2023-12-29

Rainbow

 

高校時代、中古のストラトキャスター(フェルナンデス)を手に入れた僕のアイドルはリッチー・ブラックモアでした。Rainbow(レインボー)を知ったのはやはりFMラジオでヒット曲「アイ・サレンダー」を聴いたのがきっかけ。1981年のアルバム「Difficult To Cure」の1曲目でした。当時よく読んでいたミュージックライフにもリッチーに関する記事は載っていたので、元ディープ・パープルの伝説のギタリストであり、白いストラトキャスターを弾く写真にカリスマ性を感じました。

LPレコードを買うのもやっとの小遣いでレインボーの2枚組ベスト盤を手に入れ、カセットにダビングして何度も聴きました。このベスト盤にはVo.がロニー・ジェイムス・ディオ期、グラハム・ボネット期の曲が入っていて、僕がレインボーでNo.1と思っている「Kill The King」や初めてギターをコピー弾きした「All Night Long」があります。のちにお年玉すべてを握りしめて秋葉原の石丸電気にてレインボーのLPレコードをコンプリートし、リッチーのポスターを手に入れ部屋に貼っていました。

1982年のアルバム「Straight Between The Eyes」発売後に武道館にライヴを観に行き、リッチーが登場したとき鳥肌が立ちまくったのを覚えています。同じ空間にあのリッチーがギターを弾きまくっているなんて。ポップになったといわれるジョー・リン・ターナー期でありますが、曲はどれも秀逸でリッチーのポップ性も垣間見ることができ、ちゃんとパープル時代のファンも満足させ、ギターもハードに弾きまくっています。ラージヘッド、スキャロップドフィンガーボード、センターピックアップ下げ、シンクロナイズドトレモロ浮かせ、トレモロアーム長太などリッチーのギターについてはまたいつか。

2023-12-28

音楽ファンの調査結果

 

2023年ももうすぐ終わりです。「人に会わないように」なんていうコロナの異常事態から脱して、今年はリベンジ的に動き回ったなんて人も多いと思います。そしてもうコロナのせいにはできないぞという根本的な問題が表出し始めた年でもあったでしょう。音楽好きとしては著名なミュージシャンたちがこの世を去った悲しい年でもありました。

今月、国際レコード産業連盟(IFPI)というところが最新調査を発表しています。

  • 全世界の音楽ファンが音楽を聴くのに費やす時間は週平均20.7時間
  • 音楽ファンの73%が(中略)ストリーミング・サービスを通じてお気に入りのアーティストを聴いています。
  • その他の人気フォーマットとしては、ラジオで聴く(17%)、購入した音楽を聴く(9%)、ライヴコンサートへの参加(4%)が挙げられます。
  • 最も利用されているのは定額制音楽配信サービスで、音楽ファンの1週間の視聴時間の約3分の1(32%)を占めています。(中略)有料会員の割合は(中略)48%
  • 次いでYouTubeやTikTokなどのプラットフォームによる動画ストリーミングが31%を占めています。
全世界の大雑把な傾向とはいえ、たとえば僕のような音楽好きにとっての知人友人が100人だとして、73人がスマホやPCで音楽を聴いて、うち35人くらいが有料サービス利用、レコードやCDを買う人はたったの9人、コンサートに行くのは4人だけというのは、なんとなく肌感覚で離れていない気がします。

もともとポップスやロックのターゲットである若者はショート動画で音楽に接しているのに対して、有料音楽を楽しむオーディオやコンサートは価格高騰して、一部の金持ちだけの趣味になりかねない状況です。僕たちがYMOやジェフ・ベックのギターに夢中になったように、全世代の音楽ファンが“ロング”に夢中になれる状況を少しでもつくれないかと、来年も発信していこうと思います。

2023-12-27

Jazz Hands / Bob James

 

Bob James(ボブ・ジェームス)はアメリカのジャズ&フュージョンピアニスト。御年83歳。元ワーナー・ブラザースのジャズ部門取締役。同時期のポップス部門取締役がプリンスってのも驚きます。正直私この歳になるまであまり聴いてこなかったのですが、スピーカーを買い替えて高音質を求めるうち、フォープレイなんぞを聴いたりして「ああたしかにいい音だ」と身を委ねた次第です。

ボブ・ジェームスのソロとしては昨年の「Feel Like Making LIVE!」がすこぶる高音質でSACDで購入してステレオ&マルチチャンネルで楽しんでおります。音のリアリティ、空間表現、時にスリリングな演奏といったオーディオ用語になっちゃうんですが、とにかく無理なく聴くことができます。2023年年末を飾る本作も「まだまだ行くぞ」とばかりボブ・ジェームス節を高音質で届けてくれます。

1.Mambalicious から変拍子でさすがのフュージョンです。意外な3.Jazz Hands (feat. CeeLo Green)は、いきなりファットなベースに乗せてR&Bナンバーです。タイトル曲であり本アルバム中イチオシです。同じく意外な8.That Bop はハウスっぽいナンバーでこれもなかなか良いです。なにかとバタバタしがちな年末ですが、正月くらいはゆっくりゆったりと音楽に浸りたい、そんな時にピッタリなアルバムだと思います。

2023-12-26

Cheap Trick

 

多くの人は15歳〜17歳くらいに聴いた音楽を一生聴き続けると聞いたことがありますが、ほんとにそうだなぁと思います。1980年は15歳でしたから中3。FMラジオで“ダイヤトーン・ポップスベストテン”をエアチェックしていた頃です。ラジカセはAIWAのCS-80でした。僕の耳をとらえたのはCheap Trick(チープ・トリック)のロビン・ザンダー(当時はサンダーと言っていた)の声でした。

