2023-05-02

return to casual / Walter Smith III

 

Walter Smith III(ウォルター・スミス3世)はアメリカのジャズサックス奏者です。1980年生まれバークリー音楽大学卒、これまでに新進気鋭かつメインストリームなロバート・グラスパーなどのビッグネームとの共演で数々の作品に名を連ねていました。

そして僕の好きなドラマーとよく共演していまして、今作のケンドリック・スコットもリーダー作はすべて聴きこむほど。大好きなエリック・ハーランドともバンドを組んでいました。シャープで手数が多くスネアの音は硬め、流行りのリズムというよりもジャズそのものの叩き方で曲に抑揚をつけてくるドラマーたちです。

複雑なユニゾンが印象的な1.Contra はその後の流れるようなリズムが聴きどころ。ケンドリック・スコットのドラムスが大活躍する6.quiet song はマシュー・スティーヴンスG.の独特な音色やフレーズに注目。8.Amelia Earhart Ghosted Me あたりになるとアルバム全体が心地よいサウンドなのにウォルターをはじめ全員がとんでもない演奏テクニックで表現していることに気づきます。


2023-05-01

The Low End Theory / A Tribe Called Quest

 

A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)はアメリカのヒップホップグループ。特にジャズの影響が感じられるところがポイントで、1991年当時このアルバムは画期的でした。メンバーのQティップのソロ作も含めて愛聴していました。彼らの作品はのちのヒップホップのみならずジャズにも大きな影響を与えていると思います。

洋楽ヒップホップのリリック(歌詞)はわからないので、聴くのは声だったりサウンドやリズムになります。いろいろな素材(サンプリング)を組み合わせて独特のサウンド質感やリズム感をコラージュしてサウンドリスナーとしても楽しめます。

低くカッコいいジャズベースから始まる1.Excursions と2.Buggin' Out でうわぁカッコイイー!ってなります。5.Vibes and Stuff にはなんと御大ロン・カーターも演奏参加。浮遊感のある7.Vibes and Stuff やその名も11.Jazz (We've Got) がヒップホップなのにジャズらしさを感じる作品になっています。 

2023-04-28

Entropy Productions / VIBRASTONE

 

日本のヒップホップに燦然と輝く、近田春夫率いるVibrastone(ビブラストーン)。ヒップホップなのかという話題もありますが、とにかくジェイムス・ブラウン筆頭のファンクを日本語で体現したバンドという個人的な見解です。JAGATARAのOTO(ギター)をはじめバンドの演奏力がハンパなくライヴは圧巻でした。

1991年のこのメジャーデビューアルバムは、トガッた歌詞を速射砲のように連発し、ぶっといベースとタイトなリズム、ホーンセクションとパーカッションが煽りまくるサウンドが衝撃的でした。日本でもすっかりヒップホップは定着していますが、彼ら以降こんな凄いヒップホップ&ファンクバンドは出てきていないと思います。

小泉今日子参加の1.ジェット・コースター から頂点に達するサウンドに始まり、3.調子悪くてあたりまえ 、7.金っきゃねえ など今聴いてもウンウンうなずける歌詞にニヤリとします。サウンドとして好きだったのは5.一日中ボケーッ のハウス的リズムでした。


2023-04-27

「やります」を言える人は希少価値

 

その昔、コンサルが嫌いでした。こちとら現場で切磋琢磨しているところに、クールな出で立ちで「こうしたらいいのでは」と言ってくる。やるのはこっちだ。そんなもっともらしいことを言われても、それがどんなに建設的なアドヴァイスでも、現場で1対1でやっているときには役に立たない。なんとかしないといけないんだと。

あと5、6年すれば娘も社会人になるかもしれない。その頃はChatGPTを始め自動生成系AIは仕事であたりまえに使われているでしょう。過去のデータつまり言語だけでなくセンサーで読み取ったデジタルデータはすべて学習され、未来に向けての選択肢をAIが示してくれる。机上の資料は誰でも作成できる。そこに優位的能力は必要ない。よって僕が嫌いだったコンサルはもう必要ない...のかな。

というわけで、ここで書いていることもAIに取って替わられるような内容かもしれません。むしろChatGPTさんのほうが万人に適用できて網羅的な答えを教えてくれるでしょう。僕がここに記録しているのは、汗かいて体得したことをまとめたものです。言い換えれば僕の試行錯誤という長時間過去データに基づく手動生成です。娘をはじめ誰かのアクションの後押しになればいいな。

