2024-01-05

Iron Maiden

 

1980年「鋼鉄の処女(Iron Maiden)」の1曲目Prowler をラジオで聴き、ほかのバンドと違う“勢い”を感じました。続く1981年「キラーズ(Killers)」でアンセム1.The Ides Of March からの2.Wrathchild を聴き、これってパンク?と思うほど衝撃的で扇動的なサウンドに病みつきになってしまいました。そして彼らの曲をかけるたびに弾き始めたばかりのエレキギターを掻きむしっていました。展開の多い彼らの曲でも合わせて口ずさむくらいに覚えています。

メタルファンであれば“NWOBHM”が何であるかはわかると思います。高校時代の当時、彼らアイアン・メイデンやジューダス・プリースト、デフ・レパード、サクソン、AC/DCが出演するフィルムコンサート(大ホールでライヴヴィデオを大音量で観るイベント)を数回観に行きました。司会の伊藤政則氏らが紹介してくれました。そしてミュージックライフやヤングギターというシンコーミュージックの雑誌は僕らのバイブルでした。

アイアン・メイデンのヴォーカルといえば元サムソンのブルース・ブルース、現ブルース・ディッキンソンですが、上記のように僕は初代ポール・ディアノのヴォーカルが好きでこの1作目2作目には思い入れがあります。リーダーであり物凄いベースのスティーヴ・ハリスはもちろん手数の多いドラムスの故クライヴ・バーのプレイも好きでした。そしてジューダス同様ツインギターのハモリとソロ。そして泣く子も黙るジャケットのアートワーク。メタルの原点ここにありです。

2024-01-04

2024年何して遊ぼ

 

2024年の今年は“中年”最後の年。眼や歯にガタがきましたが、耳はなんとか年相応に聴こえているようで今後も大切にしていきたいと思います。音楽を聴くにも健康な体は必須条件なのだとつくづく思います。そのためにも体によいものを食べて、少しは運動して、よく眠るということが大切なのでしょう。

翌年の還暦以降も音楽を楽しむために、今年できることをやりたいと思います。おかげさまで家のリビングオーディオは、それなりに満足のいく環境ができました。スピーカーもヘッドフォンも駆使して、家族とスペースを共有しながら、良い音を楽しんでいます。けして高額なものではないですが、音楽に没頭できることで良しとしたいと思います。

今後は、“家の外”も充実させていきたい。音楽とオーディオを愛する友人を増やすことができたらいいなと思います。昨年末も、とても素敵な“他に類を見ない”オーディオ求道者の方にお会いすることができました。ものづくりへのあくなき情熱を感じながら濃い時間を過ごすことができたことに感謝しています。

音楽を聴くことを楽しむ“空間”に足を運ぶことも再開させたい。昔やっていたようなジャズクラブだけでなく、ジャズ喫茶やカフェも見つけては訪れてみたいと思います。地域に根ざしたフェスにも行ってみたい。もちろんジャズだけでなくクラシックや様々なジャンルのイベントも楽しみたいと思っています。

2024-01-03

Sonic Bouquet / Jocelyn Gould

 

Jocelyn Gould(ジョスリン・グールド)はカナダのジャズギタリスト。2020年に初アルバムを発表して、2023年本作は3作目。2018年にはウィルソンセンター国際ジャズギターコンペティションで優勝しているという筋金入りで出世しています。そしてハンバー大学の教員で、ギター学科の部長というのも確かさを裏付けています。

ジャズギターといえば、ウエス・モンゴメリー、グラント・グリーン、ケニー・バレル、ジム・ホール、ジョー・パスあたりを思い浮かべますが、彼女のギターを聴くとそんなレジェンドもきちんと身につけたうえでのオリジナリティを感じます。僕もギターを弾きますが、ジャズギターはロックのそれとはまったく別物で、どうやったらあのタイム感やコードワークとフレージングができるのか想像すら出来ません。尊敬しかないです。

1.Trail Blazer は勢いよく小粋で明るいオクターブなメロディで始まります。後半ドラムスがビシバシ叩いたりするところで、こりゃバックメンバーもタダモノではないぞと思わせます。同じく勢いのよい4.The Kicker も素晴らしい演奏です。弾きまくるというよりもなにかこう優しさがあるフレージングが彼女の持ち味ではないかと。9.Napoleon's Prelude での出だしのクラシカルな感じもさすがですし、そのあとの軽快なスウィングも気持ち良い。新春に家でゆっくり酒でも傾けながらぜひ。

2024-01-02

Ozzy Osbourne & Randy Rhoads

 

当時FMラジオで渋谷陽一さんの番組をエアチェックして「なんだこの荘厳な曲は」「そしてなんだこの劇的かつ速弾きなギターは」と思ったのがOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)1980年のアルバム「Blizzard of Ozz」に収められている6.Mr. Crowley でした。そして1982年に飛行機事故で亡くなるギタリスト、Randy Rhoads(ランディー・ローズ)との出会いでした。以来命日である3月19日はランディーのギターを聴く日として40年続けています。

たった2枚のスタジオアルバムを残したランディーのギターについて、語り尽くせぬ人は多いと思います。彼のあの体とギターの組み合わせでないと出ないサウンド。耳と心に残るリフとソロ。クラシックギターを勉強していた彼らしいバッキングでのアルペジオ。ソロ小曲4.Dee では心で涙します。ランディーのファンは世界中にいると思いますが、ギターソロでのそのマイナーなメロディーラインは多くの日本人の琴線に触れるものだと思います。

