2023-07-07

Travelling Without Moving / Jamiroquai

 

Jamiroquai(ジャミロクワイ)の1996年本作(3作目)は「世界一売れたファンクアルバムとしてギネス登録」だそうです。同じイギリス・ロンドン発のブラン・ニュー・ヘヴィーズインコグニートと並びよく聴きました。CDショップでもかなり推していた記憶です。MTV世代としても1.Virtual Insanity のビデオは何回観たことか。

1作目の「Emergency On Planet Earth」を輸入盤で購入したときは変わった風貌のミュージシャンが出てきたなと思っていたのですが、とにかくサウンドがカッコいい。特にベースライン強調のリズムは昨今のヒット曲に影響を与えているのではと思います。元はジェイムス・ブラウンなんですけど。

あまりに有名なアルバムなので勢いで全曲聴いてしまうと思いますが、彼らしいのはやはり1.Virtual Insanity でしょう。2.Cosmic Girl も大ヒット曲で最近の曲だと言ってもわからないくらい。スローナンバーの4.Everyday やディスコナンバーの5.Alright もベース曲の真骨頂。7.Drifting Along ではレゲエだってできちゃうんだぞとばかり。フェラーリで始まる10.Travelling Without Moving の高速ファンクもオススメ。


2023-07-06

唯一無二の密閉型ヘッドフォン

 

家の事情を考えるとヘッドフォンやイヤフォンにならざるを得ないわけですが、メリットもあります。それは複数機種で聴けること。設置場所の影響を受けず音楽に没頭できて、気分や好みに応じて聴く環境を変えられるのはうれしい。

僕はSTAXイヤースピーカーを空間表現の優れたまるで高級オーディオのような音として愛用していますが、たまには大音量でもっとガツンとくる音を聴きたいときがあります。元々メタラーですし、ダンスミュージックだって好きですから。そういうときはULTRASONE edition9 というドイツの密閉型ヘッドフォンを使用します。

ULTRASONE edition9

たとえばメタルのツーバス連打。普通のヘッドフォンなら低域が膨らんでちょっとボワボワっしてしまうところをedition9は膨らむことなくグリップの効いた低音でドカドカ迫ってきます。高域はクッキリと伝えてきて細かな音もしっかり聴き取れるのでスタジオ仕様のモニター的無味な音かというとそんなことはなく、音作りは積極的なノリを強調してくるのでリスニング的。長時間聴きには不向きですけど。

ほかにもいろいろなヘッドフォンを試しましたが、メタル最適&エレクトリックもグイグイの音は唯一無二。15年以上前に購入した限定生産モデルで、残念ながら新品はもう売っていません。大切に使っていきます。こうしてまったくキャラの違うオープン型のSTAXと密閉型のULTRASONE edition9を使い分けして楽しんでいます。

2023-07-05

I Want More / Donny McCaslin

 

Donny McCaslin(ダニー・マッキャスリン)はアメリカのジャズサックス奏者。マイケル・ブレッカーの後任としてステップス・アヘッドに加入したり、デヴィッド・ボウイの最後のアルバムでリーダーを努めたりしました。2023年本作の音からもわかるように実力派なだけでなくジャズ以外のファンの支持も得ているようです。

メンバーにマーク・ジュリアナ(ドラムス)がいるあたりがこのワンホーン・カルテットの傾向に影響を与えていると思われます。僕好みのエレクトロニカやロックっぽさを全面的に展開して、Apple MusicのDolby Atmos(空間オーディオ)で聴くと音が八方から降り注いだり移動したり。おっさんだから落ち着いたジャズがいいなんて決めつけずに、体を揺らすのもいいかと思います。そして普段ジャズを聴かない音楽ファンにも聴いてほしい。

1.Stria を聴けば「おっこれは今までにない感じだな」とすぐ気づくはずです。シンセ音だけでなくリズムも曲展開も新しさを感じます。今回は刺激の強いところを紹介しますと、4.Body Blow もバスバスきます。ドラムンベース的な。6.Turbo はダブステップ的な。サックスのインプロがとてもマッチしていて盛り上がります。マイルス先生、エレクトリックジャズはここまで来ましたよ。


2023-07-04

WATASHI / Sandii

 

Sandii(サンディー)は日本の女性シンガーで、80年代に久保田麻琴とのサンディー&ザ・サンセッツとしてYMOと同時に知りました。ソロになった1990年の「マーシー」からリズムもメロディーも新鮮でこれぞアジア音楽だと思って発表される作品をずっと追いかけていました。

1996年の本作ではソロの集大成としてよりパーソナルでアコースティックな曲になり、あたたかい気持ちでよく聴きました。古き良き日本のメロディやアジアンテイスト、ボサノヴァ&サンバが優しい音でほどよくブレンドされていて、ほかにはないサンディーさんのサウンドが繰り広げられています。

1.雪 / わたし は彼女の作品の中でも大好きな1曲で、かかっていなくてもたまに口ずさんでいます。9.サンビイニャ はサンバらしい曲かと思いきや途中にサンディーらしい哀愁のメロディを挟むあたりがニヤリと。作曲とベースに細野晴臣参加の11.ライフ ~THERE IS NOTHING HIGHER THAN YOUR LIFE~ はポジティブなメロディーのバックで鳴っている個性的な楽器たちに耳を傾けると面白い曲です。


