2023-11-13

会社も「退場」するもの

 

組織を構成する「社員」も新陳代謝していくのが自然であると書きましたが、経済社会を構成する「会社」も同じく新陳代謝していくものだと思います。冷たい言い方になりますが、利益を出せない(税金を払えない)会社は市場から淘汰されていくようになっているということです。やはり税金を払って地域や社会に貢献してこそ会社の存在意義があると思っています。もちろん税金を払う以外にも、様々な貢献があると思いますが。

社長にとって「倒産」は仕事を失うだけでなく、多くの負債を抱えるという最も選びたくない選択肢です。しかし現実は月に何社も市場から退場を余儀なくされています。利益を出していれば「売却」という選択肢もあったと思うので、やはり利益を出せなかったということです。マイナスイメージしかないですが、こうして新陳代謝という作用があることは必要だと思います。

やっかいなのは、経営がうまくいっていないのに会社に区切りをつけられない社長自身です。多くの場合、金融機関などから借金を繰り返してなんとかキャッシュフローをポジティブにしているので、金融機関もその会社が潰れてしまっては困る(返済されない)し、社長自身も個人保証しているので、万が一のことがあったら多額の借金のみが残るという最悪の事態になるわけです。社員は転職すれば済む話しですが、社長はそうはいきません。だから倒産できないのです。

こうなってしまっては時既に遅しです。早め早めに経営判断していくためにもよき相談相手が社長には必要です。できれば取締役がその役目を務められればいいのですが、イエスマン体質にしていれば機能しません。建設的かつ時には厳しい意見を言ってくれる人が身近にいると助かります。

2023-11-10

Radio Music Society / Esperanza Spalding

 

Esperanza Spalding(エスペランサ・スポルディング)はアメリカのヴォーカリスト兼ベーシストとしてマルチプレイヤーでもあるそう。本作が出た2012年はCDを買わずにiTunesダウンロード音源のみで楽しむようになっていた時期で、当時このアルバムを繰り返し聴いていたのを覚えています。本作を聴いたとき「とんでもない才能がいるもんだ」と驚きました。彼女の歌はもちろん楽曲もすごくて、これぞいまのジャズだなと感心したものです。

彼女が表現したい音楽はとてつもなく広くて、深くて、自由。それが自在なヴォーカルにもベースラインにも表れているし、多彩な楽曲のカラーにも反映されています。ジャンルなんてとっくに超越していて、それを最高のハーモニーとリズムで聴かせてくれる傑作だと思います。ジャズとはそもそもそういうものなんじゃないのと軽々と提示してくれました。

全曲みっちり聴いて彼女の才能を感じてほしい。でも敢えて3曲オススメを挙げるとすれば、5.Black Gold 、ウェイン・ショーターの9.Endangered Species 、11.City Of Roses あたりかな。どの楽曲もその展開に驚きますし、追従する歌唱に思わず唸ります。それでいて耳に馴染むこの浸透力。僕の中では、スティーヴィー・ワンダーやパット・メセニーに比肩する才能だと思っています。

2023-11-09

「トップ25:ドバイ」を聴く

 

高校生の娘が海外研修でUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビやドバイに行きました。一週間留守番の親としても少しでもUAE気分を味わいたいと思い、Apple Musicのプレイリストでランキングにある「トップ25:ドバイ」や「トップ100:アラブ首長国連邦」を聴いていました。ちなみに都市別トップ25にはOsaka、Nagoya、Sapporo、Fukuoka、Kyoto、Sendai、Nahaもあります。

旅行のお供ミュージックとして、そこで流行っている音楽をチェックするのも面白いかなと思います。そこに住んでいる人がどんな音楽を好んで聴いているのかは興味があります。音楽は生活とともにあるので、音楽を聴くことで地元のお店や家庭、車の雰囲気に思いを馳せることができます。UAEのチャートはUSAのものが多い印象ですが、中にアラブらしい音楽が含まれていてそれが楽しい。もっと曲を調べれば、いま現在の国政状況も反映されているかもしれません。

サブスクではこんな楽しみ方も提供してくれていて感謝なのですが、サブスクがあることでみんな同じような曲を聴くようになってしまうのではとちょっと考えさせられます。レコードやCDしか無かった時代はもっと地元のアーティストがランキングを占めていたのではないか。できれば各国各都市のたとえば80年代のチャートも聴いてみたいと思ったりします。どこかにあるかな。

