2023-05-19

Way Kool / Hiram Bullock

 

Hiram Bullock(ハイラム・ブロック)のギターを初めて聴いたのは、夜中のテレビ番組"Night Music"での映像(デヴィッド・サンボーン Sax、マーカス・ミラー B、オマー・ハキム Dr、ハイラム Gらがバックバンド)を観たときでした。豪華メンバーの凄い演奏でしたが、ハイラムのギターの個性は光っていました。

大学時代、音楽好きな友人との間で「From All Sides」(1986)や「Give It What U Got」(1987)がカッコイイと話題となりすっかりファンになっていました。というのも彼のギターは一聴して彼のものだとわかる音色とフレーズを持っていたからです。残念ながら2008年に52歳の若さで亡くなってしまいましたが、いまだに彼のギターは語り草となっています。

強力なファンクベースに乗せてハイラム節が炸裂する1.Da Alley は途中でJB御大の声が聴けます。2.Shut Up も音数が少ないのに大きなフレーズを聴かせてくれます。7.Wolfman のギターも最高!です。そして8.Another Night のようにハイラムは歌も魅力的なヴォイスの持ち主。全編にわたりハイラム節の詰まったアルバムで何回か聴くうちにフレーズを覚えてしまいます。


2023-05-18

音楽を聴くことの原体験

 

長らく音楽鑑賞を趣味としてきました。原体験は、小学生のときの上野公園にある東京文化会館でのクラシックコンサートだと思います。学校の教室にあった3ウェイスピーカー、ヤマハNS-1000Mもよく覚えています。レコードを聴くなんて授業があって、その時間が大好きでした。自分が指揮者にでもなったつもりで夢中で聴いていました。

1970年代ですからテレビでは歌謡曲、自分用にはトランジスタラジオ→ラジカセ→ステレオラジカセ→オーディオと機器がグレードアップして、ソースもFMラジオをカセットテープに録音していました。1981年には高校生ですから小遣いでなんとかレコードを買ってカセットテープに録音してウォークマンで持ち歩いたり。大学生になるとレンタルレコードをカセットに録音して楽しむことも多かったです。

高校〜大学はハードロックとエレキギターに夢中でした。バンドを組んで好きなアーティストのコピーを演奏していましたが、やがてオリジナル曲も作るようになり、そこでいろいろなジャンルの曲を聴くようになったと思います。CDが出てきて集めるようになったのも1980年代後半から。秋葉原(オーディオ)にも御茶ノ水(楽器)にも近いところに住んでいたのでラッキーでした。

というように僕にとっての音楽リスニング体験は、ライヴを聴くこと、放送を聴くこと、レコードやカセットやCDをオーディオ機器で再生すること、楽器を演奏すること、どれもこれも夢中になって楽しむことでした。そして今、還暦近くになって再び音楽をじっくりリスニングする時間を持てるようになりました。そんな日常をつれづれなるままに書いていこうと思います。

2023-05-17

Enigmatic Society / Dinner Party

 

ここ数年のジャズを聴いている人であればこの豪華メンバー(Terrace Martin / Robert Glasper / 9th Wonder / Kamasi Washington)による新譜を聴かずにはいられないでしょう。ジャズアルバムというよりは、今現在のヒップホップやR&Bを上質に聴くことができます。

A Tribe Called Questが90年代当時の空気をヒップホップ&ジャズで表現したように、凄腕ジャズミュージシャンによって伝えてくれています。沈み込むぶっとい低音も健在。浮遊感のあるサウンドに気持ち良いメロディが乗ります。全体を聴いたあと、やっぱり彼らのジャズアルバムなんだなとしみじみ。

なんか懐かしいピアノが漂う1.Answered Prayer に始まり、今のヒップホップ&ジャズはこれだと思わせるビート&雫音のあとピアノが美しい5.For Granted 、ホール&オーツの有名曲のフレーズを取り入れた7.Can't Go もさすが彼らというサウンドでオススメです。


2023-05-16

Tribes, Vibes and Scribes / Incognito

 

Incognito(インコグニート)はイギリス・ロンドンのジャズ・ファンクバンド。僕は1991年のアルバム「Inside Life」で知りました。ハウスの伝説的な楽曲“Always There featuring Jocelyn Brown”が入っていて彼らのアレンジがカッコよかったのでファンになりました。

リーダーはギターのBluey(ジャン・ポール・'ブルーイ'・モーニック)で彼のソロアルバムもよく聴きました。彼がリスペクトしているであろうR&B、ジャズフュージョンやハウスの古き良きサウンドを現代風にアレンジし、印象的なメロディーとともに都会的でおしゃれなダンスミュージックに仕上げているのが特徴です。

印象的なベースラインでこれぞジャズファンクな1.Colibri に始まり、スティーヴィー・ワンダーの名曲4.Don't You Worry 'Bout a Thing ギターカッティングとベースラインがかっこいい7.Closer to the Feeling や9.Need to Know あたりが彼ららしいサウンドとしてオススメです。


2023-05-15

セルフなのに顧客満足度が高いって?

