2024-01-15

フィードバックと「寛容さ」

 

「愚直さ」ともうひとつ大事なのは「寛容さ」です。フィードバック文化にするとやっぱり批判的な意見が出てきます。そこで「そうじゃないでしょ」と思っても6秒待って。どうしてそう考えたのか相手の気持ちになってみて、「◯◯ということが言いたかったのかな」と置き換えてみたり、「それもひとつの考え方だよね」と認めてみることが肝心です。

意見が出なかったり、返信が遅いといったことで、イライラする人もいると思います。こちらは成果を出しているのになぜと怒ったり不安になったりするのは自然なこと。同様に、いま別のことに取り掛かっていて他に気を配れないことや、たまにはちょっと息抜きしていることでフィードバックできないことも自然なことですね。

だからこそ、これはちょっと自然ではないですが、わざと寛容になってみるのです。相手を認めることで、相手側も落ち着きをもつことができ、もしかしたら何か新しい解決方法が導き出せるかもしれません。そうした緩急をつけたリズム合わせもチームや組織で学習していく姿勢が「寛容さ」をもったフィードバック文化にしていくうえで大切なプロセスだと思います。

SNS時代になって、当事者ではない人が他人を攻撃するという配慮に欠けた情報発信が横行してしまいました。いつの間にか相手を攻めることが日常的になってしまったり、無視や見てみないふりをすることでその場をやり過ごすことが多い世の中になったようにも思えます。会社でも社会でもこれからは「寛容さ」を訓練していく必要があるのではと考えます。

2024-01-12

TOTO

 

TOTO(トト)は1978年1stに入っている「Hold the Line」「Georgy Porgy」をラジオで聴いたところから始まります。歪んだギターのハードロックかと思いきや、おしゃれで大人なサウンドでヒット曲の中でも彼らの曲は好きでした。名盤とされる1982年4thアルバムの発表とともにNHKでライヴ番組があって食い入るように観た覚えがあります。

大学1年のときに加入した先輩のバンドでTOTOやジャーニーの曲を演奏することになり、ハードロック好きの僕としては、2nd「Hydra」(1979年)3rd「Turn Back」(1981年)からの曲をやりたいと申し出ました。選曲した7.White Sister と5.Goodbye Elenore は、演奏できていたとは言えませんが想い出深い曲として今でもよく聴いています。この2曲でのジェフ・ポーカロのドラムスは本当に最高です。

ジェフが生きていた時代のアルバムはどれもよく聴きましたが、リズムや曲構成が凝っていてプログレを意識したこの2ndと3rdは特に好きです。スティーヴ・ルカサーのギターはさすがのスタジオミュージシャン出身で、ジャズを思わせる速弾きフレージングや振幅の大きいチョーキング・ビブラートが好きです。ちなみに彼ら得意のバラードでは4thの「I Won't Hold You Back」が想い出のつまった曲として欠かせません。

2024-01-11

クラシックを視聴しよう

 

昨年末にネット動画サービスで映画「TAR」と「マエストロ」を観ました。そして映画の中で使われている楽曲をCD棚やApple Musicで探して聴きました。「マーラー:交響曲第5番第4楽章(レナード・バーンスタイン指揮)」「エルガー:チェロ協奏曲第1楽章(ジャクリーヌ・デュ・プレ:チェロ)」「マーラー:交響曲第2番(復活)のラスト(レナード・バーンスタイン指揮)」といった作品はどれも素晴らしく感動的な演奏でした。

僕は原体験が上野の東京文化会館でのクラシックコンサートなので、詳しくはないですがクラシックを聴くのは好きです。クラシック鑑賞の魅力は、音が大きく強いときの迫力と小さく繊細な音のダイナミックさ、同じ楽曲を演奏しているにも関わらずそれぞれに個性を感じることができ、それを表現するための音のタッチや音色、呼吸で楽曲の感情を感じることができることです。演奏家の方々が人生の多くの時間を費やして「その音」を結晶していることに深く尊敬を感じています。

YouTubeでドイツ・グラモフォンの2023年ベストというオムニバスを見つけました。我が家お気に入りのヴィキングル・オラフソンをはじめ、数々の名演をダイジェストに観ることができ、映像がとてもシネマティックで美しい。クラシックファンでなくても(退屈することなく)楽しめる動画になっています。ラストにはあのバーンスタインも!。

Best of Deutsche Grammophon 2023

演奏家たちの高度な表現を高画質映像で味わうことができ、クラシックの現在地を知るうえでもとても参考になりました。ぜひご自宅のスピーカーにBluetoothで飛ばして音量を上げて聴くもよし、まずはPCのスピーカーで確認するのもよし、テレビ内蔵のYouTubeで観るもよしです。僕のオススメは下記ユジャ・ワンのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番で、我が家のスピーカーを何度も鳴らした、音の拡がりが素晴らしい高音質音源となっています(上記YouTubeにも収録)。

2024-01-10

X-Man in New York / Xaver Hellmeier

 

Xaver Hellmeier(クサヴァー・ヘルマイヤー)はドイツのジャズドラマー。2023年の本作は彼のデビュー作です。バイエルン・ユース・ジャズ・オーケストラで演奏を始め、オーストリアのウイーンに移住したときにアメリカのベテラン・ジャズドラマーのジョー・ファーンズワースに出会ったそうです。そこでビバップのドラミングについて多くを学んだとのこと。