2023-11-08

säje / säje

 

säje(セージュ)はアメリカのコーラスグループ。グループ名はSara、Amanda、Johnaye、Erinの頭文字で確かな実力をもった4人。2021年第63回グラミー賞では1.Desert Song が “Best Arrangement, instrument, and Vocals”にノミネートされました。2023年デビューとなる本作では、バックにドーン・クレメント(p)、ベン・ウィリアムズ(b)、クリスチャン・ユーマン(ds)といったジャズメンバーが参加しています。

ジャズでコーラスといえばマンハッタン・トランスファーを思い出しますが、女性4人のコーラスは珍しいと思います。それぞれの声が美しく、緻密に複雑に調和しているコーラスはうっとりするほど。コーラスだけでなく、リードヴォーカルとしての実力もそれぞれしっかり聴くことができます。

美しい曲1.Desert Song やジェイコブ・コリアー参加の4.In The Wee Small Hours of the Morning を聴くと癒し系かと思いますが、憂いのある3.Never You Mind (アンブローズ・アキンムシーレTp.参加)やアップテンポの7.I Can't Help It (マイケル・ジャクソン。スティーヴィー・ワンダー作)あたりはジャズ濃いめでカッコいいです。ラストの10.Solid Ground/Blackbird のソウルフルなメドレーも静かに聴かせる曲でオススメです。


2023-11-07

liminal / 砂原良徳

 

砂原良徳は元電気グルーヴのメンバーでテクノミュージシャン。1998年「TAKE OFF AND LANDING」や1999年「LOVEBEAT」もオススメですが、この2011年作もとにかくまず音がスゴい。ヘッドフォンで聴いたら耳の中を縦横無尽に音が飛び交います。スピーカーで大きな音で聴くとさらに驚くような音が入っていて、ちょっと圧倒されてしまいます。僕は1音1音にこだわるアーティストが大好きでして砂原良徳はまさにその代表格だと言えます。

ミュージシャンは皆それぞれに音にこだわっていると思いますが、YMO世代としてはテクノと呼ばれるこうしたミュージシャンの活躍が嬉しい。テイ・トウワコーネリアス中田ヤスタカ、もちろん坂本龍一も。テクノとは言われていないかもですが海外ではマッシヴ・アタックエイフェックス・ツインあたりもすぐに思い出されるところです。彼らの作品での1音1音にかける時間や労力、選択力は僕には想像できないほどなんだと思っています。

たとえば1.The First Step でのライターのような音に続く26秒くらいからの音の拡がり、ビートの超低音、ノイズのような効果音など音数が少ないにもかかわらず凄い情報量です。3.Natural のウッドベースにノイズを乗せたような音のセンス。ここに至るまでいったいどれほどの音のなかからこれをチョイスしたのかと。YMOを進化させたような曲が続いていますが6.Beat It あたりのリズムセンスを聴くと、ああやっぱりスゴいなと。たった39分のアルバムですが長編を聴いたような感覚です。

2023-11-06

組織も新陳代謝していく

 

社長にとって最も聞きたくないスタッフの言葉は「会社を辞めたいんです」でしょう。志をともにして奮闘してきたスタッフであればあるほど、社長は凹みます。業績が芳しくないときには仕方がないと諦めるしかないのですが、これから成長しそうなときにこれを言われると「どうして」と相手も自分も責めてしまいそうになるものです。

しかしながら人が「辞めない」会社はありません。人間の細胞の新陳代謝と一緒で、自然現象と捉えるしかないでしょう。辞めていく人にとっては新たな職場が待っています。辞められた会社はまた新たな人材を獲得して奮闘していくことになります。昔と違って、人材は流動していく前提で社員を雇用し、一度辞めた社員がまた戻ってくることもある、くらいのつもりで経営していく時代になっていると思います。

雇用を維持しようとするのではなく、むしろ組織を時代にあわせて変化させ、個人にも変化と成長を促していく。時代に合わせた戦略のもと、ある分野では長期雇用が合うかもしれないですし、人が入れ替わることで新たな価値を生み出せる分野もあるでしょう。個人にとっても会社という器があわなくなれば、別の器を探して転職していくほうが無理がないと思います。「選択の時代」だからこそ、会社も個人も常に準備していく必要があります。

2023-11-02

都会の囀り(さえずり)

 

ベランダからいい声が聞こえてきたので録音しました。
レコーダーを近づけても、逃げることなく羽繕いしながら、
きれいな囀りを聞かせてくれました。

録音機材レコーダーはKORG MR-2 内蔵マイクにて収録
セッティングはMic Sens HIGH それ以外は全部Off
ファイル形式はWAV 24bit 192kHz ※SoundCloudにてダウンロード可