曲はアルバム「Dream Police」(1979年発売)の1曲目タイトル曲。キャッチーなメロディと自在なヴォーカルに魅了されました。FM誌を読むとなんともカッコいいヴォーカルとベース。対照的にひょうきんなギターとドラムス。当時流行りのツートーン。次いでヒット曲6.Voices の美メロにまたやられてしまった。

僕にとってのビートルズはチープ・トリックであり、のちにロイ・オービソンを聴いたりして似たものを感じてやっぱり彼らのメロディとサウンドが好きなんだなと。ギター大好きのリック・ニールセンも大好きです。1980年発売の「All Shook Up」も聴いた聴いた。1.Stop This Game は歌詞も覚えたくらい。チープ・トリックこそ僕が最初にのめりこんだ洋楽であり、ハードロックの入り口であり、のちにギター少年となる布石バンドだったのです。

2023-12-25

集めた事実をAIが分析

 

会社経営をしていると「愚直」であることの大切さが身にしみてわかります。人間としてはつい自分の都合のいいように事実を曲げて報告してしまったり、愚痴や悪口を言ったり聞いたりして他人にバイアスをかけたり、仕事以外のその日の気分で面倒になったり嫌になったりしてしまいます。しかし社長としてはなるべく事実を事実のまま把握して、次なる対策を練りたい。

「言わなくてもわかる」「空気を読む」というのが長所になっている組織も、実は社長や上司がラクなだけかもしれません。情報を受発信するのは誰にとっても労力のかかることですから。だからこそコミュニティでは発信しやすく、フィードバックしやすくする工夫が必要なのです。中でも事実を事実としてできるだけ情報を集め報告しあうような愚直なプロセスは、それほど時間をかけずにできるコミュニティ活性方法だと思います。

特に机上で立てた仮説を検証するための「現場」観察というプロセスは、リモートワークが普通になる今後のワークスタイルの中でも大切なものになってきます。現場に足を運び、人と話し、写真や動画を撮り、コミュニティで事実をシェアすることが、その後の問題発見や課題抽出に多いに役に立つでしょう。そうして集めた事実はAIに一次分析してもらうというわけです。

うまくいっているプロジェクトはやっぱり「ユーザー」「現場」オリエンテッドです。提供側がいくら良いプロダクトができたと思っても、できる限り多くの現場の声をフィードバックしたプロダクトが継続して強いんです。

2023-12-22

Phoenix / Dirty Loops

 

Dirty Loops(ダーティ・ループス)はスウェーデンの3人組バンド。近所のオーディオショップで知ってから、彼らの驚愕の演奏力をYouTubeで観漁りました。デヴィッド・フォスターやクインシー・ジョーンズが目をつけただけあって、物凄い才能だと思います。演奏力、歌唱力、作曲、編曲どれをとってもすでに一流で、多くの人を惹きつけています。2020年の本作は小出しに発表していた楽曲をアルバムにしたものです。

僕だけでなく家族でファンになって、2022年のビルボード東京のライヴも見に行きました。素晴らしい演奏に加えて、サービス精神旺盛で優しそうなお兄さんたちでした。カシオペアやパット・メセニーが大好きというのも頷ける曲があったりして親近感もあります。そして2023年の今、新しい曲が出ないかぁなと心待ちにしています。

1.Rock You から激速のスネア連打&タム回しとチョッパーバリバリで始まります。ヒットの匂いプンプンのメロディと歌で、あぁこりゃスゴいわと感服。2.Work Shit Out もグイグイ来ます。曲の展開がカッコいいいい。5.Breakdown を聴けばマイケルを連想したりして、そりゃクインシーが惚れるわけだわと納得。6.Old Armando Had A Farm 、7.Bitten By The Kitten 、8.Coffee Break Is Over と連発で、着いて来られるかとばかりのベースとドラムスとのキメが凄まじい。20年代始まりに新星が現れて音楽ファンとしても嬉しかったのです。

2023-12-21

NYのジャズクラブに想う

 

先日YouTubeで、NYのジャズクラブ事情の動画を見ました。小さめのハコで、ミュージシャンが飛び入りで参加できる時間帯(たしか13時〜くらい)なのですが、オーディエンスもぎっしり(席数は少ないかも)でジャズの名曲をミュージシャンがアレンジしながら演奏して盛り上がっていました。さすがニューヨークと思いましたが、音楽のライヴを日常的に楽しむ雰囲気があって羨ましかったです。

日本では出演するミュージシャンは予め決まっていて、お店のホームページ等で告知してチケットを買います。誰が出るかわからないライヴではそもそも人は集まりません。当然かもしれないですが、何か変わってきてもいいのではと思います。誰が演奏するかではなく、どの楽曲を演るかで人を集めることができたら。いまでもビートルズのトリビュートバンドのライヴは人気があります。そんな感じです。

まずは楽器を演奏する人や歌を歌う人に来てほしい。アマチュアでもプロでも。できるだけ多くの演奏を聴いてほしいと思います。しかし練習に忙しくて時間もないし、仕事だってある。だからこそ平日の小一時間で、出入り自由の軽い気分でライヴに来ることができたらと思います。できればチャージもワンドリンク付き2,000円〜2,500円くらい。余裕のある人は料理も頼んでお酒も追加して。であれば週1くらいは行けるかなと。聴衆をどうやって増やすことができるのかアレコレ考えています。