筋縄ではいかないバンドアンサンブル。多様ではありますが、彼女の思いを感じることができる演奏がこのあとも続きます。こういう作品があるからジャズは面白いと思うんです。
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