2025-11-28

Memories of Home / John Scofield & Dave Holland

 

John Scofield(ジョン・スコフィールド、略してジョンスコ):アメリカのジャズギタリストとDave Holland(デイヴ・ホランド):イギリスのジャズベーシストのデュエット2025年新作です。時期は違いますがともにマイルス・デイヴィスのグループ在籍経験者でもあり、ジャズ聴きで知らぬ人はいないでしょう。

1.Icons at the Fair でちょっとエスニックなイントロのあと、「え?」と一瞬パット・メセニーの「Question and Answer」かと想わせたり。あの曲はホランドとのアルバムですしムフフ... 。ギターとベースのデュエットで言えばメセニーとチャーリー・ヘイデンの「Beyond The Missouri Sky(ミズーリの空高く)」が有名でしてそりゃもう愛聴盤です。で、こちらのジョンスコ&ホランド組もいかにも彼らの演奏で、素晴らしい味わいのアルバムに仕上がっています。

このところとにかくジョンスコさんのギターを聴くことが多くて、フュージョン期、ファンキー期をはじめ2023年作でもとても好きなサウンドを聴かせてくれました。3.Mine Are Blues のユニゾンからなだれ込むスイングの気持ちよいこと。ギターの音色はもちろんホランドのベースの音がたまらなくイイ。ベース音ついでに6.Not for Nothin’ なんて鳴ってないドラムスの音が聴こえてきそう。9.Memories of Home はインストなのに歌モノの曲のように和みます。じっくりとギター&ベースの音に浸っていただきたいアルバムです。


2025-11-21

Qobuz Japan 1周年

 

フランス発のQobuz(コバズ)が日本でのサービスを開始してから1年が経ったとのこと。Xに投稿すると抽選で賞品が当たるという1周年記念キャンペーンにも応募してみたりしています。

サブスク音楽配信は何を契約しているかを聞くと、やはりAppleMusic、Spotifyが多くて、たまにYouTube、AmazonMusicで、Qobuzの名前はあまり聞きません。もちろんオーディオ界隈の方々は使用している方が多くなりますが。

僕自身もアップルの一連のサブスクサービスは家族モードで加入し共有していますから、AppleMusicも併用しています。歌詞が表示されたり(最近は和訳も)、プレイリストが良かったりという利点もあります。ドルビーアトモスによる空間オーディオが聴けるのも魅力。そして「サブスクにはない楽曲なので、手持ちのCD(リッピングデータ)をアップロードしてライブラリに追加」できるのもありがたい機能です。

でも家のスピーカーで鳴らすとき、またはヘッドフォンでじっくり聴くときはずっとQobuzです。理由は「音質」です。AppleMusicも音質が悪いわけではないのです。が、“味付け”を感じてしまうことがあります。その点、Qobuzは登録された楽曲データそのままという感じ。シャッフル再生などで音量を揃える機能もありません。作り手の意図のままに感じたいという思いでQobuzを聴いています。

たま〜に、ほかのサブスクにあってQobuzにはない曲があります。「なぜこれがない...」とぼやきながらCDをかけたりすることもあります。リクエストもできますが、ね。

1年使ってみて、使い勝手も改善されてきていますし、楽曲との出会いもちゃんとありますし、Qobuz Connectでスマホでリモコンできて快適ですし...。次の1年も使い続けることにします。

2025-11-14

By All Means / Aaron Parks

 

ジャズピアニストAaron Parks(アーロン・パークス)の2025年新作。昨年の前作「Little Big III」と同じくブルーノートからのリリースとなります。ベン・ストリートB、ビリー・ハートDs(85歳!)に加えベン・ソロモンTsが参加しています。

アルバムジャケットはジャッキー・マクリーンの「It’s Time」からインスパイアされたのではと(Apple Musicの注釈文)。ブルーノートのジャケットは僕も大好きでカヴァーアート集を眺めながら音を聴くのも楽しみのひとつです。

ブルーノート アルバム・カヴァー・アート(美術出版社)
レコード大のアートを楽しめます

1.A Way を聴くとウェイン・ショーターを想わせる音選び。ビリー・ハートの繊細なドラムスがとても印象的です。2.Parks Lope ではリラックスした良きスイングも聴かせてくれてなごみます。5.Anywhere Together もブルーノート的なちょっと凝ったアレンジで楽しい曲。秋空のひとときにぴったりな気持ちのよいアルバムです。24/192のハイレゾ音源でも楽しめますよ。



2025-11-07

個人的に重要な曲の“男女時期差”

 

我が娘は大学生でもうすぐ19歳になります。つい最近「洋楽好きな友達と盛り上がったぁ」と、プレイリストを片っ端から聴かせてくれました。大雑把ですが、ブルーノ・マーズ、エド・シーラン、デュア・リパの楽曲が多かったかな。とにかく好きで繰り返し聴いては歌ったり踊ったりしているそうです。

先月下旬こんな記事を見つけました。“音楽が最も強く心に響く時期は性別で異なる 男性は16歳頃、女性は19歳頃 最新研究結果”。「10代から60代半ばまで11言語を話す84カ国・約2000人の参加者に『あなたにとって個人的に重要または意味のある音楽を1曲挙げてください』というシンプルな質問」によるものです。

一貫していたのは「女性は男性よりも遅い時期に音楽との深い結びつきを形成する」とのことで、さらに引用すると

思春期中期(おおよそ14~17歳)には、多くの若い男性がロックやメタルのような激しく反抗的なジャンルに惹かれます。こうした音楽的選択には明確な目的があるという。自立の確立、仲間集団との同調、そして親からの自立の表明が挙げられています。 〜中略〜 一方、女性は思春期において、より多様で感情的に多層的な方法で音楽と関わる傾向があるという。反抗や仲間との同調を主目的とするのではなく、若い女性は、感情表現、恋愛関係の整理、価値観の探求、社会的つながりの維持のために音楽に頼ることが多いという。 

僕が16歳というと1981年ですからまさに自分的にハードロック最盛期。 高校生から大学生へと向かって親からの自立を試みていたのかもしれません。バンドを組むことも仲間との同調であると。

19歳の娘は、大学のサークル活動で友達と過ごしては「楽しかったぁ」と帰って来る毎日。この生活を表現することと音楽体験がリンクしているんだと思います。我が家はたまたまこの研究結果と重なっていますが、同じようなことを感じる方は多いのではないでしょうか。

ちなみに娘は僕の影響もあってマイケル・ジャクソンやクイーンも好きで聴きますが、友達と盛り上がるのは近年のポップスであるようです。そして将来「よく聴いたわ〜」とブルーノ・マーズをかけては大学時代を思い出すことでしょう。