 

スターバックスコーヒーやドトールコーヒーなどセルフサービスが主流です。パン屋もスーパーも商品を自分で取ってレジに並びます。さらにセルフレジであればほとんど店員と対面する必要がありません。なのにスターバックスコーヒーの顧客満足度は高いと言われたりします。(値段が高いとか混んでてくつろげないという不満も多いようですが)

昔はどの喫茶店でもウェイターが注文をとりにきて、食事や飲み物をテーブルに運んでくれていました。こちらは座って待っているだけ。人手をかけてサービスしているのに、昔ながらの喫茶店はどんどん減っています。このことは外食業界だけでなく、あらゆる商売に共通する話題です。コロナ後の人手不足が拍車をかけそうです。

スタバと喫茶店の違いは、ひとことで言えばビジョンの違いです。ビジョンによって価値提供のポイントが変わってきます。どちらが良くてどちらが悪いということではなく、お客様によって選択されているのです。スタバと喫茶店を使い分けていると思います。そして残念ながら昔ほど喫茶店を使わなくなってしまったのです。

スタバが店舗数を増やすことができたのは、よく考えられたビジョンとその徹底ぶりが凄かったのだと思います。コーヒーの味や商品ラインナップはもちろん内装デザインやスタッフの話し言葉に至るまですべてビジョンに沿っていました。ここ数年やっとビジョン経営が当たり前になってきました。Z世代はまずそのチームのビジョンを確かめることから始めています。ビジョンと戦略と戦術はちゃんとつながっているかチームで確かめることが大事です。

2023-05-12

Mais / Marisa Monte

 

Marisa Monte(マリーザ・モンチ)はブラジルの歌手。彼女の2作目でありプロデュースはアート・リンゼイ。この時期彼が関わっていたCDとなれば買っていたわけです。アートのお仲間ともいえるデヴィッド・バーンや坂本龍一も参加しています。

彼女の自然でさわやかな歌声に魅了されてしまって以降のアルバムも買うようになり、ライヴにも行きました。ちょっとハスキーなヴォーカルだけでなくサウンドがしなやかでとても多彩。カエターノ・ヴェローゾと同時にすっかりブラジル音楽にハマる要因になりました。

このアルバムの魅力は1.Beija Eu のようなモダンで優しいサウンドではあるのですが、新しいブラジルらしさを感じるのは4.De Noite Na Cama でアートがノイジーなギターを弾いたり、5.Rosa でのいかにも坂本龍一なキーボードによるボサノヴァです。これから初夏にかけてピッタリな作品だと思います。


2023-05-11

人手不足、AI時代、もっとIT化しないと

 

やっとコロナにひと区切りつきました。3年前急に「会わないように」と言われて以来、いくらなんでも仕事にならなかったというのが正直なところです。外食、ライヴエンターテインメント、宿泊、鉄道など雇用していた人材を手放していましたから、お客様が戻ってきても対応するスタッフがいないのが現状です。

コロナで在宅勤務やオンライン商談がアリになり、以前のように毎日出勤前提では人材確保しづらい状況はこれからも続くでしょう。さらに少子高齢化も避けられず働き手は少なくなる一方です。経営者としてはここで舵切りしておかないと。淘汰の波はそこに来ていると思います。

「IT化」と言ってもシステム部とかプログラマーとか外注とかの話ではないです。AIのChatGPTもそうですが無料で始められるツールは数多く、コードを書かなくても業務を自動化できたり、チームで可視化できる時代です。SlackDiscordNotionあたりはユーザーも多く操作性も機能も日々進化している自動化/可視化/コミュニケーションツールです。経営者自らこれらツールを使いこなして、会議時間を減らし、仕事をアシストし、プレッシャーとストレスを減らし、必要なところに貴重な工数を集中できるようにすべきです。

IT化は社内だけでなく顧客対応においても必要です。特に人手による「接客」は貴重であり高価なものになっていきます。接客を選ぶということは多少値段が高くなっても仕方がないということです。セルフレジやキャッシュレス決済はもちろん、モバイルオーダーも当たり前になるでしょう。経営者はビジョンに沿って、価値提供のポイントはどこにあるのかを見極め、IT化にもっと積極的に取り組むべきです。