AI時代になって大事になってくるのは「やります」と言って実際にやる人間です。自分で五感を使って試行錯誤しないとわからないことはまだまだ多い。そしてこの「やります」を言わない言えない人が圧倒的多数なので、「やります」を言える人は希少です。社長はその「やります」を最初に言う人なんです。言っちゃったからやらざるを得ない、ともいいます。

2023-04-26

Like Minds / Wayne Escoffery

 

お気に入りのSMOKE Sessionsシリーズ。毎回高音質でライヴ音源を届けてくれています。今回はWayne Escoffery(ウェイン・エスコフェリー)という1975年生まれのテナーサックス奏者。ニューヨークの街の雰囲気たっぷりのナンバーを聴くことができます。

僕がこのライヴ音源いいなと思う理由はドラムスの音。打楽器は周囲に音が飛び散りますから、マイクの立て方が上手でないとやけに音が大きくなってしまったり、抑え込もうとすると活気のない音になってしまったり。加えて場内に響く音も適度に混ぜないと臨場感が出ない。このシリーズの音源はその点間違いないと思います。今回のMark Whitfield Jr.のドラムスもちょっと硬めの僕好みの音です。

曲も1.Like Minds から勢いよく滑り出す僕好みのハードバップ。そしてなんと4.My Truth 、5.Rivers of Babylon には大好きなグレゴリー・ポーターが歌っているではありませんか。ここ10年くらいで僕のイチオシヴォーカルです。続く6.Song of Serenity もソプラノサックスとピアノが洗練された音を聴かせてくれます。


2023-04-25

Blue Lines / Massive Attack

 

最も好きなアーティストは誰かと聞かれれば、Massive Attack(マッシヴ・アタック)と答えます。家にある彼らのリミックスを含めた関連CDを数えてみたら55枚ありました。イギリス・ブリストルの当初3人組で、今はロバート・デル・ナジャ(3D)とグラント・マーシャル(ダディ・G)の2人ユニットです。アート&クラブカルチャーから始まり、サンプリング(ヒップホップ)の手法を取り入れたDJスタイルで登場しました。

同様手法の音楽は多々ありますが、僕が好きなのは彼らの音の手触り。表現のためにサンプリングを大胆に使い、無駄を削ぎ落とし、ある音を強調したりカットしたり繰り返したりするいわゆるダブミュージックだと思っています。ガツンとくるオーディオやヘッドフォンで聴いて浸ります。

1991年の1stアルバムである本作を聴いたとき、1曲目から地を這うようなベースがとにかく衝撃的で「ああ、これだ!」と一目惚れしてしまいました。あとでこの曲はビリー・コブハムの「Stratus」という曲のサンプリングであることを知り、ジェフ・ベックもよく演奏していたものでした。

もちろん全曲好きなのですが、やはり1.Safe from Harm は外せないアンセムでしょう。6.Unfinished Sympathyのストリングスと高揚感のあるリズム、8.Lately のひんやりとした中に暖かいソウルを感じるリズム、9.Hymn of the Big Wheel にはリミックスがあって海のような雄大なサウンドが好きです。


2023-04-24

取引先にちゃんと提案してもらう

 

取引先には、あらかじめ完成しているものを仕入れる場合と、たとえば店舗の内装やカタログ、WEBサイトなどを作り上げたり、制作やイベントをサポートしてもらうような場合があります。特に後者の場合は未だ見ぬゴールに向かって並走してもらうことになり、ある期間は密な関係になるため、ここは社長がしっかり決断したいですね。

途中で変更したり、やり直すにもコストがかかるのでパートナー選びのプロセスは重要です。価格の安さだけで選ぶのではなく、複数の会社や人と会って提案いただくことで、得意不得意やコスト削減の考え方を見極め、結果的に自社のコンセプトに合った設計・計画に近づけるようにします。

提案いただく際には、提案依頼を書類にまとめておき各々の取引先に等しく説明することで先入観をなくすことが肝心です。店舗であれば、コンセプト、外見イメージ、商品とサービス、物件見取り図、予算感と対象範囲を明確に伝える必要があります。

取引先からの提案をみて、こちらが説明した内容をきちんと反映しているか、質問や回答のやりとりに問題はなかったか、期日を守っているかなど誠実に対応してくれるかが前提となります。そのうえで、こちらのイメージとあった提案となっているか、変更してほしい箇所をすぐに検討してくれるか、予算に近づけるよう努力してくれているかといったところが決め手になるでしょう。