ビバップやハードバップのジャズドラマーといえば、アート・ブレイキー、マックス・ローチ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ケニー・クラーク、ビリー・ヒギンズといった巨匠たちがいて、彼らのエッセンスをしっかりと吸収していることに驚きます。お若いのによくぞ継承してくださったと往年のジャズファンも喜ぶことでしょう。僕もジャズクラブで年齢に関わらずシンプルなドラムセットで気持ちの良い演奏を繰り広げる姿を何人も観てきたので、彼のようなミュージシャンはまだまだいるのではと思っています。

50年代中ばのマイルスを思わせる1.I Could Write A Book の嬉しくなる演奏から始まります。軽快な4.Advance Notice や8.Tune Upを聴くと、いつまでも正月気分じゃなくてそろそろ仕事しなきゃなって気分になります。クサヴァーのスカッとしたドラムソロが応援してくれています。おそらく師匠に捧げる9.Blues For JF もなつかしいハードバップに乗せて、名手エリック・アレキサンダーのサックスがキラリと光るプレイを聴かせてくれます。小さめのジャズクラブで聴いてみたいなぁ。

2024-01-09

Queen

 

Queen(クイーン)は1980年のアルバム「The Game」からでした。シングルヒットの1.Play the Game や3.Another One Bites the Dust 、5.Crazy Little Thing Called Love 、10.Save Me をラジオで聴いて、ミュージックライフの記事を読んで、奇跡のような4人のメンバーによる奇跡のような音楽に魅了され何度も何度も聴きました。

高校時代、バイオリンを弾く友人がクイーンの大ファンで、同じくファンのベース弾きと楽器持参で友人宅に集まり、曲をかけながら弾きまくって、最後に手作り餃子をたらふくご馳走になるという、楽しくてしかたがないイベントを数回やりました。そこで主にかけていたのは79年の「Live Killers」でした。僕はそのハードロックぶりにすっかり心酔してますますファンになったのでした。さらに大学に入ってクイーンとロジャー・テイラーを愛してやまない先輩ドラマーに出会い、ともに40年以上かけがえのない存在となっています。

ブライアン・メイのギターといえば、ディスク2-3.Brighton Rock でしょう。途中ソロコーナーでの津軽三味線のようなリズムやエコーマシンを使ったハーモニーなどかなり独特です。バッキングも含めて、あのギターからしか出ない特徴あるサウンドなので、普通のエレキギターでは再現できません。だからこそクイーンというバンドの一部として大きな魅力となっているのでしょう。

2024-01-05

Iron Maiden

 

1980年「鋼鉄の処女(Iron Maiden)」の1曲目Prowler をラジオで聴き、ほかのバンドと違う“勢い”を感じました。続く1981年「キラーズ(Killers)」でアンセム1.The Ides Of March からの2.Wrathchild を聴き、これってパンク?と思うほど衝撃的で扇動的なサウンドに病みつきになってしまいました。そして彼らの曲をかけるたびに弾き始めたばかりのエレキギターを掻きむしっていました。展開の多い彼らの曲でも合わせて口ずさむくらいに覚えています。

メタルファンであれば“NWOBHM”が何であるかはわかると思います。高校時代の当時、彼らアイアン・メイデンやジューダス・プリースト、デフ・レパード、サクソン、AC/DCが出演するフィルムコンサート(大ホールでライヴヴィデオを大音量で観るイベント)を数回観に行きました。司会の伊藤政則氏らが紹介してくれました。そしてミュージックライフやヤングギターというシンコーミュージックの雑誌は僕らのバイブルでした。

アイアン・メイデンのヴォーカルといえば元サムソンのブルース・ブルース、現ブルース・ディッキンソンですが、上記のように僕は初代ポール・ディアノのヴォーカルが好きでこの1作目2作目には思い入れがあります。リーダーであり物凄いベースのスティーヴ・ハリスはもちろん手数の多いドラムスの故クライヴ・バーのプレイも好きでした。そしてジューダス同様ツインギターのハモリとソロ。そして泣く子も黙るジャケットのアートワーク。メタルの原点ここにありです。

2024-01-04

2024年何して遊ぼ

 

2024年の今年は“中年”最後の年。眼や歯にガタがきましたが、耳はなんとか年相応に聴こえているようで今後も大切にしていきたいと思います。音楽を聴くにも健康な体は必須条件なのだとつくづく思います。そのためにも体によいものを食べて、少しは運動して、よく眠るということが大切なのでしょう。

翌年の還暦以降も音楽を楽しむために、今年できることをやりたいと思います。おかげさまで家のリビングオーディオは、それなりに満足のいく環境ができました。スピーカーもヘッドフォンも駆使して、家族とスペースを共有しながら、良い音を楽しんでいます。けして高額なものではないですが、音楽に没頭できることで良しとしたいと思います。

今後は、“家の外”も充実させていきたい。音楽とオーディオを愛する友人を増やすことができたらいいなと思います。昨年末も、とても素敵な“他に類を見ない”オーディオ求道者の方にお会いすることができました。ものづくりへのあくなき情熱を感じながら濃い時間を過ごすことができたことに感謝しています。

音楽を聴くことを楽しむ“空間”に足を運ぶことも再開させたい。昔やっていたようなジャズクラブだけでなく、ジャズ喫茶やカフェも見つけては訪れてみたいと思います。地域に根ざしたフェスにも行ってみたい。もちろんジャズだけでなくクラシックや様々なジャンルのイベントも楽しみたいと思っています。