2023-07-03

ビジネスするなら基礎から

 

新卒で電機メーカーに就職したメリットのひとつが新入社員研修です。にもかかわらず私は学生気分が抜けず、特に座学は真面目に受けていなかったことを今は反省しています。きっと大事なことを教えてくれていたと思います。給料をもらってかつノウハウも教えてもらうなんてテイク&テイクです。

挨拶や相手を尊重する行動、ルールや不正を防ぐことなどビジネスマナーはどの会社でも必須で、中途採用でも念を押しておく必要があります。言われなくても知っているでしょという過信はできない世の中です。教えてくれなくても自分で学習しておく態度も大事です。

さらに必須としたいのはビジネススキルです。ロジカルシンキング、マーケティング、アカウンティング(会計)の3つは基礎です。これに「7つの習慣」を加えておきたい。お客様と商談するにしても社内でミーティングするにしてもこれらの基礎を知らなければビジネスはできません。これらの基礎をやらずに精神論でミーティングしている会社のなんと多いことか。

前回のBSCで述べたように、社長が欲しがっている“利益”の源泉に「学習と成長の視点」があり、上記ビジネス基礎はそのひとつです。本来は社会人1年目で修得すべき知識です。基礎力は個人で1回本を読んだだけでは身につきません。ビジネスの現場で繰り返し実践することで腑に落ちていきます。ミーティングの会話が1年前と比べてずいぶん変わったなとなりたいものです。

2023-06-30

Protection / Massive Attack

 

Massive Attack(マッシヴ・アタック)の1995年2ndアルバム。本作も一音一音へのこだわりが感じられる作品であり、彼らのアルバムの中ではどこか暖かみのある曲調でやはりよく聴きました。アナログシンセな音とぶっといベースがマッチしているのも好みの理由。

これらの曲をマッド・プロフェッサーというエンジニアが徹底的に破壊し、全く違う質感で再構築した「No Protection」(アルバムアート最高!)という作品がまた大好きで、もともとダブな作品をダブ漬けにする過激な作品に仕上げています。マッシヴの曲はこうしたリミックスが多数出ているのも楽しみのひとつでした。

いつも魅力的なヴォーカルを参加させる彼らですが、1.Protection のトレイシー・ソーン(エヴリシング・バット・ザ・ガールのVo.)も曲に合った雰囲気のある彼女の歌で、ダブなイントロから世界に引き込まれます。インストの4.Weather Storm の叙情的なピアノとメロディが彼ららしい。5.Spying Glass のダブ曲ではレゲエ・シンガーのホレス・アンディの癖のある歌が病みつきになります。10.Light My Fire (Live) はドアーズの名曲をどっぷりレゲエ・ライヴにして聴かせてくれます。


2023-06-29

人はそれをイヤースピーカーと呼ぶ

 

スピーカーで音楽を聴くのは楽しいし気持ちいい。でも家族がいるリビングでかつ集合住宅の我が家ではヘッドフォンが必要です。夜でも大きめの音量で聴きたい。設置場所も部屋の影響も関係ないヘッドフォンですから、ここはひとつ良いものをと思い、STAX SR-L700 MK2を愛用しています。

STAX SR-L700 MK2と専用アンプSRM-353X

四角いヘッドフォン。実は中学生の頃からの憧れだったのです。秋葉原でSTAXを聴いたとき、まるで装着していないかのような自然な音が耳や頭の周囲で鳴っていました。あれから40年。その道のプロが試聴機を用意してくれていました。ここで会ったのは運命とばかり数機種をじっくり聴いてこのL700 MK2を選びました。40年前の感動はいまや自宅で続いています。

ほかのヘッドフォンと鳴らす方法が違います。接続する端子もケーブルの形状も違いますし何より専用のアンプ(ドライバー)が必要です。音質は音楽の細部に至るまでしっかりと無理なく表現しきります。低域もしっかり出ています。生楽器を多用するクラシックやジャズを聴くときの生々しさ、オーケストラやビッグバンドの空間の拡がりは得意分野。あの空間オーディオよりもずっと自然な拡がりです。

で、これヘッドフォンではないです。STAX社は胸を張って「イヤースピーカー」と呼んでいます。けっこう音漏れするので家族にも聞こえています。一見大きくて重そうですが、そんなことはなく3時間も4時間も装着し続けられる。ああもうこれで高級オーディオは要らないなと思ってしまったくらいです。ちなみに僕のシステムでは、音源を集めたアンプ(UD-505)からXLRケーブル(BJエレクトリック製)でSTAXアンプSRM-353Xとバランス接続しています。音量は0dB位置で出してSRM-353Xでボリューム調整しています。
※STAX製品もBEAT&VOICEさんにて購入できます。SRM-353Xは後継SRM-400Sになっています。

おまけYouTube動画
STAXを徹底試聴 SR-X9000、SR-007A、SR-L300とSRM-D10