オジーの歴代ギターとしては、代打のブラッド・ギルス(ナイト・レンジャー)、ジェイク・E・リーの2枚、ザック・ワイルド期も大好きです。あまり話題にならないジェイクの天才的ギターはランディーの功績を見事に受け継ぎ、さらに高めていると僕は思います。そして彼らに影響を与えるのは、たとえば1981年のアルバム「Diary of a Madman」での2.Flying High Again や8.タイトル曲という、他に類を見ないランディーのギタープレイがあってこそと思っています。

2023-12-29

Rainbow

 

高校時代、中古のストラトキャスター(フェルナンデス)を手に入れた僕のアイドルはリッチー・ブラックモアでした。Rainbow(レインボー)を知ったのはやはりFMラジオでヒット曲「アイ・サレンダー」を聴いたのがきっかけ。1981年のアルバム「Difficult To Cure」の1曲目でした。当時よく読んでいたミュージックライフにもリッチーに関する記事は載っていたので、元ディープ・パープルの伝説のギタリストであり、白いストラトキャスターを弾く写真にカリスマ性を感じました。

LPレコードを買うのもやっとの小遣いでレインボーの2枚組ベスト盤を手に入れ、カセットにダビングして何度も聴きました。このベスト盤にはVo.がロニー・ジェイムス・ディオ期、グラハム・ボネット期の曲が入っていて、僕がレインボーでNo.1と思っている「Kill The King」や初めてギターをコピー弾きした「All Night Long」があります。のちにお年玉すべてを握りしめて秋葉原の石丸電気にてレインボーのLPレコードをコンプリートし、リッチーのポスターを手に入れ部屋に貼っていました。

1982年のアルバム「Straight Between The Eyes」発売後に武道館にライヴを観に行き、リッチーが登場したとき鳥肌が立ちまくったのを覚えています。同じ空間にあのリッチーがギターを弾きまくっているなんて。ポップになったといわれるジョー・リン・ターナー期でありますが、曲はどれも秀逸でリッチーのポップ性も垣間見ることができ、ちゃんとパープル時代のファンも満足させ、ギターもハードに弾きまくっています。ラージヘッド、スキャロップドフィンガーボード、センターピックアップ下げ、シンクロナイズドトレモロ浮かせ、トレモロアーム長太などリッチーのギターについてはまたいつか。

2023-12-28

音楽ファンの調査結果

 

2023年ももうすぐ終わりです。「人に会わないように」なんていうコロナの異常事態から脱して、今年はリベンジ的に動き回ったなんて人も多いと思います。そしてもうコロナのせいにはできないぞという根本的な問題が表出し始めた年でもあったでしょう。音楽好きとしては著名なミュージシャンたちがこの世を去った悲しい年でもありました。

今月、国際レコード産業連盟(IFPI)というところが最新調査を発表しています。

  • 全世界の音楽ファンが音楽を聴くのに費やす時間は週平均20.7時間
  • 音楽ファンの73%が(中略)ストリーミング・サービスを通じてお気に入りのアーティストを聴いています。
  • その他の人気フォーマットとしては、ラジオで聴く(17%)、購入した音楽を聴く(9%)、ライヴコンサートへの参加(4%)が挙げられます。
  • 最も利用されているのは定額制音楽配信サービスで、音楽ファンの1週間の視聴時間の約3分の1(32%)を占めています。(中略)有料会員の割合は(中略)48%
  • 次いでYouTubeやTikTokなどのプラットフォームによる動画ストリーミングが31%を占めています。
全世界の大雑把な傾向とはいえ、たとえば僕のような音楽好きにとっての知人友人が100人だとして、73人がスマホやPCで音楽を聴いて、うち35人くらいが有料サービス利用、レコードやCDを買う人はたったの9人、コンサートに行くのは4人だけというのは、なんとなく肌感覚で離れていない気がします。

もともとポップスやロックのターゲットである若者はショート動画で音楽に接しているのに対して、有料音楽を楽しむオーディオやコンサートは価格高騰して、一部の金持ちだけの趣味になりかねない状況です。僕たちがYMOやジェフ・ベックのギターに夢中になったように、全世代の音楽ファンが“ロング”に夢中になれる状況を少しでもつくれないかと、来年も発信していこうと思います。

2023-12-27

Jazz Hands / Bob James

 

Bob James(ボブ・ジェームス)はアメリカのジャズ&フュージョンピアニスト。御年83歳。元ワーナー・ブラザースのジャズ部門取締役。同時期のポップス部門取締役がプリンスってのも驚きます。正直私この歳になるまであまり聴いてこなかったのですが、スピーカーを買い替えて高音質を求めるうち、フォープレイなんぞを聴いたりして「ああたしかにいい音だ」と身を委ねた次第です。

ボブ・ジェームスのソロとしては昨年の「Feel Like Making LIVE!」がすこぶる高音質でSACDで購入してステレオ&マルチチャンネルで楽しんでおります。音のリアリティ、空間表現、時にスリリングな演奏といったオーディオ用語になっちゃうんですが、とにかく無理なく聴くことができます。2023年年末を飾る本作も「まだまだ行くぞ」とばかりボブ・ジェームス節を高音質で届けてくれます。

1.Mambalicious から変拍子でさすがのフュージョンです。意外な3.Jazz Hands (feat. CeeLo Green)は、いきなりファットなベースに乗せてR&Bナンバーです。タイトル曲であり本アルバム中イチオシです。同じく意外な8.That Bop はハウスっぽいナンバーでこれもなかなか良いです。なにかとバタバタしがちな年末ですが、正月くらいはゆっくりゆったりと音楽に浸りたい、そんな時にピッタリなアルバムだと思います。